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"バクラクにおけるカスタマーセールス”の役割を再定義した話

こんにちは。はじめまして。法人支出管理SaaS「バクラク」シリーズを提供しているバクラク事業部でカスタマーセールスを担当しているこだま(@kdm_520)です。

この記事はLayerX及びバクラクで上手くいった成功tips等では一切なく、純粋な自社組織に対する危機感を述べたものです。共感いただけたり「我こそはここにテコ入れできるぞ」という方がいらっしゃいましたら是非お話しさせてください。

(※noteの発信目的上、事業目線に寄った話になっています。予めご了承ください。)


カスタマーセールスチームにおける今までの変遷

私は9月時点で、バクラク事業部におけるExpansionMRRを主にKPIとして持つ「カスタマーセールスチーム」に所属しています。

立ち上げ段階の話については、心の師匠である後神さんのnote

今の具体的な活動については同チームで大活躍注の西村さんのnoteをご覧ください。

バクラクのカスタマーセールスチームは2022年5月頃にリリースされた「バクラク経費精算」を皮切りに、カスタマーサクセスチームから「カスタマーセールス&マーケティングチーム」という形で立ち上がりました。

現在では、カスタマーセールスチーム、カスタマーインサイドセールスチーム、カスタマーマーケティングチームとそれぞれでチームを作り相互に連携しながらExpansionの創出を担っています。

(カスタマーマーケティングチームは7月より、アダプション期におけるRetension(契約維持)とExpansion(価値拡大)の両軸をマーケで支援する専門部隊として動いており、先日初めてMeetUpが開催されました。ご興味がある方は是非MeetUp開催レポを見てみてください)

2023/10月時点の体制

「上手くいっているように見える」チームであることへの危機感


私が今回書きたかったのは、自部門の存在意義について危機感を感じ、再定義した話です。

このように表現すると、自分で自分の心に槍を刺しているような気持ちではありますが…

有難いことに、2022年5月にカスタマーセールス&マーケティングチームとして立ち上がった後もカスタマーセールスとして独立した後も事業予算は達成し続けています。

一方で、詳細を見ると新規:追加の比率はここ半年を見ても大きく変わらず、追加購入いただいた製品の種別を見ても、そこに大きな差はありません。また、営業担当毎の受注率を見ても大きな差はありません。

初回導入時の「法対応」や「管理ツールを統一されたい」といった顕在課題、導入後の「UI・UX」や「AI-OCR」をご評価・信頼いただいていることもあり、営業スキルのある人であれば、一定水準から大幅にブレることはありませんでした。

現状は新規セールスの方がお客様にシリーズ全体の価値を伝えてくれており、顧客が自ら追加課題が出てきた際にお問合せし、別製品のお申し込みをいただいているものだけで達成要因の多くを占めている状態です。

“今の”カスタマーセールスチームでは成長曲線を変えられない

上記の通り、カスタマーセールスチームは再現性を持ってアクティブに商談や追加発注を生んでいる側面より、初期導入製品への一定のご評価とお客様課題起因で多くの商談が生まれている側面の方が大きい状態です。(それ自体は大変嬉しいことです)

7月に既存顧客向けのインサイドセールスチームが発足してからは、それ以前よりアクティブに生み出せるようになってきていますが、それでも尚既に顕在化しているお客様からのお問合せやお申し込みの方が多い状態であり、危機感を抱いています。

達成し続けられていることそれ自体はポジティブな一方で、事業計画の連続な大幅達成は、各個人がより大きな成長を促すための示唆や新しい成長ドライバーを作る思考に制約をかけてしまうと、自分自身を振り返っても思います。

事業計画は「理想上達成できる」「適切な速度」になっていないといけない

事業計画の達成はなぜ大切なのか|福島良典 | LayerX

代表福島のnoteにもある通り、適切な速度で、理想上達成できる目標でなければいけません。

その為、降りてきた目標を達成することに全力を注ぐより、適切な目標を自ら定義し、それを再現性を持って達成しにいくチームにこそ存在意義があるのではないかと思っています。

海外事例を見ても「カスタマーセールス」は存在しない?

少し話は逸れますが、このような過程で色々模索している真っ只中、先日ALL STAR SAAS FUND パートナーである神前さんより「コンパウンドスタートアップにおけるセールス体制構築についての考察」という題目で勉強会を開いていただきました。(神前さん、本当にありがとうございました。)

その際のお話を参考に、海外の既存営業の組織について採用ページから見てみましたが、RipplingさんもRampさんもBill.comさんも基本的に「カスタマーセールス」というチームは積極的に募集されておらず、「Account Management」や「Account Exective」の募集がほとんどです。

(神前さん曰く、プロダクトごとのセールス人員も存在しているが、彼らはクロスセルの専門組織に特化しており、アカウントマネージャーの元で動くとのこと。)

Rippling


Ramp
Bill.com


つまり、同じ支出管理系サービスや従業員IDを基にしたサービス展開をされている海外企業の事例においては、「アカウントマネジメント」や「アカウントエグゼクティブ」チームが「カスタマーセールス」と連携して顧客価値を最大化しているのではという推察が出来ます。

自チームの介在により顧客と自社事業に大きな価値をもたらすには?

