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国会のお仕事

noteに以前書いたことがあるけれど、国会の議事録を印刷する下請けの印刷会社でアルバイトしていたことがある。
新聞の求人欄で見つけた仕事だ。
この会社は東京タワーのすぐそばにあり、印刷局のある虎ノ門とは目と鼻の先なので、急ぎの依頼でもすぐに原稿を取りに行けて、印刷したらすぐに納入することができるのは有利だった。
基本的には仕事は入札で決まるので、全国の印刷会社に振り分けられていたようだ。

先代からの家族経営の会社で、国会の議事録や〇〇白書、区の広報など、手広く仕事を請け負っていたが、わたしたちアルバイトは2人〜3人で、議事録の校正だけをやっていた。
一般的な校正ではなく、見出しや様式などが規格に合っているか、速記から起こした原稿に赤が入っているので、そこだけを忠実に反映させ、チェックする仕事だった。
一番厄介なのは、新しい法律案や改正案が添付されているときで、条文に慣れていないため、とても読みにくかった。
また、出席議員の名前を間違えるのは致命的だった。

ミスが見つかると社長自ら、即「刷り直し!」と怒気を含んだ館内アナウンスがあるので、その度に心臓が止まりそうになった。

仕事は国会会期中と閉会中審査のときだけ。

時給は最低賃金に毛が生えた程度、ハッキリいって安かったけれど、国会の議事録を逸早く読めるという特典があった。
予算委員会など、国会中継で観た原稿が入って来ると、ワクワクした。
テレビのニュースなどで取り上げられているのはごく一部で、国民生活に関わるあらゆる事柄が様々な委員会で、同時進行で話し合われていることを知った。
医師の立場を代表する人、農業に精通している人、教育問題のエキスパート、財政問題、外交問題、小さなことから大きなことまで、真面目に議論が交わされていることもわかった。

先日新聞で、「害獣を捕獲  地元の食育に」という記事を読み、そういえば農水委員会(だったかな?)で、害獣被害についての実情と対策についての議事録を読み「へぇ!」と思ったことを思い出した。
知らないところでいろいろな
問題が起こっているんだな。

国会議員は国民の代表として、いろいろな立場の人の困りごとを汲み取り、国会の場で話し合い、国民の生活をより良くするように努めるのが仕事だ。
そのために法外な高給を貰っている公務員であることを忘れないでほしい。

選挙に勝つことだけに汲々としている人だけではないと信じたい。