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生き物たちの暮す森|No.017「ナンキンハゼ」
毎年10月下旬から11月上旬になると、真っ赤に紅葉したナンキンハゼが若草山の斜面を覆う。
晴れた日の夕暮れに広がる光景は、まるで若草山の斜面が燃えているように見える程だ。
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これまで何度も鹿と絡めて撮影してきたが、そんな綺麗なナンキンハゼは外来種であり、在来種のススキが減少している原因にもなっている。
近年は若草山の麓から1重目の斜面や2重目付近では少しずつススキが回復して来ているように感じるが、それ以上にナンキンハゼも増えて来ている。
毎年11月の上旬から中旬には若草山を覆うナンキンハゼは伐採されるが根元が残る。年が明けて1月には山焼きが行われるが、また夏にはナンキンハゼが蒼青と成長して元通りになり、毎年紅葉を繰り返しては増え続けている。
奈良公園内のナンキンハゼの木は伐採され無くす動きがあるが、若草山のナンキンハゼは完全になくなることはまず無いだろうし、冬に付けるナンキンハゼの実が野鳥たちの好物の餌となり、すぐ隣に広がる春日山原始林や高円山は、その野鳥たちの糞から成長したナンキンハゼでみるみる覆われて来ているため、僕にとってはそちらの方が本当に危惧している。
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そんなナンキンハゼの中を覗くと、ノゴマやホオジロなどが寝床にしていたりと小さな出会いもあり癒されることもあるが、森の生態に影響を及ぼすナンキンハゼの存在については、これ以上増やさない為に意識を向ける必要があると思っている。
※春日山原始林は外から見るだけでは全くわからないが、中を歩くと現状がよくわかります。