もしもの備え
3・11
今日は2024年3月11日です。
13年前の3・11、東日本大震災が発生しました。
私は阪神・淡路でも東日本でも被災者ではありませんが
ちょうど良い機会ですので災害やもしもの備えについて考えてみる事にしました。
災害大国日本。
残念ながら日本は世界的に見ても地震大国そして災害大国と言っても
過言では無いと思います。
その災害時や事故等の緊急時、様々な免許や資格を所持している方は
被災者を避難させ、負傷者の手当や看護、介助等を行い多くの方を
救済しています。
その代表格が警察官や消防隊員、医師や看護師、介護福祉士、救急救命士等
ですが、他にも防災士や防災設備士等の災害や緊急時に活躍する
様々な資格を持たれている方が存在します。
インクルーシブ防災と防災介助士。
最近では防災介助士というインクルーシブ防災に特化した資格も出て来ました。
インクルーシブ防災とは障害者や高齢者、幼児等の社会的弱者を含む
全ての人々を取り残さずに救済するという素晴らしい取り組みです。
2011年に発生した東日本大震災の苦い経験よりその考え方や
ポリシーが広まったと言われています。
東日本大震災での障害者の死亡率は一般的な死亡率の2倍だったと言う
事実がそれを裏付けていると思います。
防災介助士のホームページを見ると
「いつでも起こりうる災害について理解し、普段からどのように備えるか、災害時にどのように行動するのかを学び実践に結びつけるのが防災介助士の資格です。」とあります。
つまり、今回のテーマである”もしもの備え”にピッタリの資格なのです。
今はまだ防災介助士と防災士は民間の資格という事ですが近い将来
国家資格になる事を願って止みません。
社会的弱者を守る資格スキルの汎用化。
少し厳しい言い方になりますが、資格を持っている方の全てが
災害や緊急時のどんな場面でも100%の実力を出せるか
というとそれは疑問が残ります。
過去にもいざと言う時にその特別な能力を発揮出来ずに悔しい
思いをされた方もいるかもしれません。
そのスキルのポテンシャルをいかなる時でも最大限引き出し
有効利用する為には日常生活での意識の持ち方やイメージトレーニング
しかないと思います。
その為にも普段からスキルを出し惜しみせず仕事や日常生活の中で
汎用化しながら適用なり応用なりして行く事が重要になってくると
強く感じます。
弱者の弱点をカバーするスーパーヒーロー。
我々健常者が「もしもの備え」を考える時に「自分や家族を守る」と
真っ先に思うでしょう。
一般的にはそれが普通ですし、私もそう思っています。
しかし、自分を守る事さえ出来ない方がいるのも現実です。
それが社会的弱者なのです。
残念ながら社会的弱者の最大の弱点と言わざるを得ません。
そんな弱者の方を唯一守る事が出来るのが我々一般人であり
様々な資格を持ったスーパーヒーローでもあるのです。
社会的弱者のサイン。
障害者の中には自ら行動を起こして助けを求める事が出来る
方もいます。
これはほんの一例ですが、視聴覚障害者の方が白杖(はくじょう)を使った
SOSのサインが下のイラストです。
その下は白杖SOSシグナルのシンボルマークです。
“目が見えにくい”や”視力が全く無い”等、視聴覚障害の方は白い(又は黄色)杖を携帯する事が道路交通法で義務付けられています。(最近は黄色の杖の方は少なくなって来ましたが黄色でも白杖と呼ぶらしいです。)
そんな方々が困った時や周囲の方にサポートを求める時の合図が
「白状SOSシグナル」のサインなのです。
白杖を前方縦に構え、頭上50㎝位に掲げている方を見かけたら
積極的にお声掛けをしてお困りごとが何なのかを確認した上で
サポートしてあげて下さい。
防災意識と危機管理。
私自身はこの「白杖SOS」のサインを知ってから10年程経ちますが
1度も見た事も遭遇した経験も有りません。
しかし、5年程前に池袋駅の地下街で20m位前を歩いている
白杖の方が段々と歩くペースが遅くなり、白杖を前方に持ち替えた
瞬間に近くを歩いていた女性の方が声を掛けていました。
私も走って駆け寄りましたが、近くに行った時には既に女性の方が
「私が案内します」と仰っていましたので全てお任せして
そのまま通り過ぎました。
その女性の判断力と行動力の速さに感服するばかりです。
その方が普段どんな仕事をされて、どんな資格を持っているのかも
気になる所ですが、普段から防災意識や危機管理がしっかり
出来ているのではないかと確信しています。
やはり”もしもの備え”は大事な事なんだと改めて
感じた次第です。
#もしもの備え 秋川一也