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【今週末の気になる展示】2025年2月 《パート1》

【今週末の気になる展示】2025年2月 《パート1》

①展示名:「耕/たがへし『紙と膠』  vol.1 大子那須楮から」


会場:小津ギャラリー(小津和紙2階)東京都中央区日本橋本町3-6-2 小津本館ビル 
会期:2025年2月17日(月)から2月22日(土)最終日16:00まで
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《福田さんより》
絵を描く人、素材を使う人、素材をつくる人、人の手で作られたものが好きな人、いろんな人に見に来てほしい展覧会です。

.「耕/たがへし」という活動が2024年夏よりはじまりました。
各々の立場から絵画素材に深い関心の眼差しを向ける、日本画を出自とする作家10名が集いました。
今回は第一回目の展覧会で、「耕」の自己紹介のような展示になるのではないかと思います。

「耕」の活動は、まず「絵画素材実習」として、本美濃紙や越前生漉奉書の原料である「大子那須楮」の芽掻きから始まりました。
本展覧会は「『紙と膠』vol.1 大子那須楮から」と題しまして、この茨城県久慈郡大子町での実習を起点とする「耕」の活動の紹介と、それを踏まえて本美濃紙(美濃竹紙工房提供)で各作家が制作した絵画作品を展示いたします。

膠は、兵庫県姫路市の大﨑商店 大﨑哲生さんよりご提供いただいたものを使用いたしました。
大子町をはじめ、耕のメンバーがそれぞれ訪れた土地での体験を通した所感や、大﨑膠についてのレポートも併せて展示されます。

この活動は単なる「素材研究」が目的ではありません。
自らが作品で使用する素材が生まれる現場を訪れ、見えてきたものや触れたもの、生まれたことばなどを、各々がそれぞれ受け止めることで、創作活動に繋げていくものです。

「耕」の絵画素材実習として、私は茨城県久慈郡大子町の楮農家さんと、島根県浜田市三隅町の石州和紙の工房を訪問しました。
大子町は「耕」発足前も遡ると、夏・冬合わせて十数回訪れた土地です。

石州和紙は3年以上、制作で好んで使用しています。
「耕」をきっかけにようやく工房を訪れることができて、心から嬉しい気持ちでいっぱいです。
このあたりは、展示するレポートや、別の投稿で改めてことばにしたいと思います。

この実習を踏まえて今回、私は本美濃紙を使用した作品のほか、石州楮紙(石州和紙久保田)を使用した作品の計2点を展示予定です。

どうぞよろしくお願い申し上げます。

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【「耕」公式サイト】

https://geng〓tagaheshi.webnode.jp

活動についてより深くまとめられております。

プロフィールのリンクからもご覧いただけます。随時更新中です。

【「耕」メンバーInstagram(敬称略・五十音順)】

伊藤みさき 漆原夏樹 大山龍顕 金子朋樹 楚里勇己
長澤耕平 福田彩乃 藤田飛鳥 藤本桃子 星和真

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【協力】
小津和紙         (株)小津商店
大子那須楮保存会        齋藤邦彦
美濃竹紙工房       (本美濃紙提供)
大﨑商店        大﨑哲生(膠提供)

《ひとこと》
アートを制作することと同じぐらいに「制作の、その前」「制作の、周囲・周辺」に向き合い、
それぞれに関わる「人」「もの」「環境」「歴史」を真摯に、謙虚に、見つめる眼差し。
おそらく、「楽しい」「面白い」展示ではないでしょう。
でも、今後も「日本画」および「日本画の素材・画材」を使った作品を鑑賞していくなら、見ておいた方が良い気がする。
たとえ、「I can't create」なワタシであっても。

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②展示名:東京五美術大学 連合卒業・修了制作展
会場:国立新美術館/東京都港区六本木7-22-2(乃木坂駅最寄り)
会期:2025年2月21日~3月2日10:00~18:00(入場は17:30まで)

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《ひとこと》
東京の五つの美術大学が合同で開催する「卒業修了制作展」です。
毎年、楽しみにしています。
今年は、どんな「凄い」「トンデモナイ」作品に出合えるのか。

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③展示名:須澤芽生個展「めぐる季節」
作家さん:須澤芽生
会場:Gallery美の舎 (東京都台東区谷中1-3-3)
会期:2/18(火)~2/23(日) 時間:12:00~18:30※初日13:00より 最終日15:00まで


《須澤芽生さんより、展示のお知らせ》
6日間、台東区で花鳥画を中心とした個展を開催いたします!
Gallery美の舎さんでは一昨年ぶりの展示となります。
四季折々の草花と鳥たちをぐるっと巡るようにご覧いただければ幸いです。
ぜひ、ひと休みしがてらギャラリーに遊びに来てください〓〓〓

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《ひとこと》
心地好い「彩り」や、描かれた人物の「静かで穏やかな表情」がとても印象的な須澤芽生さん。
絵の中で揺れる光も素敵な、いつまでも心に残る作品を制作される方です。

++++

④展示名:梁語月展ー迷魂記ー


作家さん:粱語月
会場:ギャラリー和田
会期:2/17(Mon)-22(Sat)

《ギャラリーより》
『月刊美術』主催の「美術新人賞デビュー2024」にて準グランプリを受賞した梁語月さんの個展が始まりました。

2022年に来日し、武蔵野美術大学にて学ぶ梁さん。
絵を描くことで自分と世界の接点を見出せるという彼女の作品は意識や夢の世界に迷い込ませるような幻想的な雰囲気で見る人を引き込みます。

梁さんにとっての初の本格的な発表となる本展を
ぜひお見逃しなく!

《ひとこと》
昨年、「Gallery美の舎」で開催されたグループ展(選抜展)で初めて拝見した粱語月さん。
小さなサイズの作品を一点だけ出品されていましたが、画面のなかでは悪夢が渦を巻くように流れていました。
鑑賞するのに「(もちろん良い意味で)とても疲れる」作品でした。

今回は「個展」ということで、ある程度まとまった点数が拝見できると思います。
絵に負けないように、昼ご飯をしっかり食べてから伺おうと思います。

《蛇足》
ギャラリー和田の並びにある居酒屋が気になる。

++++

⑤展示名:「近代日本画における画紙の特質による技法の展開および実践」陳〓宇 展
作家さん:陳〓宇(台湾台北市生まれ)
会場:アートスペース羅針盤

《ギャラリーより》
本研究の目的は、現在の日本画の制作者が新たな表現を探求するには、 画紙の特質を活かすことが一つの有効な方法であると提案することである。
画紙自体が日本画の表現の一部として機能し得ることを提示するため、日本画用紙の特質と絵画表現の関係について一考する。
そして、日本画における水墨表現の重要性を再評価することを試みる。
また、調査結果に基づき画紙による実験制作で検証し、水墨表現を作品へ還元する方法を提案する。

《ひとこと》
インスタでフォローさせていただいています。
きっかけは「第 51 回創画展」(創画会賞/東京都美術館)で拝見したこと。
朽ち果てたような本棚がとても印象的だった。

《蛇足》
こういう「アカデミックな」展示を好んで観に行くのは、
たぶんワタシが大学時代は真面目な学生ではなかったことへの「罪滅ぼし」という意味合いもあるんだろうな。

《続く》
《はず》

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