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カレーを踏んでしまった日の話

オーストラリアを1度訪れたことがある。
友人の結婚式に出席するため、観光も兼ねて1週間ほど滞在した。

結婚式自体は1月2日だったと記憶している。

友人は日本からくる我々のために、いろいろと準備してくれていた。

シドニーハーバーブリッジのブリッジクライム。
シドニー動物園。
などなど。

そして、おおみそかにはカウントダウンの花火。
近くで花火を見るには、区切られた観覧場所に指定時間までに入場しなければ見れないため、手荷物検査を受けて入場した。

アルコール持ち込み禁止だが、それ以外なら飲食はオッケーだったようだ。

あるグループはフランスパンの中にアルコールの瓶(ウィスキーか何か)を入れて、持ち込み、パンの中から取り出して周りの無関係な人々に見せびらかして喜んでいた。すでに酔っぱらっているようだった。

観覧場所には特に座席もなく、レジャーシートを敷いて座っているグループもあれば、とりあえず座っているグループもあった。

我々のグループは、先に入って場所取りをするグループと、食料を買いだしに行き、あとから入場するグループとに分かれた。私は場所取りのグループに交じり先に入場した。

入る人数を制限している割にはすごい人だった。

別のグループと合流するために、友人はしきりと携帯で電話連絡を取りながら、動き回っていた。私たちはその友人についていくしか術はなく、とりあえず歩き回っていた。

あっちでもないこっちでもないと歩き回っているうちに、人にぶつかりそうになり、おっととよろけた瞬間、何かを踏んづけた。それと同時に「おい!何やってんだ」のような言葉が英語で聞こえてきて、振り返ると、インドカレーが入ったいくつもの紙皿がせせこましく並べられ、それらを囲んだインドもしくはそのあたりの出身と思われる家族が私をにらみつけていた。私はそのうちの一つの皿を踏んづけていたのだ。ジーンズの裾と私のコンバースはカレーまみれになっていた。「Sorry!」と言ってその場を離れた。

この雑踏の中でカレーはいかがなものかと思われたが、大事なカレーを踏んだことは大いに反省している。

友人は結局花火が始まっても、もうひとつのグループと合流できなかったことを悔やんでいた。

私は花火を写真に収め、それもこれも楽しい思い出と微笑んだ。


イメージをChat GPTに作成してもらった


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