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【読書メモ】経営理念の教科書 ―勝ち残る会社創りのための最強のツール
本書は経営理念の大切さを説いた本です。
「勝ち残る会社創りのための最強のツール」とありますが、個人的にはこのサブタイトルはもったいないと思いました。
経営理念は、ツールではなく、経営の根幹をなすものです。そうした根幹に立ち返ることのできる良書です。
印象に残ったことをひとつあげるとすれば
やはり、この言葉に集約されると思います。
短期の儲けは仕組みで可能だが、永続的繁栄は理念なしには不可能
また、以下の公式が書かれています。
短期の業績を上げる条件=戦術+人材
長期的な成長に必要な条件=方向性+人財+組織力
このうちの方向性を「理念+目標+戦略」と表しています。
1年程度のプロジェクトであれば、戦術、つまりハウツーが整っていて、スキルの高いメンバーを集めれば結果は出ます。だから、これをコツコツと積み上げていけば良いはずです。しかし、世の中も組織も人も変わっていきます。その中で結果を残し続けるには、ハウツーだけでは不十分です。知恵を生み出し、みんなで進んでいく組織を創っていかなくてはなりません。
そのためには、「何のためにするのか」「わたし達の存在意義は何か」「誰の役に立つ存在なのか」を問い続ける必要があります。それが、経営者が向き合い、語っていくべき理念です。
そこからあれこれ考えたこと
経営理念が大切だと言われて否定する人はそう多くないと思います。ただ、時に「理念で飯が食えるのか」といった反論をする方もいます。
「Rice WorkかLife Workか」という話があります。食うための仕事か、自己実現を目指した仕事かといった意味合いです。決して、食うための仕事を否定するつもりはありません。ただ、経営者の使命は何でしょうか。
企業は社会と共にあります。つまり、公器です。
本書で説いているのは「永続」の原理原則です。永く世のため、人のためになる会社をつくる経営者の志を問うています。
要は、飯を食うためだけに会社をやるな、ということです。本書の中に『「いまだけ、金だけ、自分だけ」の「3だけ」では決して成功しない』とあります。社会の中で会社をやっているのですから、これでは身勝手です。だから、味方が増えませんよね。
それとやっぱり嘘をついたらダメです。ここでいう「嘘」とは、理念と違う行動はもちろん嘘です。見落としがちなのは、聞こえの良い理念をならべるだけ、というものです。これも嘘ですよね。
そう考えると、当たり前なのに実践できていないことが多いですね。そこを「ツール」と表現して実践していこうということなのかもしれません。お客様との取組みに活かしていきたいと思います。