音楽生成AI「SUNO」でChillなHIPHOPを作ってみた【実践解説あり】
今年流行ってきている音楽生成AIで私も楽曲を作ってみた。
画像生成や動画生成、AIチャットなどと比べると遅れをとっているイメージは強かったが最近は無料でも楽曲として遜色ない質のところまでは来ている。
作曲はAIが担い、歌詞が書けなくても雰囲気だけ指示すれば素人でも一曲が作れるようになった。
ただそこから満足して作り続ける人も少ない。
私も何もできない状態で一度試して作ったこともあったのだが、歌詞やプロンプトがスカスカなままだとAIが当たり障りないものだけを埋めてはくれるても自分の曲とはかけ離れた楽曲になるから。
自分もまだまだ雑だが少し勉強して、素人でも今回の曲である程度自分の色のついた楽曲にはできたのでそのあたりの作り方も共有したいと思う。
アイディアを歌詞に広げる
今回は作ってみたかったHIPHOPで尚且つ自分の生活に関わる楽曲にしたかったのでコンビニをテーマに拙いながら短い詞を書いた。
雑な詞だが自分にとっては根付いた詞。これでもAIにとっては十分なアイディアになるので具体的に書けるところは書いておいた方がいいと思った。
AIは否定もせず客観的に汲んでくれる。
ここからラップの一曲に広げるのは私にはできないので、チャットGPTに「歌詞構造」を指定して歌詞を広げてもらった。
韻もそこそこ踏みながらエモいラップに整えてくれた。
歌詞構造を表示しておくのはSUNOAIにプロンプトする際、よりサビとその前の歌詞やリズムを指定しやすくなるからここで分別しておいてもらう。
ちなみにHIPHOPぽくするためにChorusの部分は後にBass Dropに変えて作っている。
特に細かい指定がない場合は「歌詞構造を表示して歌詞を書いて」と聞いておくと勝手にChatgptは「chourus」や「outro」など分類して書いてくれるだろう。
歌詞が出て気に入ればこれをコピペし、SUNOをカスタムモードにして歌詞欄に張り付ければいい。無料版でも3000字までは指定できる。
自分はイメージと違う歌詞もあったので気に入った3バースに削りながら少し言葉を変えて作った。この作業もアイディアが明確であるほど捗るだろう。
作曲プロンプト
ここはSUNOAIに打ち込むプロンプトの話になる。正直作曲に関してはガチャ要素が強く、1日5回しか試せない無料版で完璧に仕上げようとするなら限界はある。
ただそこそこ細かいジャンル別のプロンプトをいくつも指定できるのでここである程度イメージがあるなら入れておいた方がいい。
素人はこの辺の用語も疎いので難しいが上手い人のプロンプトの受け入りをしつつ、ある程度のイメージのものに仕上げたいなら勉強する必要は出てくる。ここもAIに聞きながら学ぶのもありだろう。
自分はまず「HIPHOP,RAP,CHILL」と入れて作ったのが冒頭に載せた曲になる。これだけでも十分いい曲になった。
次に少しかっこいい系のものにしたらどうなるか気になったので以下のプロンプトを書いて作った。この辺は用語の意味も調べつつ細かく入れた。
rap, hip hop, trap, drill, grime, boom bap, crunk, cloud rap, mumble rap
できたのが以下の曲になる。
歌詞には合わないが流行りのかっこいい曲調に変わった。
完璧なイメージ通りのものにするにはまだ難しいが、素人が曲としてまとめるには想像以上のものは作ってくれる。
ただ逆に歌詞やプロンプトがスカスカだとイマイチ作ってもつまらないものしか出てこないのも事実。ここもアイディアの力は試されるが色んな曲を聴きながら作り手として湧いてくる人はAIに広げてもらうとすぐに形になるところまできた。
生成AI「UDIO」も使ってみた
同じ制作過程のまま音楽生成AI「UDIO」でも曲を生成してみた。
できた曲は以下の通り。
無料版しか使っていないがSUNOに比べるとまだまだ劣る。
4曲ほど作ったが30秒のみの曲しか生成できないうえ、日本語歌詞の対応もまだまだ追い付いていないのは見えた。難しい言葉を打つとすぐに違う言語に変えられて誤魔化させられるのが現状らしい。
有料ではあるが既にある音を素材としてサンプリング作曲ができたりカスタムは細かいらしいので、有料版ではまた質が変わるのだろう。
これから音楽生成してみたいのであればSUNOの方を薦める。
巷でいわれているAIを掛け合わせた副業や商品化など数字を期待するならば素人には再現性の難しすぎる分野ではあるだろう。やっている人が少ないのもその証明。
商用利用するにも有料のライセンスを取る必要があるので新規参入としてはあまり向かない。継続しつつファンがついたら取得するというのもありだろう。
ただ個人的にはあくまで表現技法の広げ方の一環として使うのはありだと思っている。今回敢えてRAPにしたのも歌詞も綺麗にする必要もないし、表現の枠が半径数メートルの生活圏からの話でも自由でいい分野だから。
アマプロ問わず今だに自分はまだ聞いてしまう分野だが最近は日記みたいな話を音楽で表現する人も増えて面白いなと思っている。
AIのおかげで文章や動画、絵や漫画など何でもない人間でも多分野でクリエイターを名乗れる可能性が広がっている時代になったが、それらが苦手な人は音楽の方が形式が変わって表現しやすい人もいるかもしれない。
結局はその人のどういう意志とアイディアでAIの力を借りていくかがこの先も人間の大切な過ごし方に思うが、自分の生活圏から豊かにできる手段はかなり整ってる。