問題解決あるあるコラム#39:仕事の基本はやっぱり5Sにあった
こんにちは。いちおか@問題解決サポーターKAIOS代表です。
問題解決あるあるコラム第39回のテーマは、「仕事の基本はやっぱり5Sにあった」です。社会人になると「5Sは仕事の基本だぞ!」と教わります。そして、実際に現場に入ると定期的に「5S」活動があり、それに参加します。主に掃除をしたり、パトロールをしたり、「うん、それが5Sだよね」と多くの人が思っていると思われます。確かに5Sといえば5Sですね。でも、本当にそれが「仕事の基本」なのでしょうか? 一度じっくり考えてみましょう。
「5S」の意味言えますか?
皆さん、5S全部言えますか? 「整理」「整頓」「清掃」「清潔」「躾」ですね。では、5Sそれぞれの意味は言えますか? 意味まで、となると自信を持って手を挙げられる人はそれほど居ないのではないでしょうか? 意味まで説明するのは意外と難しいですよね。では、順番に見ていきましょう。
「5S」は英語の「5S」で考えるとわかり易い
日本発祥の「5S」ですが、海外でもさまざまな国でその国の言語に変換された5つの「S」があります。その中でも、英語の「5S」を知るとその意味がとても理解いしやすいです。皆さんは英語で「5S」言えますか? それぞれ順番に「Sort」「Set in order」「Shine」「Sustain」「Standardize」です。上手に訳しましたよね。では、日本語と英語を比較しながら順番に見ていきましょう。
「整理」は「ムダ取り」
「整理」は「Sort」と訳されています。分類、仕分けですね。元々の意味は、「要るものと要らないものを分けて、要るものだけを残す」ということですね。つまり「ムダ取り」です。
「整頓」は「効率化」
「整頓」は「Set in order」です。「決められた通りに配置する」ですね。いわゆる定位置管理です。これにより、必要なものがすぐに見つけられたり、使用中なのかも一目でわかります。作業の「効率化」ですね。
「清掃」は「異常の検出」
「清掃」は「Shine」です。読んで字の通り、「ピカピカに磨き上げる」という意味です。ただ掃除するだけではないです、「ピカピカ」です。こうすると、何かが落ちていたり汚れがあるとすぐに気づけます。つまり、いつもとは違う状態にすぐに気がつくことができ、素早く対処ができる状態です。「異常が検出できる定常状態を作る」という意味です。
「清潔」は「文化・風土の醸成」
「清潔」は「Sustain」です。上の三つ「整理」「整頓」「清掃」の状態を維持し「清潔」に保つことです。つまり、このような状態を維持できる「文化や風土」を作り上げていくことを示しています。
「躾」は「規定遵守と監視」
「躾」は「Standardize」です。そのままだと「標準化」ですが、「躾」に込められた意図は、「決められたことを、決められた通りに、確実に行い、結果を確認する」の頭文字を取った、いわゆる「4K」の実践です。
「4K」はPDCA
この「4K」=「決められたことを、決められた通りに、確実に行い、結果を確認する」は「決められたことを」=「Plan」、「決められた通りに、確実に行い」=「Do」、「結果を確認する」=「Check」であり、「確認した結果、対応が必要であれば実行する」=「Acttion」が求められます。つまり、最後の「躾」は「PDCAの実践」を意図しています。
やっぱり「5S」は仕事の基本だった
このように、「5S」は「定常化を図り、異常を素早く検出し、徹底してムダを省く、ためにPDCAを実践する」という極めて重要な、「仕事の基本」が全て詰め込まれた言葉だったのです。なるほど、確かに基本ですね。
まとめ
いかがでしょうか? 我々は社会人になった時から「5Sは仕事の基本」と教わってきましたが、主に最初の3つ「『整理』『整頓』『清掃』を実践する活動」もっというと「『清掃』をDoする活動」と思い込んでしまっていたのではないでしょうか? これにより「5Sは掃除」という極端な理解になってしまい、仕事の基本である本来の「5S」が忘れられてしまっていたのではないでしょうか? このコラムを読んで頂いた今日からまた、しっかりと「5S」を実践していきましょう!
今回も最後までお読み頂きありがとうございました。
次回のテーマは「3つの『ム』は品質マネジメントシステムの真理だった」です。
次回もお楽しみに!