ランニング教室で落ちこぼれるドイ

辛い辛い準備体操が終わり、
いよいよ実際に走ってみましょう!となった。

最初は軽く、お喋りできる程度のスピードで。
と言ってもドイは誰とも話さない。
他の参加者はお友達同士で来ている人が多そうだ。
ドイは黙々と走る。

そして次、全速力でダッシュしてみましょう!
との指示。
ドイは駆け出した。
最初の10歩で、ドイってこんなに速く走れるんだ!と思った。
11歩目でこけた。
水切りの石みたいにバウンドしながらこけた。
地面におでこをぶつけてキャップが飛んだ。

地面に突っ伏して動けないドイの頭上を、
他の参加者が全力で駆け抜けていくのを感じた。

嵐が去ったのを確認してから、ドイは体を起こそうとした。
身体中が痛い。
それよりなにより自分の周りに誰もいない。
少し向こうでコーチが何やら話しており、
それをみんなは熱心に聞いている。

うんうん唸りながら立ち上がり、
ドイはその輪に合流した。
何事もなかったかのように。

体よりも心が辛い、ドイだった…

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