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お風呂屋さんの猫になりたい。3

備長炭風呂の日


最近は寒暖差も出てきて夜は、
かなり冷え込むようになった。

テレビもない部屋に1人でいると、
やはり寂しくなる。
いわゆる「人肌恋しい」になっている。

6年も一緒にいたのだ、、
人肌恋しいは仕方がないのだ。

外から、金木犀の甘い香りがした。
旦那さんと金木犀の思い出なんて無かったけど
金木犀の甘い香りは、より心を寂しくさせた。

今日は丁寧にこなしたい仕事を終わらせて
カレーを作った。

1人分のカレーなんて作った事が無かったから
案の定余ってしまった。

金木犀関連のお洒落な思い出は無いが、
カレーには沢山思い出があった。

しっかり煮込んだチキンカレーや、夏野菜カレー、キーマカレー、スパイスカレー、
どんなカレーも美味しそうに食べる旦那さんを
思い出して涙が出そうになった。

出ていく事を伝えた時に、本気だと思われず、
YouTubeを見ながら
「そっか」しか言われなかった事も思い出して、
涙を引っ込めた。

楽しい思い出だけじゃ、庇えないくらい
辛かった事が多くなったから、
一緒に居られなくなったのだ。

1人で感傷的に過ごさないで、
お風呂屋さんで考えよう。

今日は、ノーマルな備長炭風呂だった。
猫のみいちゃんはいなかった。

家を出て行ってから
旦那さんからは、
「居る事が当たり前になってしまっていて、甘えてた、俺が全て悪かった。」と連絡がきた。

これもまた、どこかで聞いた事あるような台詞。
話し合いが出来ない人の言葉は凄く軽く感じた。

心が許せるまで、
どのくらい掛かるかはわからないけど
悩むたびにここのお湯に浸かって、
穏やかな思考で考えていこう。

お風呂上がりに、アイスを食べて
備長炭の湯でポカポカになった私で外に出る。

秋めいた温度も心地が良い
金木犀の香りの中で深呼吸。


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