【大学生の日常】【#2】数年ぶりにフラフープをした。


風呂場で僕はとんでもないものを見てしまった。

とんでもなさすぎて、見なければ良かったと後悔すると同時に、見えているものが実在するのかどうか繰り返し疑った。

けれど、とんでもないものは姿形を一つも変えることはない。



いつからだろう。

きっと、外出自粛が始まったくらいだろうか。

僕は汗を掻くことをやめてしまった。

だから、当然の報いではあるのだけれど、その現実は受け止め難いものだった。

風呂場でとんでもない、横腹についた肉を、様々な角度から見つめること数分。


(夏をむかえるにあたって、このザマは見苦しすぎる。)

(ただでさえ顔に締まりがないのに、ボディまでこうなってしまっては、肉野郎と罵られてしまうだろう。)


一向に存在感を無くさない肉に平和な脳内を打ち壊され完全敗北した僕は、とあることを決意した。



「そうだ、フラフープをしよう。」



横腹に刺激を与える=フラフープ

我ながら思考の単純さに呆れながらも何もしないよりかはマシだろう、そう思い風呂上がりすぐにフラフープを探した。


探すこと数分、埃をかぶったそれは倉庫の奥から発掘された。

多少変形し、歪な円となっているものの、回す分には問題ないだろうと、早速腰に当てる。


当てては見たものの、あれ、どうやって回すんだ…


腰を回そうにも、数度回してる間にフラフープは下へ下へと落下してしまうし、2、3回回せたかと思うと今度は腰の方が痛くなってしまう。


やってみれば幼き頃の感覚がもどるんじゃないだろうか、回すだけなんだから猿でもできるわい、そんな甘ったれた望みは一瞬にして打ち砕かれた。



試行錯誤を繰り返し、ようやく様になったのは、フラフープを腰に当ててから30分が過ぎたあたりだっただろうか。

30分も格闘していると、何箇所かの体の痛みと何点かの気付きが芽生える。


・腰はあんまり大きく回す必要がないこと。

・キープするという意識より、フラフープを浮上させていくという意識を持つべきだということ。

・落下してしまっても慌てず、少し低姿勢になれば、続行できること。

・やはり、歪な形はやりづらいこと。


最終的に僕は、フラフープを回すというより、フラフープに回され、フラフラになっていた(やかましい)。


フラフープ、舐めてかかると痛い目に合うなあ。



フラフープはちゃんと円のものを使った方がいいよ



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(続けられたら、効果が出たら、報告します)

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