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ぶどうのひみつ

長男ちみすけ(3歳3ヶ月)は、小麦と卵と乳のアレルギーがあるので、治療のために決められた分(うどん3グラムなど)食べる以外は、完全除去の暮らしをしている。

完全除去というのは、うどんとかパンとかプリンとかソフトクリームみたいな、アレルゲンど真ん中!というものだけでなく、カレールーの中の小麦とか、ハムの中の乳とか、かまぼこの中の卵とか、一見分からないものまで気をつけなければいけないので、原材料表示とにらめっこの日々だ。

3歳ともなると、ちみすけ本人にも、少しずつアレルギーの話はしている。

・ちみちゃんは、小麦、卵、乳のアレルギーがあること。
・それらを食べたり、触ったりすると、かゆいかゆいになったり、お腹いたくなったり、具合悪くなるおそれがあるため、してはいけないこと。
・ママやパパが出すごはんや、保育園のちみちゃん用の給食は、アレルギーにならないように特別にしてあるが、それ以外のもの、たとえばおともだちが食べているものなどはちみちゃんにはアレルギーになってしまうかもしれないので、勝手にもらってはいけないこと。
・だれかに食べ物をもらったら、必ず食べてもいいかママやパパに確認すること。
・毎日少しずつ食べているうどんやヤクルト、ゆで卵をがんばったり、たまにある病院での入院をがんばったりすると、いつか食べられるようになるから、がんばろう、ということ。

そんなことを本人には伝えている。
どこまで理解してるかはわからないが、最近は、
ちみちゃんはアレルギーがあるんだよ!とか
今日のアレルギーなにたべる?とか
これ、たまごこむぎにゅう入ってる?とか
ちみちゃんは、アレルギー入ってないのにする。入ってるのはママ食べて。
と言うようになった。

母が原材料表示をチェックするのを真似して、
「ちみちゃんもみる!みせて、、、たまご、にゅう、こむぎ、はいってない!たべれるゥ!」など言ったりもする。


去年のクリスマス、よくいく児童館のイベントなどで、お菓子の詰め合わせをもらう機会が2回ほどあった。

プレゼントを受け取って、うれしそうに「ありがとぅ〜」と言って「おうちかえったらこれたべる!!」とニコニコしていたちみすけ。

母は、あんまり気持ちを盛り上げないように、
「そうだね、よかったね、おうち帰って食べられるのあったらたべようね〜」と静かに答えていた。

そしてお家に帰ってお決まりの原材料チェックをしたら、


ひとつもなかったのだ。

ちみすけに、食べられるものは😢


受け取った時から、ないだろうな〜
とは思っていたけど、やっぱりなくて、
「残念だけど、ちみちゃんに食べられるのはなかったみたい。かわりにおうちのおやつにしよっか!なんにするか、おやつの引き出しに選びに行こう!」とか誘ってみたけど、
「いやだ!もらったのにする!」と泣き叫んだ。

そりゃそうだよね〜、、、

おうちにあったお菓子を総動員して、かわいい紙袋につめて、リボンをつけて、ちみちゃん用のスペシャルお菓子バッグだよー!!と言って、なんとか気を取り直した。

中はいつものお菓子だったけど、それからしばらくは、おやつの時間にその袋の中から「きょうのおやつ」を自分で選んで食べた。

そんな話を私の妹(みーちゃん)にしていたら、クリスマスの時にみーちゃんの家に遊びに行った際、よくあるサンタブーツのお菓子の詰め合わせを、中身をちみすけ用に詰め替えてプレゼントしてくれた。

そのサンタブーツは、ブーツ部分?がショベルカーのおもちゃになっていて、乗り物好きのちみすけにクリティカルヒットだった。

見ただけでテンション爆上がりだった。

しかも、その中身をいつものように母と原材料チェックしたら、(詰め替えてくれているので)食べられるものばかりだったのだ。

母「じゃあこれ!見てみまーす、、、、卵、乳、小麦、なし!食べられます!」
ちみ「たべられます!」
母「次はこれ!、、、、卵、乳、小麦、なし!食べられます!やったー!」
ちみ「やったー!」
母「こっち!、、、、卵、乳、小麦、なし!食べられます!いえーい!」
ちみ「んふー!!!」

