
明かされていく真実にまた過去を振り返りたくなる第1クール【BLEACH 千年血戦編1クール】
今更ながらアニメ「BLEACH 千年血戦編」の1期を見終えた。
現代に復活したスマートなBLEACHの作画と1話1話の演出力はとにかく素晴らしい。オープニングから当時の雰囲気も崩さない古参への配慮も感じられるアニメ化だった。
話は千年の長い時間にわたって死神たちが背負っていた因縁、そして謎だった一護の出生も明かされていく最終章となる。
一護の出生と斬魄刀
一護の母親真咲は滅却師だったことが明かされる。死神代行編では父親の一心が死神であり志波家の人間だったことも明かされたが、彼はホロウと戦っていた際に真咲に助けられた際に出会っていた。
数日後その戦いをきっかけに死にかけていた真咲を死神の力を手放す代償を払って一心は助け、その後二人の間に生まれたのが一護だったという話。
一護は人間であり死神でもあり滅却師でもあるという複雑なルーツを持った人物であったが、異次元な力を持ち始めた斬魄刀もそのルーツを過去から証明していたとも言える。
一護が勝手に呼んでいた斬月のおっさんは千年前のユーハバッハであり滅却師であった。斬月のおっさんが最初に名前を述べていたコマの空白もユーハバッハに当てはまる長さだったことや、一護の名前がスペイン語訳がquinceになるなど、最初から一護の出生や斬魄刀の正体は決まっていた伏線が張られていたのは有名な話。
しかしそんな話以外にも斬月との修行中からおっさんは滅却師と同じような霊子を扱うような技を一護に彼は教えている。その修行後剣八と戦った際から卍解による燃費の低さを感じさせないのは一護だけだった。
斬月と虚が共鳴していたのは正に死神の白一護と滅却師のユーハバッハが共鳴し力を発揮していたこその能力だったとも振り替えられる明かされて初めて繋がっていく気持ちのいい話でもあった。
卯の花隊長の正体
回復や支援が主で常におっとり卯の花さんは初代剣八であり元11番隊隊長だった。
髪を前に結っていたのは少年時代の剣八と剣を交えた時についた傷と正体を隠すため。11番隊長で任務という大義で殺戮をしていたまさかの大罪人だったという作品の中でも割と秀逸に感じた話。
卯の花は剣八と出会ってからは母親のように成長を見守るようになり、初代剣八としての務めと彼女なりの幸福を見出していく最後だった。
藍染が彼女を前にして逃げたこともあったがそれもおそらく彼は知っていてここに繋がってくる。ファンからは常に違和感を感じさせるキャラクターだったらしいが、尸魂界でも回復支援役に努めているし直近で観ても意外な話。
剣八は彼女に勝ったことで力を抑えずに戦うことを覚えた。
滅却師は石田以外にも存在していた謎
千年血戦編での主人公の滅却師。石田だけだと思われた存在は千年前に封印されておらず徐々に存在力を知らぬ間に裏で取り戻していたということだった。
ユーハバッハはそもそものこの世界の全てを一度破壊して立て直すという無法主義に近い存在で、過去に大きな悪役として現れ王政自体は尊重したまま世界を作り替えようとした藍染とは思想がまた異なり仲間に加わることも拒んだ。
その後も藍染はユーハバッハの時間間隔を遅らせる仕掛けも施し一護などの窮地も脱せさせた。かなりの重い刑を科せられる身でありながらも彼の行動や哲学は一貫しているのはここでも見える。
ただユーハバッハはなぜそこまでの現世の恨みを持ったのかの動機や、滅却師が過去裏でどのように暗躍していたのかはよく分かっていないし、語られていないので謎な部分。一番隊に因縁があり霊王を殺して死の恐怖をなくさせるためと言えばそうなのだが、それが千年越しに現れる動機に繋がるのだろうか。
死神と戦争をし最後の霊王を介した一護らとのやりとりの件の目的も結局考察の域から出ない。アニメが終わるきっかけでそういった回答は出してくれそうな気はしている。
そして現世に残っていた石田の力はユーハバッハにわざわざ指名されるほど認められており、最期に彼の強さはここで理解されてくる。
2期のOPでも早速一護との関係を暗示する伏線が出ているようだが、どうアニメで表現されるかは期待したい。
ほぼ後半寄りの感想になったが個人的に大きな印象はこの辺だった。過去編も忘れているのでまた照らして読み直したくなる1クールだった。