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「安井仲治 僕の大切な写真」@兵庫県立美術館を見る
安井仲治という人の存在を知ったのはいつだろうか?
20年ほど前に安井仲治が生誕100年を迎え、縁である兵庫県立美術館にてコレクション展があり、そこで見たように記憶している。
私はまだ写真を始めたばかりの頃で、日本の写真史も当時の芸術家運動についても無知だった。
浪華や丹平、新興写真、新即物主義やシュルレアリスム、具体美術などのこともよく知らず、よくわからないけど関西にこんないろいろな写真の取り組みをしたすごい人なんだなくらいに眺めていたように思う。
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安井仲治を意識するようになったのは、いつだろうか?
土門拳、木村伊兵衛、荒木経惟、森山大道、植田正治など写真をやっている人なら誰もが知る日本のビッグネームを一通り通過し、開催される写真展を片っ端からみるようになった頃だろうか。
ある時、森山大道が「仲治への旅」という写真集を作っていることを知る。また彼の書籍の中で安井仲治について書いている文章にも出会う。
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安井仲治を理解するようになったのは、いつだろうか?
写真をはじめ数年した頃から、世界および日本の写真史を自分なりに勉強するようになった。わずか200年弱の写真の歴史、写真表現に限っていえば120年くらいしかない。
そのころ分かったのが、安井仲治はまさに戦前の写真表現の変化の真っ只中に、その中心人物の一人として存在した人だったということ。
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今回の展示を見ても、ピクトリアリズムからストレートフォト、そして新興写真へと大きく変化する中で新しいものを取り入れつつ、自分らしさを失わなかった人だったことがわかる。
ハツと感じたら写すがよろし
誰も出来る事せぬがよろし
撮れぬものは撮らぬがよろし
きようの写真より明日の写真よろし
彼が遊び心をもって書いたであろう写真家四十八宣、わずか38歳でこの世を去った彼からの後進へのメッセージは時代を超えて響いてくる。
特別展「生誕120年 安井仲治-僕の大切な写真」
2023年12月16日(土)~2024年2月12日(月)
午前10時~午後6時(入場は午後5時半まで)
兵庫県立美術館