ちみすけの喜びようったら。
喜びでその場で足踏みしていた。

ほんとにありがたかった。

さて、そのおやつブーツの中に入っていたことで、
彼は出会ったのだ。

トーマスのラムネと。

彼は乗り物が好きなので
以下参照↓

もちろんトーマスもすき。
なんてったって乗り物だからね。

で、ラムネも好き。

だから、トーマスに入ったラムネはすっかり彼のお気に入りとなり、
同じくお気に入りのはやぶさのポシェットに入れられて、自分で少しずつポリポリたべていた。

しかし、クリスマス&年末年始に滞在していたみーちゃん家&ちみ母実家から帰宅する際、その大切なトーマスを置いてきてしまったのだ。

あわや大惨事。

取りに帰ると騒がれたらめちゃめちゃめんどくさい。

と思っていたら、家の近くのイオンに売ってた。

持つべきものは隣のイオンだ。

で、無事新しいトーマスを手に入れたちみすけは、自分が食べられるものかどうか、原材料チェックをしていた。
ちみすけは、漢字は読めないので、もちろんチェックしている「気分」なのだが、、、

ちみ「ちみちゃんみてみる!、、、、たまご、にゅう、こむぎ、はいってない!たべれる!、、、あっ!!あっ!!ままーーーっ!」

と、原材料チェックの途中で、ちみすけがなんかすごい興奮してやってきた。
なにやら発見したようだ。

ちみ「まま!まま!これ、ぶどうはいってるわ!!」

ちみすけが発見した「ぶどう」

ぶどう(糖)!!

母「たぁしかに〜!!ぶどう入ってるね〜!よく読めました!ぶどうの味する?」

ちみ「しない!」

母「(でしょうね〜!)」

ちみ「ちみちゃんが、あれるぎーはいってるかなーってみてみたら、ぶどうがはいってたの!」

自分が読めて発見したことが嬉しかったのか、「これ、ぶどうはいってるんだよ!」とその後父にも報告していた。

そんなことがあってしばらくして。

ちみすけは、牛乳が飲めないので、豆乳をよくのむ。
ふつうの豆乳もよく飲むけれど、豆乳ってめっちゃめちゃいろんな味があって、
そういう味付き豆乳もだいすきだ。
我らが隣のイオンには、バナナ豆乳とココア豆乳とずんだ豆乳が売っている。
ちみすけは、バナナとココアはだいすきで、ずんだは苦手らしい。(彼は緑の食べ物が苦手。)
その日もいつものようにココア豆乳を飲んでいた。すると、

ちみ「ままっ!ままっ!!!みてーっ!!」

と興奮した声に呼ばれた。

ちみ「これ、ぶどうはいってるわ!!!」


ぶどう入ってるねぇ〜!

ぶどう(糖)!!

ここにも!

母「ほんとだ〜!!ちみちゃんよくきづいたね〜!!」

ちみ「ちみちゃんが、みてみたら、これぶどうはいってたわ!ここあなのに、ぶどうはいってた!!」

母「笑。ね〜!ココアなのにね〜!!ぶどうの味する?」

ちみ「しない!!」

母「ふしぎだね〜!!」

ちみ「ぶどうのあじはしないし、ここあだけど、みたら、ぶどうはいってたわ!!」

ちみすけの大好きなココア豆乳にまで入っていたぶどう。

入っているのにぶどう味はしないぶどう。

その秘密を、母はまだ、あかさないでいる。

ぶどうの発見に興奮しているちみすけが、あまりにも可愛くて。

彼がその秘密を知るのはいつだろう。

その頃にはもう、かつて自分がラムネや豆乳の原材料をチェックして大発見していたことを忘れてしまっているかもしれない。

ちょっと寂しい。

だからせめて母は忘れないように、ここに書いておこう。

そしてやっぱり、いつか自分で気づくまで、ぶどうの秘密は秘密のままにしておこう。


ちみごはん
・胸肉のからあげ
・にんじんしりしり
・ブロッコリーのしんとピーマンのツナ炒め

唐揚げは食べるときと食べない時がある。
いつもはもも肉で作るが、最近連敗だったので、胸肉を薄ーく削ぎ切りにして、ケンタッキーのクリスピーみたいなイメージで作ってみた。
やはり薄いのが食べやすかったのか、久々にまともに食べてくれた。
が、余った次の日は固くなってしまったからか全然食べなかった。
唐揚げ、いつも作りすぎてしまうので、「昨日の唐揚げ」の良い使い道を模索中。

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