「ALP(アルカリホスファターゼ)」について

皆さんこんにちは。いよいよオリンピックもはじまって熱い夏になってきましたね。八月になったことですし、NOTE活動も頑張っていきたいところですね・・・
さて前回の内容に続き、今回も検査値「ALP」について話していきたいと思います。


① 「ALP(アルカリホスファターゼ)」とはなんぞや?

「ALP(アルカリホスファターゼ)」はリン酸化合物(りんさんかごうぶつ)と呼ばれえる栄養素を分解する酵素のことです。
肝臓や腎臓・腸や骨など全身の色々な場所でこの酵素が作られています。
「ALP」には胆汁(たんじゅう)といって肝臓で作られる黄褐色(おうかっしょく)でアルカリ性の液体が多く含まれており脂肪を燃やして消化してくれる我々のパーソナルトレーナーみたいな役割をしてくれています。
最終的に肝臓で処理されて胆汁の中に流れるため、胆石(たんせき)や癌などで胆汁の流れ道である胆道のながれが悪くなったり(胆汁うっ滞(たんじゅううったい))、塞がれると「ALP」が逆流してしまい血液中に流されてしまいます。
血液中の「ALPの値」に問題がないかを調べることで肝臓や胆汁の流れに問題がないかを調べることが出来るんです。
胆汁の流れを悪くさせる原因として、胆管の癌・膵臓癌(すいぞうがん)・十二指腸(じゅうにしちょう)にある胆管(たんかん)部分の癌・胆管結石(たんかんけっせき)・飲み薬が原因となる肝機能障害(かんきのうしょうがい)・原発性胆汁性胆管炎(げんぱつせいたんじゅうせいたんかんえん)(肝臓内のとても小さい胆管が壊れてしまう病気)などが挙げられます。
この「ALP値」は肝機能障害だけではなく、胆管から十二指腸にかけてできる癌などの病気を見つける手助けをしてくれます。
そのほかにも、「ALP」は全身に存在するので、高い=肝臓の働きが悪い!ではなく、それ以外にも原因があるのかもと思うことが大事かもしれません。肝臓自体の検査を示す「AST・ALT」と一緒に検査すると肝臓の機能のどこに原因があるのかを把握することが出来るかもしれませんね。ですが、
「ASTやALT」=肝炎などで大幅に数値が高くなり、胆汁のうっ滞ではあまり上昇しない
逆に
「ALP」=胆汁うっ滞では大幅に数値が上がり、急性肝炎や慢性肝炎、肝硬変ではあまり上昇せず、黄疸(おうだん)が見られたときは、その原因が肝臓にあるのか、胆道(胆道とは:肝臓から十二指腸までの胆汁の通り道のことであるぞ)にあるのかを特定するのによいと言われています。
まぁ、両方とも検査するのが良いです。
ちなみに私が調べたところだと

「ALP」の基準値:80~260IU/mLとされています。(50〜350IU/mLのところもあったよ〜)


② 低い・高い とどうなるの?

「ALP」の正常値は、病院・施設などで多少の差があるみたいです。そのため、続けて同じ場所で検査をする事が大切になりますね。
80以下の低い場合は、遺伝性低ALP血症の可能性があるんだとか。遺伝性と言われているくらいなので、遺伝性の病気です。きになる方や詳しく知りたい方は調べてみてくださいな。簡単に説明すると、骨を作れなかったり(骨形成不全)・骨折・歯が抜けたり、腎臓に障害出たりという病気らしいです。遺伝性低ALP血症以外は問題ないと言われていますが、(ALP)は亜鉛を必要とする酵素であるので亜鉛が足りなくなったり少ないことで起こる亜鉛欠乏(あえんけつぼう)や甲状腺機能低下症(こうじょうせんきのうていかしょう)などで低下していることもあるので、一応しっかり検査してもらいましょう。
そして、260以上〜600以下を中等度上昇、600以上を高度上昇なんて言われています。黄疸(おうだん)が軽い場合は中等度、600以上は明らかな顔色の変化があるんだそうです。
黄疸とは:ビリルビン(胆汁色素(たんじゅうしきそ))が血液中や組織中に異常に増えて、皮膚や粘膜が黄色くなる症状のことで、肝細胞の機能異常や胆道の閉塞(へいそく)、赤血球の過剰な破壊によって起こるやつです。
また、骨の病気でも「ALP」は上昇します。①でも説明したように「ALP」は骨や腸にもあるため、その辺りが 病気になっても上がるわけですね。特に骨が作られる小児期では成人に比べて正常値が高いんです。
結局、肝臓なのか、骨なのか、腸なのか色々あってわからないよ〜って思った人。
「アイソザイム」って聞いたことありますか?これは肝臓や骨、腸にある「ALP」は、それぞれのタンパク質の作りが少し違っていて、それを分けるのに役立つものです。これを「アイソザイム」といいます。このアイソザイムを調べることによって、胆道が悪くてALPの値が上がっているのか、もしくは骨が悪くて上がっているのかを調べることができるんです。
余談ですが、「ALP」は癌の骨転移を見つけるのに役立つんです。肝臓が悪くなくて「ALP」が高ければ、「アイソザイム」を測ります。骨型であればおそらく骨転移が疑われる為、レントゲンなどでの確認するみたいです。

 おまけ   :260以上〜600未満の場合は以下の病気が挙げられます。(一部ですが)
閉塞性黄疸(胆管がん、肝門部胆管がん、膵頭部がん、総胆管結石、ファーター乳頭がん)・肝内胆汁うっ滞・胆道感染・骨疾患(転移性骨腫瘍、骨折、骨軟化症など)・薬物性肝障害・アルコール性肝障害・脂肪肝・うっ血肝・急性肝炎・慢性肝炎・肝硬変・悪性腫瘍・甲状腺機能亢進症・生理的上昇(成長期、妊娠など)潰瘍性大腸炎・慢性腎不全などの可能性もあります。
:600以上の場合は以下の病気が挙げられます。(一部ですが)
顔が黄色くなるような明らかな黄疸がみられる。閉塞性黄疸(胆管がん、肝門部胆管がん、膵頭部がん、総胆管結石、ファーター乳頭がん)・転移性肝がん・肝内胆汁うっ滞・骨疾患(転移性骨腫瘍)で多くみられる数値らしいです。ネットで調べて出てきた病気をのせましたが、まだまだありそうなので重要そうのを選んでおきました。


③最期に


今回はこんな感じで「ALP」について書いて行きました。血液検査は、病気を見つける一つの目印にもなりますので、患者様や自分自身・家族の早期発見などに役立てるといいなと思い今後もNOTEの更新をして行きたいと思います。あまり皆さんの興味を引く内容や楽しい内容ではないですが、100人の中ので一人でもいいので、早期発見や早期治療が行われることを今日も祈っています。それではまたのNOTEでお会いしまょう。ではまた〜

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