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三隣亡

母は昔から、何か悪いことが重なると
「今日は三隣亡さんりんぼうだ」
といっていました。

わたしは子どもの頃から、てっきり一日に三回悪いことが重なる日だと思っていました。

調べてみると、まったく違っていて、大安や仏滅のような暦注れきちゅうのひとつでした。

因みに2022年10月の三隣亡は、
4日  8日  20日だそうで、
4日は大安でもあります。

そんな三隣亡と大安が重なってしまったときの対処法もネットで調べればすぐわかる、便利な世の中です。

三隣亡は一種の迷信ですが、建築業界では、今でも敏感な方が多く、
棟上げ、地鎮祭などは避けた方がよいのだとか。
何でも「三軒隣りまで滅ぼす」という言い伝えがあるそうで。

他にも、入籍、結婚式、贈り物、引越し、高い所へ登るなど、避けるべきことがあるらしいのですが、今どきこんなことを気にする人はまず、いないでしょう。

希望の式場を抑える為に、仏滅に結婚式を予約した夫です。

わたしもそんなことは一切気にしないたちです。


しかし、ついてない日というのはあるもので、昨日ばかりは、

なんて日だ!

と叫びそうになりました。

まず、ランチに回転寿司に行き、夫が駐車券を紛失してしまいました。

わたしなら、まったく狼狽うろたえないのですが、夫は周章狼狽し、自分の失態に地団駄を踏み、わたしの方にまで火の粉が飛んできて、帰りの車で、今日はついてない。最悪の日だ。
どうせ日頃の行いが悪いせいだ。
などとクドクドいうので、

これしきのことで、凹んでいたら、この先、病気になったり、人が死んだり、何が起こるかわからないのに!
大したことではない!
と喝を入れました。

しかし、これはまだ前哨戦でした。

4時頃になって、
今日は何日?
と聞くので、
自信満々に
10月2日でしょ。
と答えたら、
夫はカレンダーの前で固まってしまいました。

カレンダーには小さな文字で
「吉本ライブ」と書かれていました。

数か月前からお笑いライブのチケットを取っていたのです。

お笑いライブにでも行きたいなぁ。

ある時、わたしが呟いて、それで
夫がチケットを取ってくれたのです。


最初はシソンヌといっていたけれど、わたしは東京03のライブの方がよかった。
でも、簡単にチケットが入手できないことは知っていたので、吉本でも充分うれしかった。


それなのに、
二人共忘れていたなんて。

夫はセブンイレブンで発券したチケット2枚を無言でゴミ箱へ。
人間、本当にショックを受けた時には、無口になります。

なんて縁起の悪い日!

随分前にチケットを取っていたので、まだまだ先のことと油断していました。


しかし、

冷静に考えると、
これは
一種の老化現象ではないでしょうか。

ちょっとばかり、落ち込んでしまいました。
(ヤケ缶チューハイ飲みました)