【海外移住の話④】 フィジー 《金の採掘場で忘れられない目力に出会った話》
フィジーには約330の島があり、人が住んでるのはそのうち100ほど。
最も大きいメイン・アイランドの名前は「ヴィチレブ島」。フィジー語でヴィチはフィジーを、レブは大きいことを意味します。
ヴィチレブ島の大きさは四国よりも一回り小さいぐらいなので、車で一周しようと思うと丸一日かけても周れるかどうかというサイズ感。
今日は、ある穴場のリゾートへの道中で偶然出会った、フィジー人のオジさんの話がメインです。
穴場リゾート、「ナナヌイラ」
ある週末に同僚たちと一緒に、住んでいたナンディとは島の反対側にある、「ナナヌイラ」というリゾート島に遊びに行きました。
フィジーには値段的にピンからキリまで数多くのリゾートがあります。
大手リゾートのいくつかはヴィチレブ島で訪れることができますが、多くがヴィチレブには無く、離島にあります。島ひとつ丸ごとリゾートなんていうのもザラ。
なので、観光や新婚旅行でフィジーに来る日本の方々には、ヴィチレブを素通りし、離島に直行・直帰する人も少なくありません(留学の場合はヴィチレブです)。
(↑海に浮かぶバー、Cloud9)
ナナヌイラはヴィチレブの北側にあり、名だたるヒルトンやシェラトンなどの高級ホテルと比べるとはるかに安いです。
一方でバスで島を半周近くして行き、波止場からボートに乗って行く必要があるためアクセスは良く無く、知名度も高くないためあまり混まない秘境感ある場所。
最寄りのバス停がある、小さな町ラキラキまで空港からおよそ2時間半。
バスを降りたらタクシーを捕まえて波止場に行き、ボートに乗せてもらいます。
ナナヌイラでは3つ(当時)泊まれる宿がありました。小さなコテージを貸し切って泊まり、コテージによっては外に出たら10秒でほぼ誰もいない海。
フィジーに住んでいると綺麗なサンセットは良く見たもんですが、ほぼ360度海が見渡せる丘で静かに見たサンセットは格別でした。
エンタメの仕掛けは少なく手の込んだ施設も無いけれど、肩の力を抜いて、自然を感じながら気ままに過ごすにはうってつけの場所。
穴場とはこのこと。オススメです。
(↑元上司でフィジー幸福論の第一人者Yumaさんが、職場のブログで紹介した記事)
人生で初めて、目力で動けなくなる
ナナヌイラに向かう道中、メインロードを内陸側に逸れて數十分の位置に、フィジーで唯一の金の採掘場、「バツコウラ」があります。
初めて立ち寄りました。
いかにも大規模で歴史のある施設で、周りはジャングル。何というか、趣がある。
(https://fijisun.com.fj/2018/11/20/vatukoula-gold-mines-to-recruit-200-more-workers/)
施設に入ろうとするも、なんとその日はお休みで入れず(!)
立ち寄るのにも若干遠回りしたのでヘコむ一同。
そんな中、入り口で警備員の彼に出会いました。
何とか見学できないかと粘って交渉するもダメで、
それならちょっと話を聞かせてと頼んだら、快く喋ってくれた。今日は誰も来ないから、実は誰かと喋りたかったそう。
流れで彼の過去の話になったとき、採掘場の説明をしているときと目の色、エネルギーが急に変わった。
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「ここに来て9年目になるが、その前はPKF(国連平和維持軍)のソルジャーとして、レバノンで9年、イスラエルやエジプトにも駐留していた」
「多くの戦場に身を投じてきて学んだ最も大切なことは、PKF最強の武器は、『相手の目の見かた』と『言葉』」
「神を信じて、自分を信じて相手と接すれば、それは心に響く関わり方になる」
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話し方は深く、威圧感は無いのに、強烈なアイコンタクトに時折動けなくなるような、ぞっとするような感覚になった。
バックグラウンドを聞いてちょっと納得もしたけれど、発するエネルギーだけじゃなく、見た目も61歳には見えない。
自分の心に真っ直ぐ生きて来た人は若く見えるんやと思う。
日本でもそういう人たちをたくさん見て来たけれど、ここフィジーでも。
自分も、自分の心に真っ直ぐ生きていきたいんやと再確認できた、ふとやってきた出会いに感謝して、バツコウラを後にした。
もう同じところに行っても、会うことはないと思う。
目的地のナナヌイラよりも、途中でふと訪れた行きずりの出会いが何よりも心に刻まれることになりました。
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↓フィジーのマイナーな島で初日に予定が無くなり、流れに乗ったら秘境にたどり着いた話につづく。