ケアレスミスというなかれ。
「ケアレスミスって、違ういい方はできないんですか?」息子の塾の先生と面談していて、思わずそう問いかけてしまいました。
我ながら、自分らしい問いかけだと思いました。コンサルタントの自分として、です。なので、ちょっと場違いだよなあ…とも思いました。ややこしいお父さんだと思われたかもしれません(笑)。
妻と二人で面談していたのですが、妻が「うちの子、ケアレスミスがなくならないんですけど、どうしたら良いですか」と聞いたのが発端でした。これも、いかにも彼女がしそうな質問です。日ごろ、彼女が息子の答案をチェックしていて「また、ケアレスミスしている」という言葉を発しています。息子もうんざりしているし、私も聞いててうんざりします(笑)。妻もうんざりしているし…。
しかし、なんでうんざりするのでしょう。
息子は、自分がミスしていることは分かっているし、好きでミスしているわけでもない。そこで「また…」とか言われたら嫌になりますね。私はたぶん、息子に感情移入してイラっとしているのかもしれない。別に好きでミスする人間はいないよな、と。妻のは、繰り返し言ってるのに聞いてないのかとイライラしている感じ。私的には、それってお門違いだと思ってしまいます(笑)。
面談の場面で「別の言い方ができないのか」と聞いたのは、視点を変えたいからでした。「ケアレス」って、注意がない、集中してないってことですよね。じゃあ、彼に注意する能力がないのかと思うわけです。いや、ありますよね、あります、ないわけがない。だから、ケアがないのではなく「他のところに集中している」ってことなわけです。
「あなたは、いつも注意散漫で…」これも妻の定番の小言ですが「いろんなところに興味を向けている」「好奇心旺盛」っていうことです。
こじつけでしょうかね。
恐らく面と向かっていうとケンカになりそうです。(これもなんでそうなるんだかよく分からないんだけども、別の機会に考えます)
「別のところに注意を向けている」と捉えれば、希望が持てます。捉え方次第です。よく「強みを活かせ」というわけですが、私たちはやっぱり弱みに着目してしまいます。ここを直せばうまく行くのに…と思うわけです。私だってそういう後悔ばかりしています。ただ、それだと元気が出ないですよね。後ろ向きに力を使っています。
注意散漫になることを指摘して、後ろを向かせてしまっては逆効果です。それに、私たちは直接相手を変えることはできません。その人が自分の意思で行動を選択することを支援することしかできないのです。
それでもなお、相手は子どもです。なにかアドバイスはしたい。…だとするならば「いつもいろんなことに興味を向けているあなたなら、違う解き方ってないのかなと考えるともっと面白くなるよ」というのはどうでしょうかね。
これは、部下との間でも同じですね。
マイナスのことを見つけるのは比較的簡単です。でも伝えるのは難しい。下手をすると後ろを向かせてしまうからです。
そこを一歩踏み込んで、あなたならもっとこういう可能性があるのではないか、そのようなポテンシャルに目を向けたフィードバックのほうが、伝える勇気を持てるし、関係性も深まるように思います。