【エグゼクティブの成功マインドを磨くCEOコーチング:シーズン1-11】「再現性」と「組織の覚醒」(前編)
(1)なぜ、売上1億円の会社を目指すよりも、10憶円の会社を目指すほうが簡単なのか
こんにちは。
エグゼクティブ専門コーチの久野和禎です。
そろそろシーズン1も終わりが近づいてきました。
残り4回の連載では、拙書『CEOコーチング』に沿ってお話ししてきたシーズン1のまとめに入っていきたいと思います。
今回のテーマは、「売上1億円の会社を100億円にする方法」についてです。
書籍の帯には、「売上1億円の会社が10億を目指すより、100億にするほうが実は簡単だった!」という思い切った文言が入っています。実際私は、そのことを本当に信じているところがあります。
現実的には売上1億円の会社は10億円を通らないと100億円の会社にはなりません。先に100億円になって、あとから10億円になるはずはないのです。ですから、「簡単」というのは、10憶円を通らなくてよいということではありません。
このメッセージでお伝えしたかったのは、10億円を目指すのと、100億円を目指すのとでは、努力の質、工夫の質が変わってくるということです。
先日、こんな話がありました。
あるジャンルにおいて日本有数の能力をお持ちで成功している方から、「どうやったら数多くのお店を出すことができるのか」を知りたいということで、その方とは別のジャンルで、フランチャイズと直営を合わせて約100店舗を展開されていて、これから200、300と成長させていくプロセスに入っている経営者を紹介してほしいというご依頼をいただきました。
以前から双方に、「お二人が出会えば、お互いによいシナジーが生まれるのではないか」と話していた私は、すぐに打ち合わせの場をセッティングしました。
頼み事をしてくださった方の活動拠点は現在1カ所です。その方は圧倒的な力をお持ちですので、ご自身の分身となる弟子たちと力を合わせて、2つ、3つと拠点を展開していくことは何の問題もなくできます。
ただ、10カ所の展開ができるかといえばそうでもなさそうなのです。
ご自身が日本一の実力をもっているため、2号店、3号店と増やしていけばいくほど、日本一から遠ざかってしまう……。
一言でいえば、「どうすれば、イチをジュウにできるのか」という課題に直面している状態です。だからこそ、すでに「イチヒャク」を実現している方に会いたいと考えたわけです。
すでに100店舗近く展開している方は「事業をはじめたその日から、500を目指しています」とおっしゃいました。
まず1店舗目を立ち上げて、2店舗目、3店舗目を出していくのと、最初から500店舗、1000店舗を目指しているなかでの1店舗目、2店舗目、3店舗目を出していくのとでは、活動の仕方がまったく変わってきます。労力もモノの考えた方も違ってくるのです。
(2)こだわるべきは「再現性」
お手元に紙の『CEOコーチング」がある方は、227ページの「徹底的に商品・サービスの質を向上させる」という項目をご覧ください。前提として、商品・サービスの質がよくなければ、成功することはできません。
そのうえで重要なのが、225ページの「ビジネスモデルを見直し、『再現性』に徹底的にこだわる」という発想になります。最初から500店舗を目指すということは、最初から再現性のあるものをつくっていくことに他なりません。つまり、入社したばかりの人でもある程度勉強すれば回していけるような仕組みをつくる必要があるということです。
これに対して、一流の人が自分の1号店と比べると劣っている2号店、3号店を出していくという発想では、お客さんは「本当は総本山に行きたい」ということになってしまうので、経営者、店舗責任者、そしてお客様としてもドライブがかかりません。
そうではなく、品質が安定している、均一である、あるいは望む水準をクリアしているといった「再現性」に着目する必要があるのです。
イチをジュウにするよりも、イチをヒャクにするほうが「簡単」というのは言い過ぎに聞こえるかもしれませんが、アプローチの仕方として「取り組みやすい」面があることはご理解いただけるのではないかと思います。「イチヒャク」というのは、言葉のあやでも、幻でもなく、可能なことなのです。
ここまでの話は、「ゴールドビジョン」にも関わってくる内容になります。
他の人が挑戦しないような大きな夢を描くことによって発想は変わり、それによって能力が引き出されていくことを、この記事を読んでくださっている方々にも体験していただきたいと思っています。
(3)ジュウでも、ヒャクでもなく、イチマン、ジュウマンを目指す
ここからは「CEOコーチング」というメソッドを確立して、実践している私自身のことを例にお話ししたいと思います。
私は「CEOコーチング」ができる人を育てるというアプローチを積極的にはとっていません。では、どんなアプローチをしているかといえば、「フィードフォワード」を実践できる人を、イチヒャクどころか、1万人、10万人規模に広げていけるようなステップを踏んでいます。
はっきりと言ってしまえば、「CEOコーチング」というかたまりは、「ゴールドビジョン」という大きな体系に、経営分野における専門性、高いリーダーシップといった要素を加えたものであり、そうそうできるものではありません。
しかし、「CEOコーチング」というかたまりを分解していったら、「ゴールドビジョン」という要素を抽出することができます。「ゴールドビジョン」をさらに分解すると、最初の一歩としての「フィードフォワード」を抽出することができるのです。
ですから私は、未来に目を向けることができる人たち、すなわち「フィードフォワード」を完全に習得した人たちを、できるだけたくさん育成しようとしています。いま現在、100人、200人程度いらっしゃる習得者を、1万人、10万人へと増やしていきたい。日本だけでなく、世界に広めていきたいと考えています。「フィードフォワード」を再現性の高い形に設計しているのはそのためでもあります。
実際、自分の人生、そして周りの人たちの人生をよりよいものにすることができる「フィードフォワード」を学びたいという声は多く、「フィードフォワード講師」の認定を受けて、活動したいと思っている方も増えてきました。
「CEOコーチング」ができる人、つまり、私が実践していることをそのまま同じようにできる人を増やそうとしていたら、ここまでの発展はなかったはずです。
取り組みやすい形、再現性のある形に設計した「フィードフォワード」だからこそ、ヒャク、セン、イチマン、ジュウマンを目指すことが可能になっているのです。
今回も最後までお読みいただきありがとうございます。
次回またお会いできるのを楽しみにしています。
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