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質問:昭和天皇の戦争責任

中学生からの質問
先の大戦で、日本が戦争をしたのは、とても悪い事だと聞きました。
また、それを始めたのは日本で、最高権力者であった昭和天皇に開戦の責任がある、とも聞きました。
私自身は戦争は良くないという事に異論はありません。
しかし、どちらかが一方的に悪いということは、あまり無いようにも思います。
実際の所はどうなのでしょうか?

回答
私も、戦争は良くない、ということに関して完全に同意します。
また、どちらかが一方的に悪いということも、やはり無いと思います。
実は、我々が主に目にする歴史は、実は戦勝者が書いたものなので、ある程度歪曲されていることを前提として読む必要があります。
授業で習う教科書の歴史は、そんなもののうちの一つかも知れません。
関心を持ち続けていれば、いずれ様々な視点からの資料を目にする機会があるはずです。

ところで戦争があった後、敗戦国の責任者はどうなるかご存知でしょうか?
殺害されるか、どこかに亡命するか、むしろ自殺を選ぶか。
いずれにしても、その末路は悲惨です。
さて、昭和天皇はというと、そのまま天皇陛下であり続けました。
戦勝国は、大勢の日本人を裁判で有罪として殺害したり、投獄したりしました。
しかし、昭和天皇はそうはならなかった。
当時の日本国民のほとんどが、それを望んだということもあったようです。
つまり終戦後の時点で、責任は問わない、と決められたのです。
現代に暮らす我々が、その事について異論を挟むのは、当時の全ての人に対して失礼だと言えるでしょう。

日本には神話の時代に遡る太古の昔から、人を草に例える言い回しが存在します。
民草という言葉もそれにあたります。
浸潤な気候で豊富な植物が萌え出るのを、人が生まれるのと対比したのだと言われています。

昭和天皇は植物学者でした。
ある人が「この雑草は」
と言った時に、
「雑草という名前の草はありません」
とおっしゃったそうです。
一人ひとりの民草には、それぞれに名前がある。
そんな風に考えていたからの発言に思えてなりません。
少なくとも、昭和天皇は国民の一人ひとりを、大切に思っていたようなエピソードではないでしょうか。

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