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公木正
2024年2月2日 10:39
コンビニで文春を立ち読みした。表紙が白い抽象画に見えた。後日別の本屋で同じ文春を見かけた、よく見ると白いうさぎだった、そのときは立ち読みしなかった。
2024年8月15日 00:07
部屋に自分がいるとからだの熱で暑くなるので廊下に出る、と部屋は涼しくなるが自分はそこにいない、試行錯誤を重ねた結果部屋に不在のまま部屋で寝ることができるようになった、今からだは全部で41体あり、すべて屋根の上にいる。
2023年9月26日 23:07
ニ階建ての家によしおが帰ってきた。引き戸を開け玄関の框を上がると右手のドアがあいていて薄暗いキッチンのテーブルの椅子に人影を横目にみとめた。ニ階へと階段をのぼり自室へはいる。ふたつの部屋が廊下を挟んで向かい合っていてどちらもドアは全開にしてある自室から隣の部屋の半分と窓が見える、視界から外れた残り半分にテレビがあり大音量でアニメ放送が流れている、クレヨンしんちゃんだとすぐわかる、テレビは見えないの
2023年4月28日 12:34
ちょっとした散歩、どこでもいい、よくある木が茂っていて小鳥が囀っているようなありふれた道、二十分もない散歩の間なにも特別なことは起きなかった、なにも心に残らなかった。しかしその散歩がその後の人生を見えない部分で支え続けた。見えないので本人は気づくことなく死んでいった。
2022年6月1日 15:23
「昨日届いた段ボール、あれな中身みかんだったよ」「何がですか？」
2022年6月7日 13:06
墓のうらに回ろうと思い立ち今日で1130日目になる。ねずみ色の側面の終わりは遥か視界の先まで続いて見えない。高さも確認できるのは薄い雲が流れるあたりまでである。聞くところによるとある時代に人気を博したリズムネタ芸人の墓だという。
