佐藤和斗

自然写真家|奈良県奈良市生まれ|「 鹿たちの楽園 」をはじめ、「 不思議な雲や空 」「…

佐藤和斗

自然写真家|奈良県奈良市生まれ|「 鹿たちの楽園 」をはじめ、「 不思議な雲や空 」「 生き物たちの暮す森 」など自然物をテーマに撮影を続けている|主な著書には「明日、シカに会いに行こう」「DEER PARK」ほか|YouTubeチャンネル「ふぉとかずとくん」

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  • 生き物たちの暮す森

    ご覧いただける皆様には、僕が撮影を続けている「春日山原始林」についての素晴らしさ、多様な生き物たちの存在、そして、驚きや発見を作品を通してお届けできればと思っていますので是非お楽しみください。

最近の記事

YouTube動画「生き物たちの暮す森」シリーズ始動

YouTubeチャンネル「ふぉとかずとくん」にて新シリーズ「生き物たちの暮す森」が始動! 先日より、投稿させていただいておりますが、僕は4年前より、春日山原始林や奈良公園・若草山などの生き物たちの撮影を現在進行中で行っています。 これまでのYouTubeでは「奈良の鹿」をメインに投稿してきましたが、これからは並行して【 春日山原始林 】の素晴らしさや四季の光景、多様な生き物たちの存在、そして、驚きや発見をYouTubeでも通してお届けできればと思っていますので是非ご覧下さ

    • 生き物たちの暮す森|No.012「イヌセンボン岳?」

      タマムシが一生懸命、朽ちた切株を這い上がり、白い小さなキノコに辿り着いたがまだまだ登っていく。 キノコはイヌセンボンダケという種類で、表面が滑るのか、鉤爪がついたタマムシの足でも何度も滑っては地面に落下する。それでもタマムシは諦めずに何度も白いキノコの壁を這い上がっていく。 イヌセンボンダケの頂に何かあるのか? それとも飛び立つ為に出来るだけ高い所に行きたいのか? 僕はタマムシの行動をじっくり観察し続けた。 這い上がる姿をローアングルで見上げた瞬間…‼︎ なんてこ

      • 生き物たちの暮す森|No.011「ヤマトタマムシ」

        南遊歩道のすぐ隣にある「滝坂の道」を歩いていると春から秋にかけてたくさんの昆虫と出会えます。 滝坂の道は柳生街道の前半にあたり、不ぞろいの石を敷き詰めた石畳や石仏が残されています。辺りを見渡せば木々の緑と澄んだ空気に癒され、川のせせらぎを聞きながら歩くことができる風情豊かな古道です。 ここでよく見かける昆虫は、オオセンチコガネ(通称:ルリセンチコガネ)やチョウ類やトンボの仲間、セミやカマキリ、クモやザドウムシなどに出会うことができます。 その他にも、カブトムシやクワガタ

        • 生き物たちの暮す森|No.010「カケス」

          青い羽根を落とした鳥の名は「カケス」。 カラス科の仲間で、名前が一文字違い。 顔は薄い紫褐色で、首は白く、お腹にかけてオレンジの体に翼に鮮やかな青色と黒色の縞模様がある。頭はゴマ塩模様のお洒落さんで、目がはっきりと白目と黒目がわかるのが特徴。 僕はカケスが大好きで、「ジャーッ、ジャーッ」と嗄れ声が聞こえるといつも探してしまう。 でも春日山原始林は、杉もモミもなんせ木が高く、カケスは木の上の方で騒いでいるので、すぐ目の前の木に居るのはわかっているのに、なかなか撮影できる

        YouTube動画「生き物たちの暮す森」シリーズ始動

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        • 生き物たちの暮す森
          12本

