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「終末のフール」

明日死ぬとしたら生き方が変わるのだろうか。変わると思う。では、どう変わるのか。と聞かれるとわからなくなってしまう。急に死ぬなんて言われてもわからない。わからない人は多いのではないか。伊坂幸太郎さんの「終末のフール」を読んで思ったことである。

「終末のフール」は短編集で地球が隕石にぶつかるから3年後には皆いずれ死んでしまう状況での話だったと思う。急に死が身近になった途端、人は暴動を起こしたり、人を殺したりする。ということが書かれていてたしかにそうなるなと思った。

死ぬ日にちが決められているのであれば、誰もわざわざ仕事はしないし、やりたいことをやったり普段できなかった鬱憤を晴らしたりすると思う。私だってそうだろう。日頃、自分を隠しているところがある。その隠れた部分が解放されても何も不思議ではない。

誰もが冷静でいられるはずがない中、「鋼鉄のウール」という作品の苗場さんの言葉が胸に響く。

「明日死ぬとしたら、生き方が変わるんですか?」
「あなたの今の生き方は、どれくらい生きるつもりの生き方なんですか?」

ずしりと響いた。

いつ死んでもいい生き方を探さなきゃ。

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