感情の教習所②「思考の調整」
前々回は「感情の基本的なシステム」を、前回は感情の教習所・第1回目の教習「気を逸らす」という具体的なテクニックをお伝えしてきた
今回も、前回同様、適切に感情を扱うための具体的なテクニックをお伝えしていく
第2回目の教習の内容は「思考の調整」について
前々回に「思考と感情のシステム」について説明したけど、この「思考の調整」ではそのシステムを使って、思考と感情を「意図的に」コントロールしていく
簡単に「思考の調整」を説明すると…
「思考の調整」とは、ネガティブな感情になる思考を意図的にポジティブな感情になる思考に書き換えていく作業
ここであえて「作業」と書いたのは、理論をきちんと理解すれば、事務的に行うこともできるほどシンプルな方法だから
ちなみに、もっと簡単にいうと…
「思考の調整」とは、ネガティブな感情をポジティブな感情に変える方法
といってもいい
それでは、早速、やり方について説明していく
感情は思考のインジケーターで、ガソリンメーターのようなものといったけど、その感情というインジケーターにも「目盛り」が存在する
ガソリンメーターだと、ガソリン満タンの目盛りにはFullの「F」、ガソリンが空の目盛りにはEmptyの「E」が書かれている
じゃあ、感情というインジケーターの目盛りには何が書かれているのか?というと、22個の目盛りに下記のように書かれている
ーーー
1.喜び/気づき/力があるという感覚/自由/愛/感謝
2.情熱
3.熱意/意欲/幸福
4.前向きな期待/信念
5.楽観的な姿勢
6.希望
7.満足
〜〜〜
8.退屈
9.悲観的な姿勢
10.不満/苛立ち/焦り
11.打ちのめされている状態
12.失望
13.疑い
14.心配
15.非難
16.落胆
17.怒り
18.復讐心
19.嫌悪/憤り
20.嫉妬
21.不安/罪悪感/自信喪失
22.恐れ/悲しみ/うつ状態/絶望/無力感
(※引用元は最下部に記載)
ーーー
目盛りの7と8の間に波線を入れたけど、ここが「ポジティブ」と「ネガティブ」の境目
つまり、ここが「本来の自分らしい思考」と「本来の自分らしくない思考」の境目
この波線より上の状態が、ポジティブな感情=本来自分らしい思考
この波線より下の状態が、ネガティブな感情=本来の自分らしくない思考
となる
ガソリンメーターだと、ガソリンの残量次第で、F↔︎Eをいったりきたりする
感情という思考のインジケーターでは、あなたがどんな思考を選ぶのかによって、この目盛りが1↔︎22をいったりきたりする
なんとなくイメージできただろうか?
「思考の調整」は、この感情の目盛りが1個ずつ上がるように、意図的に思考を選んでいく
「1個ずつ」と書いたけど、一気に何段も飛ばして感情の状態を上げていくのは難しい
例えば、もしあなたが今「絶望」を感じる思考を選んでいるなら、1個上の「不安」を感じる思考であれば手が届くけど「不満」の思考には手が届きづらい
でも、1個ずつ丁寧に思考を選べば、必ず上げていくことができる
ここでは、例として、仕事で失敗してしまい、絶望した状態から1個ずつ目盛りを上げていく
ーーー
22.恐れ/悲しみ/うつ状態/絶望/無力感
「こんな失敗をしてしまったなんて、もう私は終わりだ…あぁ…私の人生終わった…」
↓
21.不安/罪悪感/自信喪失
「みんなに迷惑をかけてしまい、申し訳ない…」
↓
20.嫉妬
「あの人は失敗しても復活したけど、私にはできない…」
↓
19.嫌悪/憤り
「もう何もかも嫌だ!」
↓
18.復讐心
「もうめちゃめちゃにしてやる!」
↓
17.怒り
「なんで私がこんな思いをしなきゃいけないんだ、おかしい!」
↓
16.落胆
「あの人なら助けてくれると思ったのに!」
↓
15.非難
「私が悪いんじゃない、あの人のせいだ!」
↓
14.心配
「この先、どうすればいいんだろう…」
↓
13.疑い
「ここから挽回なんてできるんだろうか…」
↓
12.失望
「私ならうまくいくと思ってたのになぁ…」
↓
11.打ちのめされている状態
「あぁ…もうどうにもならないよ…」
↓
10.不満/苛立ち/焦り
「でも、この状況、早くどうにかしなきゃだよなぁ…」
↓
9.悲観的な姿勢
「でも、もはやどうにもならない気もする…」
↓
8.退屈
「あ〜どうしたらいいんだろう…」
↓
7.満足
「でも、まあ、死ぬわけじゃないしなぁ…」
↓
6.希望
「今まで、もうダメだと思ったこともなんとかなってきたし、今回もなんとかなるかなー?」
↓
5.楽観的な姿勢
「ま、なんとかなるっしょ、多分」
↓
4.前向きな期待/信念
「いや、きっと、大丈夫!」
↓
3.熱意/意欲/幸福
「ここからどうひっくり返すか、私の力の見せ所だ!」
↓
2.情熱
「ここからの逆転が、私の人生のハイライトとなるシーンだ、やってやる!」
↓
1.喜び/気づき/力があるという感覚/自由/愛/感謝
「私にはできる!きっとなんとかなる!!」
ーーー
こんな感じで感情の目盛りを意識して、意図的に思考を選んでいくと、出てくる感情が変わる
「感情は思考の結果」という言葉を体感できる
ただ、慣れないうちはそんなにうまくいかないかもしれない
それでも、違う思考を選べば違う感情が出てくることは実感できるので、ぜひやってみてほしい
ーーー
前回と今回で、自分の機嫌を自分でとるための具体的な方法(=ネガティブな感情の対処方法)をお伝えしてきた
何度もいうけど、仕組みはシンプルだけど、身につけるのは簡単じゃない
右利きを左利きに変えるようなものだから、すぐにうまくできなくても、自分を責めないこと
思考と感情とは一生の付き合い
3ヶ月、半年、1年、3年、5年…と長い目でみて、少しずつ上手くなっていけばいい
ちなみに、前回の「気を逸らす」と今回の「思考の調整」だけど、実際の場面では、どちらでも使いやすいほうを使えばOK
多分、最初は「気を逸らす」の方が使いやすいかと思う
いずれにせよ目的は
「ネガティブな感情になる思考を選ぶ癖を、ポジティブな感情になる思考を選ぶ癖に変えていくこと」
なので、あなたがやりやすい方を選べばいい
繰り返していくことでネガティブな感情の扱い方がうまくなっていき、そうしているうちに、あなたの現実からどんどん問題が減っていくことに気づくと思う
その先に「あなたの現実はあなたが創っている」ということが理解できる日がくる
ぜひ、コツコツ、自分の機嫌を自分でとり、本来のあなたらしい思考を選び、本来のあなたらしい、楽しい人生にしていってほしい
※ 引用元
ダイヤモンド社
エスター・ヒックス、ジュリー・ヒックス 著
秋川一穂 訳
「願えば、かなう エイブラハムの教え」
「II思考を現実化する22の実践」感情のスケール
より引用