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№6358:低継続率のフィットネスクラブは「全員年会費制」がもっとも合理的な選択肢だ
こんにちは。遠藤です。日本の健康社会問題解決のため、2020年から予防型ジムである「スモールジム」を全国に展開中。ビジネスリーダー輩出を目指す「オンラインビジネススクール(FBL大学)」も2013年から運営しています。
さて、少し前の新聞でエステ業界の支払い方法の不健全性さが指摘されていました。もっともこれは今に始まったことではありませんが・・。最大の問題点は「前払い金を売上と見なしていること」です。例えば、売上が100万円不足だとすると、10万円の回数券を10人に売ろうとします。これがスタッフのノルマとなり、顧客無視のセールスが行われます。
当たり前のことですが、100万円の売上があがったところで、売上は0円です。100万円は単なる前受け金に過ぎません。回数券と似たシステムに年会費があります。両者の違いは回数券が「回数」、年会費が「期間」にフォーカスしていることでしょう。例えば、1回1000円だけど、10回分の回数券なら9000円にします。1ヶ月1万円だけど年会費なら11万円にしますという考え方です。要は前払いよる割引です。
この考え方自体は問題ありません。何故なら、ともに継続に不安があるお客さまに良い意味で強制力がかかるからです。本来、回数券も年会費も「お客さまのため」にあるものです。割安だし、継続性も高まるしで悪いことは何もありません。それを「自分たちの売上のため」にやっているからおかしくなるのです。念のため言っておくと「前受け金」は消化ごとに売上計上するのが当然のルールです。回数券10枚(9000円)が初月に2枚しか使われなければ、初月の売上は1800円です。残りの7200円は売上ではありません。ところが、個人事業主レベルだとこのあたりのルールがわからないので、入金ベースで経営(運営)をしてしまい、後々自分を苦しめることになります。
回数券や年会費で問題になるのが返金問題です。一般的には「途中解約は返金しない」と約束させていますが、現実的には難しいでしょう。こうなると継続に不安がない常連層だけが年会費を選択しますから「高頻度利用者が低料金」というビジネスモデル的には最悪な結果になります。そうではなく、私は消化分を通常の月会費で計算して、残額は返金すべきだと思っています。が、こうすると「全員が年会費を選択する」というロジックになります。続けば安いし、嫌になったら正常料金を払えばいいからです。
しかし、一般的なフィットネスクラブの年間継続率はたったの約45%です。であるならば、全員を年会費にする方が得策だと思います(細かい計算をしていません)。「これでは実質的な差がない」というなら、解約手数料をとればいいでしょう。これで制度のバランスが取れます。ちなみにスモールジムのように通常会費で年間約85%が継続するジムはその限りではありません。まだまだ指摘ポイントはありますが、すでに相当長いのでこのあたりで終了します。
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