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問題解決あるあるコラム#54:言葉と体はつながっている・その2

こんにちは。いちおか@問題解決サポーターKAIOS代表です。

問題解決あるあるコラム第54回のテーマは、「言葉と体はつながっている・その2」です。前回は「目標」を口に出して言うことで「行動」が生まれることをお伝えしました。今回も同じく「口に出す」ことで生まれる「行動」について、前回とはちょっと違った視点で考えてみたいと思います。


ノウハウ伝授の壁「言語化」

皆さんは人に物を教えるのが得意ですか? 「苦手」と答える方が多いかもしれません。長い時間をかけて体得した動きや技術は無意識下でも再現できるようになっており、それを他人に伝えようとしてもなかなか難しいですよね。「ここをこうやって……」とか「そこをそうして……」と、なんとも曖昧な表現になってしまい相手には全く伝わりません。伝えようとして初めて、その技術伝承の難しさに気づいたりします。ノウハウの「言語化」って意外と難しいのです。ここに組織での標準化の「壁」があります。

教え上手は言語化上手

逆に、教え方の上手い人はこの「言語化」が上手い、といえるのかもしれません。身体で覚える動作をより確実に「意図した通りに」動かせるようにするため、「言葉から動作をイメージ」できるように補助的な情報を相手に渡しているのですね。確かに「ここをこうして……」よりは「手首を45度に固定して、そのまま腕を部品と並行に動かして……」のような説明の方がわかりやすいし再現性も出しやすそうですね。そして、このような説明は自分でもその動作ができないと上手く言語化できそうもありません。

言葉と体の可逆的法則

このように「動作」を「言語化」することと「言語化」されたことを「動作」することは、「どちらが先か?」という話もありますがお互いに「可逆的」だと考えられます。つまり「言葉と体はつながっているのだ」という訳です。どういうことかというと、何かを「言葉」にすることができればそれを「行動」に移すことが可能だ、ということになります。これは、単純作業だけに当てはまる訳ではなく「プロセス運用」にも当てはまります。コラム52でお話しした「内部監査」の場でも、自分たちのプロセス=活動計画について第三者に分かりやすく「説明」できるのであれば、プロセスもその通り動かすことができるのです。

言葉にできることは実現できる

人間はとても不思議な能力を持っていて、自分の口で発したことはほぼ実現することができます。それが具体的であればあるほど実現可能性は高まります。ただしここで勘違いしてはならないのは、ただ「口にすれば」それが実現する、という訳ではなく「口にしたことに行動が伴う」ことが必要です。この「行動が伴う」ためには、前回のコラムでお話ししたように行動が「具体的」である必要があります。そのためには、言葉も「具体的」である必要があります。そして、その言葉をくり返し「口に出して」発言すればする程、それが達成される確率が高まります。「毎日素振り500回」を、言葉に出して言うと言わないとでは結果が全く異なります。

言葉と体はつながっている

このように、口に出すことで行動が具体的になり具体的な行動を口に出すことでさらに推進力が生まれ、言葉が行動に変換され行動が結果に繋がります。くり返し行動を口に出すことは、強い優先順位づけや行動や結果のアウトプットイメージを湧きやすくし、さらに行動に移しやすい環境を生み出します。また、他人に説明すると、そのことで自らの「理解度」が深まると同時に「責任感=危機感」が生まれ、リスク回避として行動を実行するモチベーションも生みだします。これら二重三重の動機づけが「努力して行動を生む」よりも強い原動力を自ら生み出し、行動を進めていきます。

暗記・暗唱は意図した行動を生む準備運動

このようにより好ましい行動を生むために、行動より先に言葉を使っているのが、子供の頃から教えられてきた標語の暗唱などです。子供の頃は何の疑いもなく言われるがままに毎日毎日声に出して唱えていましたが、今振り返ってみるとその口に出した教えが暗唱によって自然に身体に染み付いていて、何か岐路に立った時には自然とその教えに沿うような判断をしていたことに今更ながら気づかされます。行動よりも先に、自身の口から発していた言葉が自身の行動を促していたのですね。大人になった今、ついつい「自分の利益のため」の判断を繰り返してしまっている現状を顧みて、自分が目指す「教え」を口に出して自らを律しないといずれ大失敗をやらかしてしまうかもしれません。

まとめ

いかがでしたでしょうか? 言葉を「口に出す」ことの力について、2回に渡り考察してきました。「頭」で考えているだけでは「体」は反応しませんが、「言葉」にすることで「体」が反応し「行動」が生まれます。我々人間の特性を上手く活用すると「絶対無理」と思っていたことも意外と「できる」ようになるかもしれません。皆さんも、達成したい目標があるのならば是非「口に出して」言ってみてください。口に出してしまうことで生まれる「失敗リスク」に怯えるより、口に出すことで「顕在化」したリスクを回避する「リスク回避能力」を活用し「目標達成の原動力」にしてみてはいかがですか? くり返しくり返し「口に出す」ことで実現可能性も高まるかもしれません。「潜在リスク」に怯えるよりも、あえて口に出して「顕在化」させてみると解決の糸口が見つかるかもしれません。

今回も最後までお読み頂きありがとうございました。
次回のテーマは「継続は力なり?」です。
次回もお楽しみに!

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