慶士

芸人です、日々もがいてます、毎週日曜日に渾身のエッセイをあげます。

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最近の記事

僕の引っ越し物語

先々週のエッセイで、引越し先の内見に行った話を書いた。 そして先週の日曜日、ついに引っ越しをした。 怒涛の引っ越し作業に疲れ、まだその疲れがとれていないが、記憶が鮮明なうちに書いておこうと思う。 まずは引っ越しの前日のこと。 僕は朝からバイトがあり、帰ってきたのは22時頃だった。 この時点でまだ何も荷作りができておらず、何から始めたらいいのやら手付かずの状態だった。 22時でこの状態はやばいだろ、俺はほんとに明日引っ越すことができるのか、どうしよう。 とりあえず考え

    • もしも緑色の血が流れていたら

      好きな映画がある。 定期的に見たくなる映画。 境遇は全く違えど、主人公の気持ちが痛いほど分かり、これを見るとモヤモヤした気持ちが少し消化されるような気がする。 自分や世界にうんざりしたとき、嘆くほどでもない鬱憤が溜まったとき、そんな虚しい夜に見たくなる。 最近、久しぶりにまたこの映画を見てみた。 なので今回はそれにまつわるお話。 この映画にはハッとさせられるような名言ばかりでてくる。 映画中にでてくる杉原(主人公)の言葉で、特に好きなものがある。 「俺、自分の肌

      • 僕の内見物語

        いま僕は、高校の同級生3人で暮らしている。 二子玉川駅から歩いて15分ほど離れたところ。 もうかれこれ3年半が過ぎようとしている。 4年という節目を越える前に、そろそろお互いひとり暮らしをしようかということになった。 引っ越しで一番難しいのが、住む場所だ。 まずは最寄りの駅を決めなければならない。 売れてない芸人と言えば高円寺や中野、京王線沿いあたりが多いのだが、僕は尖っているので皆が住むようなところには住みたくないという思いがあった。 そして、僕の拠点は渋谷・新宿・池

        • 言い訳ではない歴とした理由がある

          僕は、このnoteで毎週エッセイを投稿している。 しかも渾身の。 渾身のエッセイを。 平均3000文字にもなる渾身のエッセイを。 毎週投稿しだしてもうかれこれ1年半になる。 1週たりとてかかしたことはない。 だが先週のエッセイはなんと380文字という短さのものを投稿した。 これに驚愕した人も多いだろう。 どうしたんだ慶士?何があった?と。 ぼく自身もびっくりしているぐらいだ。 これには理由がある。 言い訳ではない、歴とした理由が。 僕は毎週日曜日に新宿で競馬をし、そ

          人生は上手くいかないもん

          約1ヶ月前のこと、駅構内を歩いていた。 スマホを持ちながら早歩きで歩いていると、手からスマホがこぼれ落ちた。 スマホが地面に落ちて画面が割れることを防ぐために、急いで手でカバーした。 すると、スマホを太ももと手の間で挟んでキャッチすることに成功した。 流石ぼくの瞬発力だなと誇らしげな気持ちになった。 そして、スマホの画面を見てみると、銃弾に撃ち込まれたかのごとく画面がバキバキになっていた。 どうやら太ももと手に挟まれた衝撃で、スマホの画面が割れたようだ。 こんなこ

          人生は上手くいかないもん

          アロエの天敵はT-fal

          約半年前、友人にアロエをもらった。 なぜくれたのかはわからない。 急にこれあげるよと言われたので「なんで?どしたん?」と聞くと「いや、買ったから」と言われた。 いや買ったからあげるって、理由になってなくないか、なんて会話が乱暴なやつなんだ、と思いつつも、そこからは何も詮索せず、ありがとうと言ってアロエを受け取った。 まあそいつは観葉植物がだいすきなやつなので、たまたま植物屋さんに行ったときに何の気なしにアロエを買って何の気なしに僕にくれただけなのだろう。 そいつがど

          アロエの天敵はT-fal

          ケイバーベキュー

          4日前のこと、競馬場で走る馬を見ながらBBQをするという夢のような体験をしてきた。 肉を食らいながら賭け事をするという、さながら貴族のような、さながらカイジの鉄骨渡りを見る富裕層のような、そんな遊びをしてきた。 その日のメンバーは同期の5人。 僕と他2人は競馬に命をかけている組で、他2人はあまり競馬をやったことのないやつらだった。 BBQ自体は18時からで、その日のメインレースは20時からだったのだが、僕ともう1人の競馬狂い同期は、第1レースから楽しみたかったので、14

          ケイバーベキュー

          人類初の良薬は口に苦し

          先々週のこと、朝起きると喉の痛み、頭痛、咳、鼻水、悪寒、関節痛といった全症状が襲いかかってきた。 熱を測ると37.5度と微熱。 普段から平熱が低い僕は、微熱でも普通の人の大熱ぐらいきつくて、ずっと頭が回らず寝込んでいた。 そこから5日間ぼくの微熱は続き、もうこれは一生治らないのではないかと、微熱のまま生きていくしかないのかなと思い始めていた頃、やっと症状が落ち着き、病み上がりの体を起こして夜勤のバイトに向かった。 そして朝7時頃、無事に夜勤を終えると、熱はないが夜勤前