        記事

          生き物たちの暮す森|No.009「青い羽根」

          森の中を歩いていると生き物たちの痕跡に気付けます。 糞や足跡、実の食べかすや木の皮が薄くなっていたりと存在を感じられるフィールドサインは様々。 その他にも野鳥たちの羽根を見つけることもしばしば。 カラスや青鳩、アオゲラやフクロウなど‥ 色んな野鳥たちの羽根が落ちているなか見つけると嬉しい気持ちになる羽根がある。 それは、ある野鳥の「青い羽根」だ。 この黒と青の縞模様の羽根、何の野鳥だと思いますか? 羽根の持ち主はまた次回ご紹介します。

          生き物たちの暮す森|No.009「青い羽根」

          生き物たちの暮す森|No.008「アブラムシとアリの関係」

          何かいないか、虫はいないかと雑草に目を向けると茎に固まって集まるアブラムシを発見。 その茎ではアリたちも行ったり来たりしている。 少しの間観察していると、互いを攻撃するわけでもなく、逃げるわけでもない。 よく見ると、アリは触覚でアブラムシ達を太鼓のようにポンポン、ポンポン叩きはじめた。 すると… アブラムシのお尻からキラリと輝く一粒の雫が出てきた! 実はこの行動、アリが刺激を与えて、アブラムシのお尻から「甘露(かんろ)」と呼ばれる甘〜い蜜を出させている。 アリは

          生き物たちの暮す森|No.008「アブラムシとアリの関係」

          生き物たちの暮す森|No.007「ニホンリス」

          切り株の上に何かの殻?が集められているのを発見した前回のお話の続き。 その後、何度もその場所を訪れるとパラパラ… 上から何かが降ってくる感じがした。 気のせいか?と、また気を取り直して周辺を探索していると、やっぱりパラパラ何かが降ってくる… パラパラしていた所に近づき、何が落ちてきたのか見てみると、ある木の根元や周辺の地面にすっごい量の殻が落ちている。 その木を確認してみると「 モミの木 」だ! この大量に散らばっているのはモミの実の殻だった。 それに気づき頭上を

          生き物たちの暮す森|No.007「ニホンリス」

          生き物たちの暮す森|No.006「切り株に集められていたモノ」

          原始林の中を歩いていると必ず奈良公園との大きな違いに気付きます。 それは… 明らかに木の大きさが違うこと。 とにかく最初の頃は上をよく見上げたものです。 まるで、田舎育ちの僕が都会に行った時のように…笑 遊歩道や滝坂の道など、奈良公園でもよく見る杉が一回り大きく、モミの木に関しては更にデカい…! 歩くたびに足を止め、木々の大きさに感動したこと、ここは特別な場所なんだと感じたことを今でも鮮明に覚えている。 そんな大きな木の下、苔に覆われた切り株の上に松ぼっくりの殻

          生き物たちの暮す森|No.006「切り株に集められていたモノ」

          生き物たちの暮す森|No.005「粘菌」

          動物でも植物でもキノコ(菌類)とも違う「粘菌」をご存知ですか? 春日山原始林でも奈良公園内でも、梅雨明け頃から10月頃まで気温と湿度の条件が揃うと突然現れる不思議な小さな存在。 朽ち木や切株の表面、枯れ葉の上などに現れるので、注意深く探せば簡単に見つけられるのですが、ほとんどの人が知らないし、見た目がカビっぽいものや、アメーバ状だったり、もの凄く小さかったりするので気づいていないだけなんです。 今回紹介する粘菌は、どこの森でもよく見かける黄色をしたアメーバ状のキフシスス

          生き物たちの暮す森|No.005「粘菌」

          生き物たちの暮す森|No004「モリアオガエル」

          皆さんは、木にぶら下がっている小さな風船のような大きさの白い泡状の不思議なモノを目にしたことがありますか? それは「 モリアオガエルの卵 」なんです。 モリアオガエルは、奈良県版レッドデータブックでは絶滅危惧種の1つ上のランクで、絶滅寸前種に指定されている珍しいカエルなんです。 実は僕、カエル(両生類)や爬虫類が苦手(触れない)、それでもモリアオガエルを撮影したくて、2020年4月下旬頃から何度も何度も森に通い、水辺を探し回ったのを覚えています。 ----------