このような自社の背景や事例もあり、LayerXにおける「カスタマーセールスチーム」の存在意義・介在価値についても何かを再定義する必要があると感じました。

まずすべきことは、目標が変わらない状態を変えること”=会社全体から見たExpansionへの期待値を上げていくこと”が直近のミッションだと思っています。

その為の詳細は現在進行形で模索中ではありますが、複数プロダクトを扱うコンパウンドスタートアップだからこそ、カスタマー(企業)ではなく、ユーザー(個人/所属部署)に応じた購買体験や体制・役割の再設計を行う必要があると感じています。

また、今後の期待値への応え方としても”ExpansionMRR予算を達成する”のみではなくCS部マネージャーの東が下記でいうように"体験"と"アウトカム"を滑らかにすることで、結果的に新規:既存の売上比率を変えていくことがExpansionを担うチームの使命だと思っています。

コンパウンドスタートアップとして、リリースした新しい機能や新しい製品が当たり前のように利用され、お客様のアウトカムが滑らかに上がっていく世界観を実現する。

起業や事業開発を経験してきた私が、今、カスタマーサクセス部のマネージャーというキャリアをオススメする理由

事業の屋台骨となるExpansion創出チームになるために"これから"何をするか

上記の企業単位⇨従業員1人1人の課題把握ができるようSFAや体制を整えつつ、下記のような活動をメインに行なっていきたいと考えています。

1.アダプション期の支援体制を作り・変えていく

お恥ずかしながら、一定オンボーディング後に自走してくださるお客様が多かったこともあり、”アダプション期における顧客の支援体制”はこれといって存在していませんでした。

カスタマーセールス=既存顧客のセールス(クロージング担当)のみという在り方ではなく、アダプション期の支援を前提に、適切に追加の価値を提案できる存在になる必要があると考えています。

全てのお客様にハイタッチではさすがに難しいかもしれませんが、上記の購買体験と組み合わせて、企業様の活用度合いや業務フローの複雑さに応じて支援できる体制を作っていきたいと思っています。

アダプションチームはExpansion単体で動くものではなく、Retensionチーム・アカウントマネジメントチームと共創していければと思っています。

2.プライシングの変更に積極的に関わる

現在プライシングを担ってくれているのは”RevenueManagement”チームです。

プライシングを変更する際、組織観点からのスタートのみになっており顧客情報をもとに課題提起が出来ていない状態です。

既存顧客に価値提供するカスタマーサクセスやカスタマーセールスがここのフィードバックサイクルを回したり、プライシングに積極的に関わり顧客に届けられている価値に応じた価格をしっかり社内にフィードバックすべきだと思っています。

3.購買体験を変える

現在は、購買体験が一般的かつ初回お申し込み時と同様のフローになっています。

全ての購買プロセスにおいて、打ち合わせ・トライアル依頼・見積書・契約のやり取りが発生してしまっている状態です。

そして、上記に応じてカスタマーセールスが全ての商談を対応するため工数も逼迫してしまっている状態です(適切なパイプラインマネジメントが難しくなってきている)

上記の顧客における適切な追加製品へのお問合せや発注体験の改善と、セールス生産性の向上を両立させたいと考えいます。

これらは一足飛びには難しいため、まず足元ではプロダクトマーケティングの強化の一貫で、KARTE等で顧客状況に応じた1to1のメッセージ設計や追加商品のご提案ができるように動いています。

最後に("ExpansionDevelopmentチーム"としての再出発)

私たちバクラクのカスタマーセールスは"今バクラクをご利用いただいているお客様に最適なタイミングで最適な商品を届ける活動はもちろん、新しいExpansionの種を作り続けられる"ExpansionDevelopmentチーム"として10月から動いています。

コンパウンドにおけるExpansion創出の型や事例は国内にはほとんどありません。その為自分達がその形を作り、アップデートしていく必要があると感じていますが手探り状態です。

バクラクシリーズ全体でお客様価値最大化できる余白はまだまだあると思っているのですが、戦略・計画・実行全てにおいて人が足りていません。

既存の手法や枠組みにとらわれず、顧客に本来享受していただきたい本当の価値を理想から逆算して届け切ることにご興味がある方と、是非一緒にお仕事したいと本気で思っています。

本記事にアドバイスやご意見いただける方、コンパウンドスタートアップにおけるCS組織自体のアップデートに少しでも興味がある方、是非お話しさせてください。

カジュアル面談のフォームもあるので、お気軽に申し込んでいただければと思います。

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