企画設計|花屋が作る音楽イベント「bloom」の裏側 vol.1
4月27日(土)、初の自主企画イベント「bloom」を開催しました。イベントを実現するまでのプロセスを振り返ってみます。ご参考になれば幸いです。
本記事ではイベントの概要や、企画した経緯について紹介します。
イベント概要
bloomは花と音楽をテーマにしたイベント。ライブステージやDJブースを装飾し、この日限りの空間を作りました。
季節の草花で彩る音楽祭「bloom」
日時:2024年4月27日(土) 12:00-18:00
場所:雑貨と喫茶と宿題カフェ 木下商店
出演:澤部渡(スカート) , 阿佐ヶ谷ロマンティクス
企画した経緯
自分は無店舗の花屋を運営しており、普段は本屋さんやカフェの一角をお借りしてPOP UP出店をしています。市場の需要に依らず、産地から適正価格で仕入れ、他業種のお店で販売することで新たな花の流れを作っています。
その中で、小売だけでなく装飾のお仕事もしてみたいと思い、まずは自分でイベントを企画して事例を作ってみようと思いました。また、普段は自宅で飾ることができない方でも、イベントを通して花のある空間を楽しんでもらえるといいなと考えました。
全体スケジュール
企画当初から行ってきたことを時系列順にまとめると以下の通りです。
10月:企画書作成・会場探し ←本記事はこちら
11〜1月:アーティストのブッキング
2〜3月:出店・告知・資金調達(クラウドファンディング)
4月:装飾計画・会場レイアウト・香盤表・告知
終了後:お礼の挨拶・写真投稿・反省会
企画書を作る
まずは自分がなぜイベントを作りたいのか、どんなものにしたいのかを整理しました。これから企画を形作っていくための指針となる資料なので、自分の考えを率直に書くのが良いと思います。項目は以下のようなものがあります。
イベントの目的
予算・規模
開催時期
会場イメージ
自分でできそうな部分 / 協力が必要な部分
イベントの目的
まずは主催者としてなぜイベントを開催したいのかを書いてみます。自分の場合は「外向き」と「内向き」の目的として分けて考えました。
外向きの目的:主催者として提供したい体験
会場・音楽・花の調和がとれた空間
やさしい気持ちになれる時間
内向きの目的:自分の中でのチャレンジ
花屋の仕事として、イベント企画・会場装飾の事例を作る
自分の活動を広める(次の仕事のきっかけに)
予算・規模
それぞれの観点から、どれくらいのイベントにしたいのか、現時点でのイメージを定めておきます。ここでおおよそのチケット価格や集客目標が決まってきます。それぞれ以下の点に考慮して設定しました。
予算
協賛・スポンサー、クラウドファンディング、物販など、チケット以外に資金を集められそうな手段があるか
仮に赤字になった際、どれくらい自分が負担できるのか
規模
100人 / 300人 / 1,000人など、どの程度のキャパシティを想定しているか(人数によって準備するものも変わってくるため)
開催したい場所が決まっているなら、どれくらい人が入りそうか
今回は予算・規模をあらかじめ設定し、その中で予算配分を設定していきました。ただし、予算が潤沢にあり「できることは全て実現したい!」という場合は、会場・アーティストなどをどんどん決めて積み上げ式に計画していくこともできそうです。
開催時期
おおよその開催時期を決めます。初主催の場合は見積もりが難しいので、より余裕を持って設定すると良いです。ちなみに本イベントの開催日(4/27)は、候補の中で最も遅い日程でした。季節や連休といった暦から確認できるもの、他イベントの日程なども気にして複数候補日を挙げました。
会場
開催したい場所が明確であれば最も良いです(借りることができるか確認するだけ)。もし決まっていない場合は、以下のような観点から、会場候補をリストアップしましょう。
エリア:開催までに複数回訪れると思うので、無理せず通える場所で。
屋内 / 屋外:開催時期や規模に合わせて考えてみる。
立地:駅から歩けるのか、駐車場は近くにあるか、など。
上述した会場イメージの条件に沿う候補から、順に打診していきます。この時、事前に訪問してオーナーと話したり、周辺の環境(交通状況・建物など)を確認したりできると良いです。また、イベント開催において、下記の点についてあらかじめ聞いてみます。
開催日時:候補日が空いているか、時間はどれくらいが良いか
駐車場:およそ何台確保できるか、イベント用の臨時駐車場が借りられそうか
収容人数:最大どの程度入れそうか
また、イベントスペースではなく飲食店などを借りる場合は、当日の貸切が可能かどうか、店内設備の移動は可能かあらかじめ確認しておきましょう。
自分でできそうな部分・協力が必要な部分
イベントは1人では開催できません。誰かの協力があって初めて実現します。しかも、自分のような個人主催の場合は仲間探しから始まります。主催者として自分が決めたい部分、誰かにお願いしたい部分を整理すると、役割分担・予算配分が明確になるのでおすすめです。
自分の場合は、オンラインではあるもののイベント企画の経験があったこと、協力をお願いできそうな人がいたことがアドバンテージになりました。
自分でできそうな部分
予算管理
制作進行
資料作成
告知
協力が必要な部分
ブッキング
チケット販売
イベント設備・設営(音響含む)
共同主催という形で一緒に企画を進めたChinyoさんは、以前から自主企画をしていたり、DJとして数多くのイベントへ参加したりなど、知見が豊富な方だったのでとても心強かったです。
ここまで企画書として明確にしておくと、関係者に共有したり、大きな判断材料になります。ここから企画を膨らませて、イベントの実現に近づけていきます。
本記事はここまで。次回はアーティストのブッキングに関して書きたいと思います。ここまでお読みくださりありがとうございました!
Instagram:https://www.instagram.com/vista_florist/
Web:https://kbuto.work/
▼bloom関連リンク