
おしん物語
『おしん物語』をご存知でしょうか。
橋田壽賀子さんの?
いいえ、そっちではありません。
坪内逍遙先生のほうです。
坪内逍遙といえば日本史の教科書や文学史に必ず登場する人物です。
たまたま手元にあった日本史の教科書山川出版社の『詳説日本史』には、次のように書かれています。(2005年版)
坪内逍遙は1885年(明治18)年に
評論『小説神髄』を発表して、西洋の文芸理論をもとに、人間の内面や世相を客観的・写実的に描くことを提唱した。
シェークスピア作品の翻訳者としても有名です。
この方が翻訳されたのが
冒頭の『おしん物語』です。
何を隠そう、おしんちゃんとは
誰もが知っているシンデレラのことでした。
この作品は、明治33(1900)年
当時の教科書『国語読本 高等小学校用 巻一』に収録されていました。
シンデレラに魔法をかけて舞踏会につれて行ってくれる魔法使いは、七福神の弁天様に。
ガラスの靴は美しい模様の扇に。
(閉じた扇を見せて柄を当てさせる
という趣向)
このように、当時の日本人が理解しやすいように翻案されているようです。
シンデレラ物語の要のようなガラスの靴までが大胆にアレンジされているところが、面白いといえば面白いのですが、最大の見せ場が台無しになっている気もします。
当時は下駄や草履を履くのが当たり前の時代だったのでまぁ良しとしましょう。
ここまで書いてきましたが、
実はわたしも原文を読んだわけでもないのでなんとも言えません。
すべてネットで仕入れた知識です。
ですから、もし興味を持たれた方は
各々がお調べください。
(無責任ですみません。)
約120年前のシンデレラ物語。
相違点はまだまだありそうですが、坪内逍遙先生の功績を素直に称えましょう。
復刻版があるそうです。↓