九十九里浜の夕陽を求めて(後編)
前回までのあらすじ。
1泊2日の千葉旅行で同期がCPAPを持って登場して九十九里浜の夕陽を求めていざ出発してサービスエリアで200円負けて銚子で券売機の使い方を教えてもらって犬吠埼灯台で白いポストを見てちいかわのキーホルダーで同期に発狂しかけてからホテルへ向かった僕たちであった。
とってもわかりやすいあらすじを終えたところで、後編スタートです。
犬吠埼灯台から30分ほど車を走らせ、九十九里浜沿いのホテルに到着。
受付には当たり前のように本日の日の入りと日の出の時刻が表示されていた。
九十九里浜に沈む夕陽を拝むという今回の旅の目的を実感し、胸が高まった。
チェックインを済ませて部屋に入ると、これでもかというぐらいのオーシャンビューが広がっていた。
潮の匂いと波の音が心地良く、このホテルを買い取ってやろうかなと思った。
オーシャンビューを堪能した後、CPAP同期に誕生日プレゼントを渡した。
僕がこのnoteで書いたエッセイ「不眠症とともに歩む道」に出てくる"ふみ神" Tシャツだ。
ふみ神は不眠症の神様なので、CPAPをつけて寝ている同期にお似合いかと思って買ったのだが、同期からは「逆逆!!」と言われた。
スズリでお買い求めできるので、是非。
日の入りまでまだ時間があったので、僕たちは先に温泉に浸かることにした。
このホテルには太平洋が見渡せる展望風呂と、普通の大浴場があったので、とりあえず今からは展望風呂に入って明日の朝に大浴場の方に入ることをCPAP同期と取り決めた。
10階に上がり風呂場へ到着すると、思いっきり部屋にタオルを忘れてきたことに気付き、CPAP同期が急いで取りに行ってくれた。
僕は先に温泉に浸かり、オーシャンビューを眺めていた。
CPAP同期が遅れて入浴。
全身脱毛をしているCPAP同期の肌は、マシュマロのようだった。
恰幅の良い体型も相まって、風呂に大きいマシュマロが入ってきたのかと思った。
温泉を堪能し上がると、CPAP同期が2枚持ってきたはずのタオルが1枚ないと騒ぎ出した。
なので、1枚のタオルを2人で使うことになり、半分の面積ずつで分けることにした。
「じゃあこっからここは俺が使うね」と言った瞬間に、僕はそのことを忘れ、全部の面積をフルに使っていた。
温泉後は記憶力が低下することを学んだ。
部屋に戻って小休憩をした後、日の入りを見るため外に出た。
最高のロケーションで見ようと、海岸線沿いをたくさん歩いた。
途中、ノーヘルの原付と二度すれ違った。
僕は「ヘルメットをつけ忘れるぐらい気持ちの良い景色ってことよね」と意味のわからないフォローをしていた。
あと、途中にモグラの死体も見た。
僕はさらっと見て見ぬふりをする感じで流そうとしたのだが、CPAP同期が「モグラ初めて見た!!」とうれしそうにはしゃいでいた。
初めて見たってそれ死んでるから、と言いたくなったが、あまりにもうれしそうだったので何も言えなかった。
約20分ほど歩き、目的地に到着。
ここなら最高の夕陽が見れるだろうと、日の入りを待った。
待ちに待った。
日の入りの時間になった。
夕陽が全く見えない。
日の入りの時間を過ぎた。
この日の天気は、暗黒曇天大曇りだった。
遠路はるばるやってきたのになんて仕打ちだ。
このために来たのに、ひどいじゃないか神よ。
神のことをヘルメットでぶん殴ってやりたくなった。
夕食の時間が迫っていたので、もうホテルに戻ることにした。
トボトボ歩いていると、先ほど見たモグラの死体にまた出くわし、さっきと同じ熱量でCPAP同期が興奮していた。
誕プレでモグラの死体をあげた方がよかったのかな?と錯覚するほど興奮していた。
ホテルへ戻りすぐ夕食へ。
海鮮のコースがどれも新鮮で美味しく、夕陽が見れなかったことを忘れさせるぐらい幸せな気持ちになった。
ペロッと完食。
お食事処を出て、館内設備の卓球をすることにした。
男2人で旅行に来て、まさか卓球をすることになるとは、これもまた一興か。
芸人は何かと卓球をする機会が多いのだが(僕の周りだけかも)、CPAP同期は卓球が小学生ぶりらしい。
こんなやつに負けるわけがないと思い、負けた方は罰ゲームとしてスクワット50回をすることにした。
案の定、僕が圧勝した。
僕の前でスクワットを50回もしている男を見てられなかったので、15回ぐらいまでに減らしてあげた。
勝負がついた後も、部活かと思うぐらい卓球に打ち込んだ。
一度の休憩もとらないまま、結局1時間ぐらいしてヘトヘトで部屋に戻った。
部屋に戻ってからグダグダごろごろしていると、ここでCPAP同期があることに気付く。
