コンサルタント・ウェイの進化:10年越しのリフレクションと新たな習慣への挑戦
自社で、コンサルタント・ウェイなるものを議論しました。これといった結論は出ていないのですが、自分の仕事のリフレクションになって良い機会でした。
エドガー・シャインの定義では、コンサルタントには以下の3つの分類があります。
お客さまとの関係性において、①の専門家や②の医師のような役割を求められることが多いです。ただ、関係性としては③のようなパートナーになることが理想だと考えています。
自分なりの言葉にすると、私は「お客さまの世界一のファン」であろうとしています。ファンだからこそ、その会社らしさを理解して、時に厳しい指摘もするし、本来「私たちが」目指すべき姿を忘れていないか問い直すようにしています。それが自分の存在意義であるし、そのことで、お客さまとともに学び、成長している実感が得られます。
そうしたあり方であったり、そのために必要な力であったり、なすべき行動だったりが「ウェイ」です。これを定めたり、見直したりすることを通じて、自分たちの存在意義や働く目的がアップデートされます。ただただ、知識やスキルを磨くのではなく、あり方を振返ることで、視座が高まり、より高次の学習につながります。私たちは日々進歩しているようで、同じレベルのところにとどまっている可能性があるのです。
私個人でいえば、「お客さまの世界一のファン」だけで良いのだろうかと考えることにつながりました。目の前のクライアントの役に立つことに留まらず、先人や同時代に生きる同志が築いている経営やマネジメント、組織づくりの知見のアップデートに少しでも貢献できるようになりたいと思うようになりました。
社内での対話を振返って「あれ、そういえば以前も同じようなことを考えたな」とEvernoteを検索したら10年前のメモが出てきました。30個くらい書き出して、7つ選んだので「7つの習慣」と自分の中で呼んでいました。
10年経ってもあまり変わらないです。基本的な前提は、あくまでクライアント自身が自らの力で課題と向き合い、乗り越えていくことを支援するということ、そのために自分を磨け…ということです。10年ぶりに見ても十分なようにも思いましたが、これだけでは視野が狭いと感じました。これが一つの進歩でしょうね。
この春から「武器を磨く」ために博士課程に進学しました。そこで得つつあるのは、研究の本質です。研究は、自分のための勉強ではなく、研究領域の進歩に貢献するためのものと学びました。「クライアントと共に学び、日々発見することを楽しむ」だけでなく、広く未来へ還元していくこと、そうした貢献の実践によって、8つ目の習慣が紡ぎ出せるような気がしています。