教師不幸論 2
教師になりたい人が減っている。
教師を離職する人か増えている。
心を病んでしまう人が増えている。
その要因は、仕事の表面的な問題だけではない。
社会の発展と学校の発展に乖離があることも大きな要因になっていると思う。
今、世の中は多様性を認めていく社会に発展している。
多様な性、国籍の違い、障害の有無
そういった違いを受容し、境界を乗り越える社会
今の子どもたち、学生はSNSを通じて様々な情報を得ているため、私たちより自然にそういう多様性を受け入れることができるようになっているように感じる。
私たちが頭で理解しようと思っているものを、自然と肌身感じながら育っている。
インテグラル理論における、グリーンの世界。
ティール組織の本で理解されている方もいると思う。
引用( https://tebanasu-lab.com/pickup/5183/attachment/5つの組織モデル-001/ )
現在の日本がグリーンの社会を実現しているかどうかは置いておいて
今、グリーンの社会に生きているという実感がある
そういう世代が学校という場所で働くことに苦しんでいるのではないだろうか。
なぜなら学校が、
レッドであり、アンバーであり、オレンジであるという古い文化から抜け出せていないから。
オレンジである学校は先進的だろう。
仕事の業務改善を進め、子どもたちへの学力の定着、研究の向上、ICT活用の加速化。
そういったものへと適応,発展していく学校。
しかし、そこには客観的に測られる能力というもので自然とヒエラルキーが生まれていく。学力至上主義になりかねない。
実際多いのは、アンバーの学校。
教師が権力を握り、支配的に統一する場所。
教師が子どもの能力を測り、序列化する。教師のルールに乗っ取り、いい子悪い子が分別される。
さらにひどいのが、レッドの学校。
恐怖政治のような場所。怖い顔をした先生たちが、子どもを威圧的に指導する場所。子どもは圧倒的な弱者になり、子どもたちの中でもレッドの構造が生まれる。
これらの学校の構造は全て、子どもたちの社会構造にも影響を与えていることは間違いない。
そして、その大元の学校の組織のおそらく一つ下か、ニつ下ぐらいの社会が反映されているだろう。
オレンジの学校の子どもには、アンバーやレッド。
アンバーの学校には、レッドが反映されている。
学習指導要領でいわれる共生社会。
そして、well-being 個人がよりよく生きる社会。
そのために必要な生きる力を実現するのであれば
私たちはティール組織を自らが主体となり作り上げることに尽力して、グリーンの社会で生きていることを実感し続ける必要があるのではないだろうか。
全員がそうあることは、非常に難しいがより再現度を高めるために理解を進めていくことは必要だと思う。
当事者となり得ない限り、実現はできないからだ。
言葉にできても、体験がなければ実感が無ければ空虚
だから、その社会は発展しない。
指導要領が謳うことは、素晴らしいが空虚になる。
人が幸せを感じる大切な要素に多様性がある。
この比重は、今後も高くなっていく。
学生時代に、育ちや経験の異なる多様な繋がりを知り、充実した時間を過ごした人もいるだろう。
ただ、多様性というものも難しく
NPOの活動を知ると、その多様性に驚かされる。
そして、理解は広がる。
しかし、何もかも受容しようとして、露頭に迷う。
グリーンの社会の穴だろう。
受容することで終始してしまう。
その先の組織作りというものが以後求められる。
これから先生になる人たちは、グリーンの社会を知っているし、その構成員である可能性が高い。
より学校が、社会が発展していくことに必要な人材だ。
ただ、その社会の時代錯誤に悩まされ、苦しみ、辞めていってしまう。そこにあるのは無力感と違和感。
多様性とはかけ離れた、同調主義。
幸せの実感なんてものはなかなか得られないだろう。
しかし、その多様性を理解し合う社会を実現する種は、地域にもたくさん溢れている。
多くの活動の点と点が結び付けば、きっと実現できる。
だからこそ、私たちもう一つ上の世代は社会を知り、実態のいまだに掴めないティール組織を目指すことが必要なのかもしれない。
子どもたちの発達と重ね合わせたとき、レッドでありアンバーであり、オレンジである学校社会は非常に重なり合い、適応している。
つまり、今の学校でも心地よく感じ、健やかな育ちができる子どもたちは大多数いることは間違いない。
ただ、その違和感に敏感な子どもたちや先生は非常に生きづらくなってしまっている。
なんか違うに蓋ができる人とできない人。
オレンジの社会では、それを社会不適合者と呼ぶ。
グリーンの社会では、多様性と呼ぶ。
つまり、そういった人たちがこれからの社会を創り上げていくというのが私の中の確信になっている。
今、悩み苦しんでいるみんなと、これからの社会を創り上げていくこと。日本をよりよくすること。
教師の不幸感はきっと全て可能性になり得るんだと信じている。
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