「大浴場、朝入れへんやん!」
展望風呂は朝からやっているが、大浴場は朝はやっていないという案内を見つけたのだ。
痛恨のミス。
これなら最初に大浴場の方に入っとけばよかった、クソ。
そしてよく気付いたCPAPよ、ありがとう。
卓球のときには全く見せなかったファインプレーをここで発揮してくれたのだ。
ということで大浴場へ。
大浴場は割と広く、スーパー銭湯のように色々なお風呂があった。
露天風呂が心地良くて、僕たちはずっとそこにいた。
気付けば雲が消え去り、空には綺麗な星たちが顔を出していた。
時間ギリギリの24時まで居座り、心地良さに包まれながら部屋に戻った。
まだ寝るのには早かったので、コンビニに行くことにした。
散歩がてら歩いて行きたかったのだが、1番近いコンビニで20分以上かかるというド田舎だったので、車で行くことにした。
ドライブ中「東京ってヤンキーいないよね」という話で盛り上がった(盛り下がったのかも)。
食料と飲み物を買い込み、部屋に戻ってから晩酌をした。
きらきらアフロを見ながら銚子の地ビールを飲み、ご満悦のベロベロになった。
そして3時頃就寝。
朝方、何かの音で目が覚めた。
そう、同期のCPAPの音だ。
うるさくはなかったが、普段聞き馴染みのない音を発していた。
ダースベーダーが隣で寝ているのかと思った。
僕がオビワンケノービなら、ライトセーバーで寝込みを襲っていただろう。
そんなことを考えながらまた眠りにつき、8時頃起床した。
速攻で朝食へ向かい、ビュッフェを堪能。
朝から生魚を食べたのはいつぶりだろうか。
同期は漫画盛りみたいな量のご飯を食べていた。
贅沢な1日の始まりとなった。
朝食を終え展望風呂に入った後、チェックアウトを済ませた。
外に出ると、とんでもない量の雨が降っていた。
僕が経験した朝史上、1番降っていたかもしれない。
昨日の夜はあんなに星が見えていたのに、なんてこった。
ダッシュで車に乗り込み、いざ出発。
40分ほど車を走らせ、香取神社に到着した。
神社に着いた頃には雨はほぼほぼ止んでいた。
香取神社は千葉では割と有名な神社らしく、自然豊かで厳かな雰囲気が魅力的だった。
何か新しいことを始める前にお祈りする神社らしいのだが、もうすでに全てに手を出している僕は、新しく始めれるものなど何もなかった。
考えに考えた挙句、ピラティスでも始めようかなと思った。
参拝をして御朱印と御守りを購入。
神社内に喫煙所を見つけたので、ダッシュで喫煙所へ駆け込むというボケをすると、ポケットから財布が落ち、財布がべちょべちょの泥だらけになるという人類史上最速のバチが当たった。
水たまりで財布を洗った後、車を1時間ほど走らせ千葉市内へ。
昼食で竹岡式ラーメンを食べた。
千葉特有のラーメンらしく、黒いスープが特徴的だった。
ラーメンとご飯をたらふく食べた後、ここで旅行の疲れがピークに到達。
もうやり残したことはないはずだと言い聞かせ、東京へ戻ることにした。
高速に乗った後、CPAP同期が「ちいかわのキーホルダー買いたいからサービスエリア寄ってな」と言ってきた。
くそ〜〜、覚えておったかこいつ〜、しょうがないなあ〜〜。
と思いながら「おけ」とだけ言った。
東京に入るギリギリの手前でサービスエリアを発見(どこのサービスエリアかは覚えていない)。
中へ入りお土産コーナーに行くと、ちゃんと千葉ご当地のちいかわキーホルダーがそこにはあった。
だが、CPAP同期お目当てのキャラのキーホルダーだけなかった。
CPAP同期は絶望を隠しきれていない表情をしていた。
(やっぱ買えるときに買っとかなだめよなこういうのは、うんうん)
と思いながらも、絶望を隠しきれていない同期を見て本当に可哀想な気持ちになった。
結局、同期は茨城のご当地キーホルダーを買っていた。
いやどういうこと?千葉旅行に行って茨城のキーホルダー買うってどういうこと?どんな気持ち?
と攻めてやりたくなったが、本当に可哀想だったのでやめてあげた。
そして途中、とんでもない渋滞に巻き込まれながらも、なんとか無事に東京へ戻り今回の旅は終了。
僕は今回お目当ての夕陽を見ることができず、同期もお目当てのキーホルダーを買うことはできなかったが、非日常を味わうことができ、なんだかんだ楽しくて癒された旅であった。
待ってろ九十九里浜の夕陽よ、次は絶対拝んで見せる。
YouTubeに今回の旅行動画を上げているので、よかったらどうぞ。
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