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村上春樹 中国行きのスローボート

久しぶりに新宿の紀伊国屋書店に行く。

村上春樹の本が2冊、壁に備え付けられた本棚に並んでいた。一冊は新作の『デヴィッド・ストーン・マーティンの素晴らしい世界』・・・ジャズ・レコードのジャケット・デザイナーの作品を紹介した本・・・で、もう一冊は『中国行きのスローボート』。 今更、何故棚に並んでいるのかと思い、棚に貼られたPOPを読むと、1983年に村上春樹の最初の短編集として発売された『中国行きのスローボート』の単行本は廃版になっていて、今回、再発したとの説明。

家に帰ってから本棚を探したら、この40年前に買った単行本が帯も残った状態で出てきた。 

この単行本を購入する前に、ブルータスに掲載された『ニューヨーク炭鉱の悲劇』と、宝島に掲載された『土曜の最後の芝生』は雑誌で発表された時に読んでいたけど、村上春樹の短編集なので、単行本を購入して、帯のコピーの様に(当時はこんなコピー・ライトが流行っていた)の様に読みふけっていた。

当時の村上春樹はまだカルト的な人気だった時代の作品。文学好きな友人より、音楽、ファッション、高感度好きな友人の方で流行っていた時代。 この時代の短編は、文学と言うより、独特の文章回しを楽しんで読まれていた。なので、当時の愛読者は『ノルウェーの森』の頃から離れていったことを思い出す。

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