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【シーズン2-7:エグゼクティブの成功マインドを磨くCEOコーチング】フォワーダーの姿勢② ~「待つこと」の大切さ
(1)なぜ、人は「沈黙」を恐れるのか
こんにちは。
エグゼクティブ専門コーチの久野和禎です。
シーズン2では、CEOコーチングの中でも、とくに重要な要素である「未来思考:フィードフォワード」を軸にお話ししています。
さて、ここまで「フィードフォワード」の基本的な考え方、「フォワーダー」と「レシーバー」の役割、それぞれの役割に求められる技術等について解説してきました。
今回のテーマは、「待つ力」。
「力」と呼ぶべきか、「技術」と呼ぶべきか、難しいところですが、「フォワーダー」は「レシーバー」が話すのを待てばいいのです。その意味では、難しいことは1つもありません。
しかし、「難しい」と思っている人が多いのも事実です。
よく耳にする理由が「沈黙が苦手、怖い」。
でも、電車に乗っているとき、シーンとしていますよね。みんなが黙っているからと言って心配になって話す人はいません。レストランに行っても、注文を取りにきてくれるまで黙って待っているはずです。
では、何がそんなに怖いのでしょうか。
何がストレスになっているのでしょうか。
きっと、「気まずい」のだと思います。
何か話さないといけない……。そんな思いに駆られて落ち着かないのでしょう。
でも、別に話さなくてもいいですよね?
(2)「沈黙」しているときに、私が実践していること
私は、10分でも、15分でも待てます。
実際、コーチングをしていると、相手が15分くらい黙っていることがあります。
その方の体感値としては2分程度のようですが、私の時計では15分くらい経過していることが、年に1回か、2回はあります。
その際の「沈黙」は決して悪いことではありません。
コーチなり、上司なり、フォワーダーとして良い質問をしたからこそ、相手がしっかりと考えているのです。
では、待っている間、私は何をしているのか。
相手のことを考えています。「この質問をしたあとに考え込んでいるわけだから、こういうふうに思っているのかな」とか「こんなふうに考えている可能性もあるかもしれない」とか、いろいろと思考を巡らせています。
相手も考えているし、私も考えている――。
お互いに忙しくしているのですから、何の問題もありません。
時には、思った以上に早く、私のなかである程度の答えが出てしまって、暇になることはあります。
しかし、暇になったからといって、話し始めてはいけません。
相手の頭の中でストーリーが完成しかけているのに、横やりを入れてしまう形になるからです。もう少し待てば、思考が深まるのに、慌てて受け取ったら「生焼け」だった……となってしまうのは避けるべきなのです。
そもそも、こちら側から「質問」することで、「相手が自分で考えるチャンス」をつくっているにもかかわらず、自らその機会を邪魔したり、摘んでしまってはダメですよね?
私もうんと若いころは、待ちきれずに話してしまったこともありましたが、それでも早い段階で「待つ」ことの重要性は認識していました。
また、「待つ」のは「沈黙」のときだけではありません。
相手が一生懸命話しているときに割って入るのもやめましょう。これも「待つ力」の1つです。相手が話している間は、待ちながら聞いてください。
「そうは言っても、なかなか待てない」という方は、次のような練習をしてみてください。
まずは、3分間、沈黙に慣れてみましょう。慣れてきたら5分に延ばしてみましょう。
最初は30秒でも長く感じるかもしれませんが、練習をしていくと、だんだん待てるようになってきます。
(3)自信がなくて待てない人、自信があっても待てない人
「待つ」ために必要な要素の1つに、「自信」があります。自己評価が高ければ待てます。
ここでいう「自信」は、「自分は相手にとって価値のある存在である」「価値のある仕事ができる」「価値のある情報を提供できる」「価値のある貢献ができる」といった自覚、確信のことです。
短絡的に「自信がないから待てない」と言いたくはありませんが、待てない理由の1つに「自信のなさ」がある可能性は十分に高いです。
自信がないと、「なにか話さないといけない」と思ってしまう側面があるのではないでしょうか。
だから、「待てばいい」と言われても待てないのです。
自信を持つことができれば、待つことは怖くなくなります。
このあたりの話については、「エフィカシー」「自己評価」の項目でも取り上げていきます。
一方で、「CEOコーチング」の対象である社長やリーダーの中には、自信があるのに「待てない」人もいます。
理由の1つ目はシンプルで、「話すのが好きだから」です。
ですが、ここではもう1つの理由を紹介しましょう。
多くのリーダーが、「リーダーは話すものだ」と思っています。
いいリーダーでいようとするから、話をします。
その結果、待てずに自分の考えを押し付けてしまいます。
ですが、私はそうは考えません。
上司が黙っているほうが部下は伸びます。
もし、「たくさん話すことがリーダーの役目だ」と考えているのではあれば、ぜひ、意識を変革してください。
本来、話す能力がある人が黙って、部下、後輩、スタッフが気持ちよく話せる環境を作り出すことができれば、組織、チームの総合力が上がります。
人は誰かに教わったり、指示されたりするよりも、自分が考えることを大事にし、自分で考えたことはより一生懸命やるのです。
ですから、待つことが得意でない人は、いまより1秒でも、2秒でも長く待つ練習をしてください。
待つ時間が長くなればなるほど、相手が考える時間が増えて、考える力も高まっていきます。
その結果、相手はどんどん成長していきます。周囲の人の成長に貢献したいと思うのであれば、自分が黙る時間を増やしてください。
今回も最後までお読みいただきありがとうございます。
次回またお会いできるのを楽しみにしています。
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