          人類初の良薬は口に苦し

          縁とは美しい

          約3ヶ月前のこと、あるフリーライターさんからこのnoteを通して連絡がきた。 過去に僕が投稿したあるエッセイを気に入り、Webメディアにて掲載したいとのことだった。 そのエッセイというのがこれ。 懐かしい。 この投稿が約1年前ということに驚きを隠せない。 このエッセイは周りからの評判も良く、僕の代表作と言っても過言ではない。 内気で人見知りな僕が、あることをきっかけに社交的になるというお話しで、いま読んでも当時のことを鮮明に思い出す。 読んだことない方はぜひ読ん

          縁とは美しい

          後輩

          最近、ある後輩を可愛がっている。 可愛がりすぎて、ここ2ヶ月でその後輩に小型犬が2匹買えるぐらい奢っている。 僕は毎週日曜日にYouTubeを撮っているのだが、後輩はそのYouTubeのカメラマンをしてくれている。 2人で登録者数を伸ばそうと毎週励んでいるのだが、これが何故か全く伸びやしない。 noteのフォロワーは1000人を超えているのに、YouTubeの登録者数はいまだ174人だ。 いやどういう意味? なんで? そんなに俺のこと映像で見たくない?え? YouT

          フランクフルトの空は透明

          中村慶士、28歳ねずみ年、AB型の動物占いペガサス、このnoteにエッセイを毎週投稿しだしてからこれで68個目の投稿になる。 毎週日曜日にエッセイを投稿するという縛りをもうけ、毎週毎週ギリギリの戦いを繰り広げている。 別に作家でもないのに、別にエッセイストでもないのに、別にnoteでお金を稼いでいるわけでもないのに、なぜかこんなことをしてしまっている。 だが、68投稿目にしてついに、なんとついに、本当にとうとうついに、エッセイを書くことに行き詰まってしまった。 まじで

          フランクフルトの空は透明

          上には超超超上がいる

          車酔いがひどい。 小さいときからずっと苦しんでいる。 助手席でも窓全開でも関係なく、吐き気が押し寄せてくる。 最近は結構慣れたが、ひどいときは自分で運転していても気持ち悪くなるときがあるぐらいだった。 地元の同級生や家族親戚の中では、僕の車酔いがひどいのは有名な話で、こと車酔いに関しては地元じゃ負け知らずだった。 なので、車でどこかに行くときは大抵僕が運転することになり、運転したくなくても車酔いするよりはマシなので、いつも仕方なく運転をしている。 吐き気を催しながら

          上には超超超上がいる

          人生初のヘッドスパ体験記

          先日のこと。 夕方からバイトをしてそこからまた違う夜勤のバイトに行って、夜勤明けでそのまま同期とスロットを打ちに行ってから飲み会という超スーパーハードスケジュールをこなした。 不眠不休で実に36時間という稼働をこなし、終盤の12時間はもう記憶が朧げで、ふらふらの満身創痍だったことしか覚えていない。 きつすぎたので飲み会も1次会で切り上げ家に帰った僕は、よーし今日はいっぱい寝るぞ〜、不眠症の俺でも流石に今日はぶっ通しで寝れるやろ〜と、夜中の1時過ぎに久々に睡眠薬なしで眠り

          人生初のヘッドスパ体験記

          誰も見てくれていない夜

          先週の日曜日のこと。 後輩と昼からWINS(競馬を見たり馬券を買ったりする競馬狂いの吹き溜まりような場所)に集まり、競馬の重賞2レースを予想し馬券を買ってからWINSを出た。 お腹すいたね〜、つけ麺食べたいね〜と話しながら歩いていると、目の前に「萬馬軒」というつけ麺屋さんがたまたま現れた。 これはもう行くしかないなと、今日は神がかっているぞと、もう絶対勝ち確やん、逆に今日勝てんやったらいつ勝てるん、とか言いながら店に入ると、店内は競馬新聞を持ったおっちゃんたちで溢れかえ

          誰も見てくれていない夜

          メルカリで買ったガラケーを持ち歩く

          先日、不意にガラケーがほしいなと思い、なんとなくメルカリを開いてみた。 別に何に使うわけでもないのだが、ほんとになんとなく直感でガラケーを持ち歩きたいと思ったのだ。 僕が一番最初に携帯を持ったのは中学三年生のとき。 当時からiPhoneやAndroidが普及していたのだが、ガラケーとスマホのちょうど狭間の時代で、どちらを買うかすごく迷った記憶がある。 だが、僕はあの携帯をパカパカする感じに憧れていたので、スマホではなくガラケーを母親にオーダーした。 それで買ってもらった

          メルカリで買ったガラケーを持ち歩く

          その日のあぶく銭はその日に皆のために使う

          先日のこと、僕のバイト先であるホテルでイベントが開かれることになった。 そのイベントというのは、ホテル内にあるバーでDJが音楽を流し、お酒を飲みながら来る者拒まずで楽しむという、言わばパリピのようなイベントだった。 僕はそういう空間があまり得意ではないので、最初は全く行く気がなかったのだが、バイト仲間の子が私もDJをやるので是非来てくださいとのことだったので、まあ顔を出すだけ出してやるかという軽い気持ちで行くことになった。 だが、いくらバイト先と言えど1人で行く勇気はなか

          その日のあぶく銭はその日に皆のために使う