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ピンク・フルーツ・チアアップ⤴
「ピンク、すごくお似合いですね。」
今日の私はお花カラーだった。
ふりふりの小花が散らばったワンピースに、背中に大きなまるい穴がみっつ空いた、ピンク色のスウェットを重ね着している。
約束があるから、一目惚れした春色満載のワンピースで気分を上げていきたかった。
2日連続の体力仕事に加え、久しぶりに行った朝ヨガの筋肉痛で身体は重かったが、気持ちのいいお天気に背中が押されるように外にでた。
いつもの街角のスターバックスへきて、レジに並ぶ。
今日はどんな気分かな。
温かいお天気だし、まだ眠気も残っているから、すっきりした飲み物で気分転換したいな。
この前ジンくんがおすすめしてくれたオリアートのコールドブリューコーヒーもいいな。
レギュラーメニューブックの右下に組み込まれたピンクフルーツチアアップが目に入って、あ、ぴったりのあったじゃん。と気分が上がる。
その名の通り飲むと本当に元気になるドリンクだから、気に入っているのだ。
順番が回ってきた。
今日は久しぶりに会う身長が高くてくりくりのお目目が素敵な女の子がレジに立っていた。
いつもは順番が回ってきても、たいてい1,2分はレジの前でうんうん悩むのだけれど、今日はすぐに「ピンクフルーツチアアップで!」を言える。
既に一度心の中で唱えてあるから、あとは復唱するだけだ。
意気揚々と顔を上げた瞬間、彼女のまんまるのお目目と目が合った。
「ピンク、すごくお似合いですね」
びっくりした。
ピンク。
あれ、ピンクにしようと思っていたのテレパシーしたのかな。
一瞬 思考停止して、
気づいた瞬間、ぶわっと顔が暑くなるのを感じた。
ちがった、今日の私のピンクを褒めてくれたんだ。
急にピンクにしてきたことが恥ずかしくなって、あわてて「普段あんまり着ないんですけど」と取り繕う。「珍しいなと思って!すごくお似合いです!」その一言で世界は煌めきにかわる。
私はここのスターバックスが好きだ。
「先頭でピンク・フルーツ・チアアップをおつくりしております。」
いつもの眼鏡のお兄さんの一言で、自分がにっこにこになっているのがわかった。
名前を聞くだけで元気が出る。そんなのって素晴らしい商品じゃない?
誰かのささやかな一言で今日という1日が一瞬でハッピーに溢れたものになるのだから、人のパワーってすごい。
いつも通りお気に入りの席にすわって
パソコンを取り出そうとするその瞬間にうきうきでいっぱいになる。
さあ今日はなにを書こう。あの話題も面白いしこの話題もいいな。
今日も書くことが楽しみでしょうがない。
白いジャケットに花柄のシャツを合わせた素敵なおじさんが女の子に丁寧な一礼をしながらお店を出るのが目に入った。
テラスの席に腰掛け、春風に髪をなびかせながら笑みをたたえてコーヒーに口を付ける。
みんな、幸せそうだ。
ピンクフルーツチアアップをひとくち。ゼリーがのどを通る。いつの間にか眠気も覚めていた。
元気いっぱいだ。
約束の時間まであと3時間。
ちいさなしあわせを抱いて今日も世界は愛で満ち溢れている。
幸せとは、「自分自身」である。
世界は自分が創り出している。
自分が見る角度で、世界は違った表情を見せてくれる。
「幸」は転がっているものではなく、自分自身が日常を幸せと捉えられるかどうか、自分自身が「幸」として存在できるかどうかである。
誰かに伝播しますように。
陽
~ピンク・フルーツ・チアアップ~
お花のワンピース
ピンクスウェット
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