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意識の差が結果の差、目標あって結果あり

お客様の会社へ向かう車中のラジオから「意識の差が結果の差、目標あって結果あり」という言葉が流れてきました。

2016年リオ・オリンピックで金メダルを獲得したレスリング女子48Kg級、
登坂絵莉選手の言葉です。小学校の卒業文集に書いた言葉として紹介されていました。登坂選手は、レスリング経験者の父親の勧めでレスリングを始めました。その父親から「願い事を達成するには、常にそのことを意識していないとできない」とアドバイスされたそうです。そのアドバイスから「意識の差が結果の差、目標あって結果あり」という言葉になったとのことです。

この日は、お客様先で経営計画発表会が行われる日でした。全社員が食堂に集まって、社長、リーダーが、今期の方針や目標を発表します。1年のスタートを切るのにふさわしい言葉に出会ったと思いながらお客様先に到着しました。

行動に表れた意識の変化をフィードバックする

経営計画発表会では、工場長の決意表明がとても感動的でした。感動したのは、内容以上にそのスタンスです。自分の決意を話すのではなく、工場のメンバーに期待を投げかけていました。全社員の前に立ち、緊張しながらもはっきりと、「みんなは、変わってきている。今までみたいにぼーっと座っているだけ、時間が来たらさっさと帰る、ということがなくなった。だから、必ず変われる、自信を持ってそう言える」と語っていました。彼らしい、飾らない、素朴で、そして力強い言葉でした。

彼が言いたかったのは、みんなの意識が変わってきているということです。そして、それは必ず結果に表れる、と。

意識は目に見えないものだけど、態度や行動に表れ、そして、その積み重ねが結果に表れます。とはいえ、やっぱり意識は目に見えないわけですから「意識を高めろ」と言われてもピンときません。しかし、工場長は、みんなが変わってきた具体的な行動をあげて、期待のこもったフィードバックをしたのです。「その行動を続けよう、意識が変わってきている、結果はでるぞ」と伝えているように思えました。

目標に向かって一歩踏み込む

登坂選手の言葉では、意識に加えて「目標」という言葉も出てきます。漠然と練習をこなしていたのでは、結果は出ないということです。これは、仕事でも同じですね。漠然と目の前のことをやって、「やれやれ1日やっと終わった」では、何も進歩しません。明日も明後日も、ずっと、ただ同じことをやるだけとなります。

この日、工場長が目標として発表したのは「一流の工場になる」というものです。「今の工場は、『コウバ』だ。一流の『コウジョウ』を目ざそう」社長からは、常々こうしたハッパをかけられていました。およそ、半年ほど前に工場長に話を聞いた時には、「ダメだと言われるが、そうなんだろうと思う。でも、他所のことを知らないので、何を目指せば良いのか分からない」と言っていました。正確に言えば、「知ろうとしてこなかった」のです。その背景にあるのは、前任の工場長のスタイルです。社員の方々に話を聴いていると、「とにかく目の前のことをやれ、余計なことは考えるな」というマネジメントだったようです。今の工場長は、そのあり方を変えよう、みんなで考えられるようにしようとしてきました。そして、自らも社長のコネクションを利用して、他社の工場へ見学に行くなど、率先して行動してきました。そういう積み重ねがあって、自らも変われるという手ごたえを得てきているのでしょう。

同社の経営計画発表会では、最後に各部署のリーダーが、半紙に墨書で決意の言葉を書き、発表します。工場長が掲げたのは「一歩、一歩」でした。まさに「意識の差が結果の差、目標あって結果あり」という1年になるのではないか、そう思いながら拍手を送りました。

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