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猫が好きな人はたくさんいるけど、実際に引き取れる人は少ない現実
10月に入って、急に朝晩冷えるようになった。季節の変わり目は、人間も猫も体調を崩しやすいものだ。先日、仕事を終えて家に帰ってくると、いつも弾丸元気娘のひじきの元気がない。いつもは、「にー(くれ〜)」と言って詰め寄ってくるほど食欲旺盛なのに、「あまり食べたくないの」みたいな、しおらしい様子に焦って、翌日病院に直行した。
日中にトイレをしていなかったようなので、最初は、膀胱関係かなと心配したのだが、次の日の早朝にトイレをするのを確認し、とりあえず一安心。先生によると、熱があって、たぶん風邪だろうということだった。
ひじきは、うちに来た当初は、既に猫風邪をひいていたので、他の子たちよりも体調を崩しやすいようだった。猫風邪は、一度ひいてしまうと体内から出ていかないので、免疫力が下がると出てくるのだ。そういうわけで、今回のことは、良い教訓になった。注射を打ってもらって帰宅すると、食欲も出て、夜には、復活して、いつものひじきに戻った。
そんなひじきを見ていると、あのまま、外で生活していたら、こんな風に熱が出たら、誰も病院に連れて行ってくれないし、本人はしんどいから、軒下の隅っことかで丸くなっていて、下手したらそのまま…ということになったからもしれないなと思った。やはり自分で保護すると、いろんなことを考えてしまう。
初めての里親探しは超難航
ひじきが来た当初は、うちで迎えることはあまり考えてなく、できれば里親さんを見つけて、そちらで引き取ってもらおうと思っていた。ちなみに里親探しは初めてである。
保護した猫を引き取ってくれる保護施設やボランティアは少ない。大きな都市だとそういうところもあるだろうが、ここにはない。とりあえず、職場や知り合いに聞いてみることにした。
猫が好きな人は大勢いる。その中で猫を飼いたい人もそれなりにいる。しかし、今、捨てられている猫を飼いたいと即答できる人は少ない。そういう人は、既に猫と暮らしているので、私と同様、これ以上増やせないという人がほとんどだ。
知り合いで、以前から猫か犬を飼いたいと言っていた人にも聞いてみたが、旦那さんが反対しているなど、なかなか一筋縄ではいかなかった。また、以前猫を飼っていた人も狙い目だが、なんだかんだでタイミングが合わず、子猫との対面ができなかったこともあった。
どんどん可愛くなるひじき
ひじきの猫風邪は、病院でみてもらうと、そこまでひどくはないようで、薬をもらって飲ませているうちにどんどん良くなっていった。声も、最初のひどいダミ声から、鈴を転がすような、めちゃくちゃ可愛い声に変身していった。見た目も、最初は、ちょっとワイルドな匂いがしていたのだが、風邪を引いていることもあり、体を洗うのはやめにして、猫用のシャンプーシートで何度も拭くと、毛もフカフカするようになり、ぐんと可愛くなった。
これだったら、すぐに里親さんも見つかるだろうと、近くの保護団体のホームページに載せてもらったりもしたが、特に進展せず、手術の日を迎えた。
手術を終えて、感染症検査の結果次第では、どうするか考えないといけなかった。もし、感染症陽性、特に白血病なら、うちでは飼えないし、その場合は、1匹で飼ってくれる人を探すか、それも無理なら、TNRするしかなかった。
ずっと外で生活していた子なら、大豆のようにTNRする選択肢もありだと思うが、ひじきは、まだ子猫で、大豆もずっとひじきがそばにいるのは、ストレスになることは想像できる。
ここまで里親さんが見つからなかったので、本気で見つけようとなったら、もう少し手を広げて探すことになる。しかし、絶対にちゃんと幸せにしてくれる人に譲りたいので、できれば知人の知り合いぐらいに絞りたかった。
日々、譲渡活動されている人は本当に大変だなと実感した。猫は、どんな子でもお世話しているとどんどん可愛くなるし、お世話自体に苦はないが、どんな人に託すかというのは悩むだろうなと思った。
このままうちの子に
病院でひじきを預けて、手術の時に、採血して、一緒に感染症検査もするということで、一旦自宅に戻った。病院に連れて行く時に、車に乗るとひじきはいつも悲痛な声で泣く。おそらく、車でこちらに連れてこられて捨てられたんだろう。コハクなどが、病院に行く時に泣く声とは、明らかに違うということがわかった。
こんな風に泣く子猫を捨てる心情を考えてみると、やるせなくなった。何か事情があるのかもしれないし、一概に責めることはできないが、うちに来た時のひじきの表情を思い出すとなんとも言えない気持ちになった。
午後から病院に迎えに行く途中もずっとひじきの今後のことを考えていたが、一つだけ、決めていたことがあった。
もし、感染症陰性なら、このままうちで一緒に生活しようということ。まだ、先住猫であるコハクやクロミにはちゃんと会わせていないが、子猫で、人懐っこいひじきなら大丈夫だという確信があった。
いつも感染症検査は緊張する。コハクは最初から検査されていたのでこういう気持ちを味わうことはなかったが、クロミは、ボランティアさんに保護された猫だったので、こちらで感染症検査をしたので、それもドキドキしたことを思い出した。
今回は、もしダメだったら外に出すかもしれないので、クロミの時以上に緊張して、病院で待っていた。名前を呼ばれて、馴染みの看護師さんが出てきた。この方には、感染症検査の結果によってはリリースする話をしていたので、呼びにきてくださった時に、前まで来て、ニコッと笑って、「陰性でした」と言われたので、その場で、ガッツポーズしたのも今となっては良い思い出である。
こうして、大豆に付いてきたひじきは、コハクとクロミの妹になった。
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