「おかん」DXは言い訳なのか
先日 オンラインで とあるワークショップに参加しました。
ビジネスアイデア&ハッカソンコンテストに応募するにあたり、アイデアのブラッシュアップの方法を学んだり、アイデアに対してフィードバックをもらう、というもの。
私はかねてより「おかんDX」という名のもとに、中高年女性のデジタル分野でのリスキリングと再就職支援をサポートすることができないかと考えています。昨年から自分自身のリスキリングとしてDX人材育成プログラムに参加したり、最新のデジタルツールについて学んだりし、現在は「就職活動」(仕事探し)をしています。
今はまだ仕事という形にできていないのですが、これで私が誰かの役に立てるようになったり、それなりに稼げるようになったりできたら、他の人にも「リスキリングでもう一度社会に出よう!」と言えるようになるかな、と妄想してるわけです。
ワークショップでアイデア出しのシートを作り、満を持して(?)「私のアイデアは名付けて『おかんDX』です。中年女性で社会的にブランクがあっても、学び直しをすることでIT分野でもなんでも挑戦できると思うんです!」と熱弁したところ…
「おかん」の部分だけが見事に刺さりました。(汗)
オンライン開催だったのですが、チャット欄に「おかん」アイデアが出るわ出るわ…。
い、いや、「おかん」も大事だけど、「DX」についても社会的にもっと積極的に取り組まないとあかん重要課題なのよ?それを「おかん」がやるってのが、面白いと思ってるんですけど…。でぃ、でぃーえっくすは…。。。
改めて「おかんDX」というワードのヒキの強さを感じました。
「おかんDX」というネーミングを思いついたキッカケ
私は7年前、娘の小学校入学のタイミングで17年勤めた会社を辞めました。
さぁ、これから何をしよっかな〜、と考えていた時、ネット上にはたくさんの「ママ〇〇」というワードが。
いま思えば、年齢・性別・既婚・子持ちという個人情報をもとに広告が上がっていただけでした。が、ワークライフバランスを失い仕事を辞めて悶々としていた時に「ママでも出来る!」「おうちで出来る!」「隙間時間で出来る!」のようなキャッチー(?)な言葉で語りかけられると思わず「わ、私にも出来るかも…。」とポチッとしてしまうことも多く。
挙句、退職後の数年で、私は次なる本業も見つけられないのに、ありとあらゆる副業に詳しくなるという事態に。(情弱(=情報弱者))
もちろんすべての「ママ〇〇」がそうではありません。が、中には情報商材的なものも多く、「無料セミナー」で釣っておいて、いろいろ話を聞かされた後に高額サービスの契約を勧められたことも。(情弱、危険。)
その時になんとなく、「ママ」という言葉が社会的に「カモ」にされてるかも?と感じたのです。(おい、この真剣なステートメントをシャレで言うか?!)
子どもが何より大事、時間がない、体力的にもキツい。でも仕事もして社会と繋がりお金も得たい。
そう思っている人に、適切なサービスを届けるために「ママ」に呼びかけられたのであれば良いのですが、「ママでも!」という使われ方をしているものを目にすると、なんとなくイラッと感じることもしばしば。
そう思いながらも、自分も「育児との両立」をある種の言い訳に仕事を辞めたところもあり。「ママ」であることを自分自身は都合よく言い訳として使っておきながら、他から投げかけられる「ママ」という言葉に苛立ちを感じるという、なんともいえない矛盾を抱えていました。
言葉を変えると印象が変わる
とはいえ、子どもがいても、何歳でも、女性でも、誰もがその人らしい働き方をすることが大事、ということには変わりはない。
異質な人が新しい分野に入っていく時、最初は「なぜ ここに この人が?」と思われるかもしれない。けれど、あらゆる場で多様性が必要となっている時代、様々なバックグラウンドの人がいろんな場に入っていくことが必要なんじゃないか。
そう思う気持ちは変わらず。
もともと興味があったデジタル分野に私みたいな未経験の中年女性が入っていったらどうなるだろう?という妄想は続きました。
ある時、自己紹介の場で「主婦」とも「ママ」とも名乗るのが嫌で、でも何をしてるわけでもないので困っていた時に、ふと、大好きなミルクボーイの漫才が降りてきて
と名乗ったところ、なぜかとてもしっくりきました。
同じ「母」である状況を伝えるにしても、なぜか「ママ」のような可愛らしさとそれによるカモられ度が低く、どこかユーモアがあり、憎めない。
ちょっとあっけらかんとしたところも感じられ、突き抜け感がある。
「あ、これでいこう。」と思いました。
で、『ITおかん』とかもええかな、とも思ったのですが、「DX」というワードをよく聞くようになり。時代の最先端の「DX」と、それから一番遠いところにいそうな「おかん」を組み合わせたら面白いかなー、と。
「おかんDX」というワードが爆誕したのであります。
「おかん」だから「DX」を
今、仕事を探すなかで「応募要件:おかん」となっているものを見たことはありません。
数多ある求人に応募しようとするも、「いや、年齢でまずアウトでしょ。」「未経験やし。」「まぁ、今更「2人目は?」とか聞かれることはないだろうけど、フルタイムぎちぎちはちょっとなぁ。」と、いろいろあって二の足を踏んでいます。
とはいえ。「IT未経験中年おかん」にもそれなりに役に立つのでは、と考えることも。
前職での経験は間違いなく強みです。私も17年の会社員経験で、それなりに仕事もしてきました。
家事・育児、、、胸を張れるほどではないけどまぁまぁやってきた中で、イレギュラーの対応力や調整力やマルチタスクや、、、お!何より「なんとかなるさ!」精神はあるかも。(その前段としての「大体ものごと思うようにいかんもんさ!」という経験値も。)
DXに関して言えば、やはりデジタルに疎い層に寄り添えるというか。上から目線でなく「一緒にやっていきましょー!」的な立ち位置でやっていけるような。
と、「おかん」という名でヒキを得てから、「いやぁ、私のようなオカンでも、こういった強みがあり。。。」と語ることができたら良いのでは、と思うのです。
デジタルスキルやソーシャルスキルに加え、「人」としての面白さを出せるなら。それを分かってもらうきっかけになるなら「おかん」DXと名乗るのも、まぁ、悪くないかもな、と。(ならんか?)
「おかん」を、言い訳や特別感として使うわけでなく。ワードのヒキだけでなく、「既婚子持ち社会ブランクあり中高年女性にも就業機会を与えないと、SDGs、社会的にうんちゃらかんちゃら…」と相手に考えさせてしまう理由でもなく。
私という人のひとつの要素として「おかん」と名乗り、それを面白がって受け入れられたらなぁ、と。
言うてるうちに「おばんXXX」になるかもですが。