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もじょもじょちゃん

私は小さい頃、父から奪った半纏の、襟の黒いところをはむはむしないと眠れなかった。
妹はいつも、母の喉というか首というかそのあたりをつねりながら寝ていたし、子どもというのは何かしらそういう「ライナスの毛布」的な、ものというか行為というかを持っているのだろう。

さて、2歳になる長男ちみすけにとっては、母の着ている服の袖に手を入れて、もじょもじょさせることがそれにあたるらしい。

寝かしつけの際、眠くなってくると隣に寝ている母の袖に手を突っ込み、もじょもじょさせるのが彼の癖で、それを母が「なぁにー?もじょもじょさせて。もじょもじょちゃんなの?」と言っていた。
するとその名が気に入ったらしく、いつからか自分で「もじょもじょちゃんしてるのー」と言ってやってくるようになった。
ノースリーブの服を着ていると、「ねぇ!ふくきて!もじょもじょちゃんできないよぅ!」と文句をつけてくる。

そしていつの間にか、別に眠くなくてもやってくるようになった。
それは母が隣にいる時、とくに食事の時が多い。
食べ物を触ったりして手が汚れていることが多いので、その手で服を触られることを嫌がっていたら、嫌がる様子がいたずら心をくすぐってしまったのか、わざとやっているように思う。

でもなんとなく、とくに妹が産まれてから増えた気もするので、彼なりにかまってほしいアピールなのかもしれないとも思っている。

ともあれ、このもじょもじょちゃん、
ずっとやられるとイライラしてくる。

二の腕のところを小さな手でさわさわされるのはくすぐったいし、手を入れて中を掴まれていると動きが取れない。
服も伸びそうでいやだし、まして汚れた手だったらなおさら嫌だ。
寝かしつけ時はまだしも、日中のやることがあるとき、特に食事の時などは、
「そんなことしてないでさっさと食べい!!」
とイライラしてくる。

ある日、進まない食事、汚れた手で伸ばされた袖、さわさわの不快感にイライラしてきてしまった私は、イライラを誤魔化すべく茶化して聞いてみた。
「ちみちゃんなんでそんなことするのー??ママのことがだいすきなの??」
するとちみすけは、満面の笑みでこう答えた。

「うんー!だいすきなの〜」

イライラが、溶けた。

そうか、だいすきなのか。
じゃあしょうがないね〜。(チョロい)

以来、もじょもじょされすぎて「あーーーーーーもう!なんなの!」となってきたときは、
同じように聞くことにした。

すると、こちらから聞かなくとも、
もじょもじょしながら
「ちみちゃんは〜ままがだいすきだから〜もじょもじょしちゃうんだよ〜」
と言うようになった。

、、、、ふん、かわいいやつめ。

もう、好きなだけもじょもじょなさい!

ちみごはん
・豚カツ風
・ひじき
・にんじんシリシリ
・肉じゃがのじゃが

豚カツ風は、パン粉の代わりに油揚げを衣にしています。
豚こまを細かく切って、片栗粉と酒、塩胡椒を揉み込んで、ひっくり返した油揚げの中にイン!
多めの油で揚げ焼きにしました。
ころもサクサク!
子どもは甘めの子供用ソースで。
大人はソースにすりごまと味噌を混ぜてかけました。大人には小ネギも散らして彩アップしましたが、子どもは緑がかかってると食べないので割愛。

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