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大切な今。

先が見えてしまうこと、先が見えないこと、どちらの方が辛いのだろうか。

芥川龍之介は「ぼんやりとした不安」を理由に自殺をしたそうだが、先が見えないことの方が辛いと私は感じる。

私も正社員ではないので、来年の契約もわからない先の見えない場所にいる。来年のことを考えると暗い気持ちになる。それを見据えて他の職も探すべきなのかもしれないが、やりたいことを仕事にできたのだからもう少しそれだけに没頭したい気持ちがある。その気持ちは少し甘えを含んでいると思うが、そこまで張りつめられない。少し緩めに生きていたいと思った矢先に、先の見えないコロナの影響だ。

先の見えないことは本当に人を不安にさせる。先が見えたなら、そこまでをどう生きるかを考えればいいだけでいいのに。今はいつまで我慢を、どれだけ先のことを考えればいいのか。

そんなときに思い出すのは、伊坂幸太郎さんの「終末のフール」だ。

「終末のフール」の登場人物の苗場さんの言葉。

「明日死ぬとしたら、生き方が変わるんですか?」
「あなたの今の生き方は、どれくらい生きるつもりの生き方なんですか?」

そういえば、今年の本屋大賞を獲得した凪良ゆうさんも似たような作品を書かれたらしい。「滅びの前のシャングリラ」も読みたい。

今を懸命に生きるしかない。

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