          生き物たちの暮す森|No004「モリアオガエル」

          生き物たちの暮す森|No.003「糞虫観察」

          年間数トンもの大量の糞をする奈良の鹿たち。 そんな大量の糞を食べて、お掃除してくれる糞虫が奈良公園や春日山原始林にたくさん生息している。 糞虫に出会うには、立派に溜まった糞の塊の下をほじくるか、森の中の落ち葉をザァーっとどかしてみるか、糞の香り(臭い)がする所に辿りつければ見つかります。 奈良公園や原始林には2cmほどの瑠璃色に輝く糞虫がいます。 それが今回の主役、通称:ルリセンチコガネ! ※正式名称は「オオセンチコガネ」といいます。 オオセンチコガネは地域ごとに体の

          生き物たちの暮す森|No.003「糞虫観察」

          生き物たちの暮す森|No.002「最初は苦労の連続」

          奈良公園の主役といえばもちろん「鹿」ですが夜の主役は「ムササビ」たちだということをご存知でしょうか。 奈良公園や原始林には、沢山のムササビたちが暮らしており、夜の林や森の中はムササビたちの楽園です。 日没後、参道や遊歩道を歩けば、あちらこちらで鳴き声が聴こえたり、頭上で存在を感じることができます。 普段は意識して観ないと、なかなか気付かないかもしれませんが、奈良公園や原始林の遊歩道にある木には、大小様々な樹洞(木のうろ)があり、その大半がムササビ達の巣なんです。 場所

          生き物たちの暮す森|No.002「最初は苦労の連続」

          生き物たちの暮す森|No.001「きっかけ」

          2019〜2020年頃から子供向けの奈良公園の鹿の絵本が作りたくて奈良公園に暮す鹿以外の哺乳類(ムササビやイノシシなど)の写真を撮り始めていた。 どうせなら鳥も何種類か紹介したいなと思い色々調べてみると、オスだけ尾羽が長い「サンコウチョウ??」という変わった名前の鳥が初夏の原始林にもやって来ることを知った。 当時の僕は野鳥の知識が全く無く、スズメ、ハト、カラス… カワセミ?って珍しいんだよね?ってくらいのレベル そんな野鳥撮影ど素人が無謀にも原始林へと足を踏み入れてみた

          生き物たちの暮す森|No.001「きっかけ」

          生き物たちの暮す森|No.000「想い」

          これまで通り「奈良の鹿」の作品も投稿していきますが、同時進行で4年前から撮影を進めている新作『 生き物たちの暮す森 』の投稿も始めます。 ご覧いただける皆様には、「春日山原始林」の素晴らしさや四季の光景、多様な生き物たちの存在、そして、驚きや発見を作品を通してお届けできればと思っていますので是非お楽しみ下さい。どうぞよろしくお願い致します。 奈良公園と言えば鹿をイメージするかと思いますが、奈良公園の奥に広がる「春日山原始林」はどのようなイメージをお持ちでしょうか。 春日

          生き物たちの暮す森|No.000「想い」

          自然写真家・佐藤和斗のnoteへようこそ

          みなさま、はじめまして。 自然写真家の佐藤和斗です。 本日から「note」をスタートします。まずは自己紹介と現在抱いている想いをお伝えしたいと思います。 自然写真家・佐藤和斗 奈良県奈良市生まれ。写真専門学校を卒業後、2006年から写真家・中野晴生氏に師事、2008年に独立。以来、「鹿たちの楽園」、「不思議な雲や空」、「森に暮らす生き物たち」など、自然をテーマにした作品を撮り続けています。 主な著書には奈良公園の鹿たちをテーマにした写真集『DEER PARK 世界でここ

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