遊具は子どもの発達を助ける宝箱。
僕たちが子どもの頃、公園や学校にある遊具でよく遊んでいたと思います。小さい頃の記憶を思い出すと、小学校にはかなり大きな滑り台が設置されていたし、うんていやジャングルジム、グルグル回る回旋塔など、様々な遊具で遊んでいた記憶があります。
しかし近年では子どもが怪我するから危険という理由で、多くの遊具が撤去されている現状があります。実際都市部の公園を見てみると遊具がおいていないただの広場になっている公園も時折見かけます。
ではこういった遊具は本当に危険なものなのでしょうか?遊具には怪我するリスクがあるかもしれませんが、リスクだけではなく、子どもの発達に必要な要素がいくつも入っている貴重な遊び場だったりするのです。
今回は遊具で遊ぶ事で得られるメリットと本当に危険なのかという事を僕の私見ではありますが記事にしていきたいと思います。
遊具は子どもの成長を高める宝箱
結論から述べてしまうと、遊具は子どもの発達に欠かせない様々な感覚刺激を体感できることのできる道具になります。
僕ら人間が赤ちゃんから発達する際、生まれた当初は自分の首も支えられない赤ちゃんが、1年ほどで歩ける様になる程の急激な発達をしていきます。
1年でこれほどの発達をするために必要な要素として簡単にまとめると、
・身体への感覚入力
・バランス能力の向上
・子どもの「〜したい」という意図
が主に重要になってきます。
身体への感覚入力は身体を動かしたり、色々なものに触れることで脳が動きを学習し、身体の使い方が上手になっていきます。
身体のバランス能力は、姿勢が変わることで頭の位置が変わったり、その際に姿勢を保とうとすることで発達していく事ができます。赤ちゃんは成長に合わせて身体を動かす事で身体能力が向上していくのです。
意図という言葉に関しては、身体を動かす際は何かしらの目的が必要になってきます。僕ら大人でも何も目的がないのに立ち上がったり歩いたりはしないと思います。子どもが何かしら運動を行う際も、何かに興味をもち、身体を動かしたいという意図が重要になってくるのです。
上記3つが発達に必要な要素を簡単にまとめたものになるのですが、遊具はこの3つ全てに刺激を与える事ができるツールになるのです。
ジャングルジムで色々な体験ができる
例えばジャングルジムを例に挙げてみたいと思います。
ジャングルジムで遊ぶ際は、遊具を登るという意図を子どもに与えてくれます。ジャングルジムを登ろうとする際、手足を使って遊具を登っていく必要があるので、手足の協調性や体幹の柔軟性といった遊具を登るのに必要な感覚入力が入ってきます。登っていくと不安定な姿勢で姿勢を保持する必要があるので、バランス反応も必要になってきます。
また運動の発達に必要な身体感覚の入力だけでなく、考えるために必要な能力を使うこともできます。例えばどこをどう登っていくか考える能力。ジムから落ちない様に身体を使うリスク管理能力。立体的なジムの構造を把握するための空間認知能力。そして遊び方を自由に考えて行動する自主性・意志決定能力の向上… 。遊具遊び一つにおいても色々な学びがあるのに驚かされます。
リスクと取るか、体験と取るか
この様に遊具遊びは身体、思考能力において非常に多くの刺激が入るものとなっています。すごく遊びとして有用な遊具遊びですが、「遊具から落ちたり怪我したらどうしよう… 」と考えてしまう親御さんもいるかと思います。
ただ個人的な意見としては、リスクがあると感じるなら、親が子どもが落ちない様にサポートや監視をしてあげれば大きな怪我につながることは少なくなるのではないかと考えています。
転落など大きなリスクを大人がカバーしてあげれば、「こういう風に動くと危ないんだ」というリスクを子ども自身が学ぶ事ができるため、意外と危ない行動は取らない様になってくることに気がつくはずです。
逆に大人がリスクがあると思うことを制限しすぎてしまうと、子どもがやりたいということを制限してしまうことにも繋がり、結果子どもの自主性を阻害してしまうことにも繋がりかねないと感じています。子どものしたいことを制限するよりは、大人がリスク管理した上でやりたいことをさせてあげる方が色々な体験をすることができるのではないかと思います。
是非リスクがあると恐れるだけでなく、子どもと一緒に遊んであげて欲しいなと思います。