退屈を根こそぎ吹っ飛ばすようなのは見れず
C
脚本と監督が岡田麿里と聞いて自然と映画館に足が動きました。自分は荒ぶる季節の乙女どもよが1番好きです。要所要所の岡田麿里ってる感じは悪くはなかったですが終映後の満足感はあまり高くなくなんだかなぁって感じです。人に勧めるかどうかって聞かれたら微妙。
感想
青春群像劇は雰囲気は明るいか暗いではっきりと分かれる印象。今回は暗い方の作品であった。田舎の村社会の閉鎖的な雰囲気の描き方はやっぱり上手。主人公である中学生達の変化を禁じられる苦しみもしっかりと描かれていた。序盤は佐上睦実は陰影のある美少女で菊入正宗を新たな世界に誘うボーイミーツガール的な作品かと思っていたが時間が経過するにつれて青春冒険譚的要因が強くなっていった。リアリティラインとはかなり離れており、説明も少ない不親切な作りではあったが視聴者にも興味を失せさせないギリギリで進んだのは好印象。最初は嫌いな人と書いていた佐上睦実への想いの変化も良く描けていた。2人以外の脇役も主張もしっかりあったのは良かった。こんなカオスな世界でシングルを貫いた笹倉だけは幸せになってほしいものである。
ところどころに散りばめられている岡田磨里も良かった。時宗の美津子へのセリフも良い意味でクサさがありこれを見に来たんだよなの満足感。最後の列車の睦実と五実の掛け合いも完全に岡田磨里。なんちゅうセリフを言わせるんやで大満足。メンヘラっぽさがあるセリフはいつ接取しても体に良い
要所要所で面白い場所はあるにはあったが全体的な火力は不足していたと言わざるを得ない。観終わった後の満足感はかなりショボい。損したとまでは言わないが「おーん」となる感じ。岡田監督も顔負けである。ややセリフ回しにクドさもあったが原因か間延びしている印象。もっとさっぱりやってくれた方が良かったような気がしてならない。
人を選ぶ映画であるのは間違いない。お時間あれば選ばれるかどうか試してみても良いのでは?
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