世界の料理ショー - 料理番組をバラエティに変えた
今回はドラマでは無いのですが、ちょっとだけ外国というものを感じさせてくれた「世界の料理ショー」を取り上げます。まあ番外編みたいなものです。
料理番組というのは「きょうの料理」なんていう番組のように、それこそテレビ放送が始まった頃にはもう放映されていたのですが、この料理ショーは、料理を作りレシピも出てきますが、そこはどうでも良いのです。料理研究家という肩書がついている主役であるグラハム・カーがラフなスーツ姿でワイン片手に登場し、下ネタを含んだアメリカン・ジョーク(カナダなんですけどね)を飛ばしながら、日本では殆ど見たことがないような実に美味しそうな料理を作り始めるのです。
世界の料理ショー
グラハム・カー
画面に登場するのはカー氏だけなのですが、目の前にいるのであろうスタッフと掛け合い(ひとりで喋っているのですけどね)ながら、手際よくかつ大胆に材料を切って焼いて、煮込んで仕上げていくのです。番組はスタジオに観客を入れて眼の前で料理を作るショー形式で、この時代のアメリカの番組あるあるで時折、観客の笑い声が入るスタイルなんですが、料理ができあがると観客の一人を招待して一緒に食べるのがお約束になっていました。
ジョークは翻訳しても伝わるのが難しいので、吹き替えの際にはかなりアレンジを加えたんだそうです。それはそうでしょうね。しかし実にうまいことアレンジしてあります。オリジナルと比べたことはないのですが、良く同じ長さのセリフをうまいこと考えたものです。これが楽しみで見ていたようなものですからね。そうそう最後の試食のところだけは吹き替えがされていなくて、カー氏の生の声が聞こえます。もっとも声なだけで殆ど意味のある会話はしていませんでしたが。
世界の料理ショー
元々はカナダの放送局で1968年から放送されていたものだそうですが、非常に斬新で人気が出たので37カ国で放送されるまでになったようです。日本でも1974年から東京12チャンネル(現:テレビ東京)で放送されました。時間帯を思い出せないのですが(日曜の夕方とかかなぁ)、他に見るような番組もない時間だったので、ついつい見ていました。
しかし、この番組の料理と来たら、お店でも似たようなものこそあるけれども、普通は見かけないような料理ばかりで、材料もいきなり塊肉1キロとか、香辛料も近所のスーパーでは手に入らないような(デパートなら何とか)ものをふんだんに使うので、最後に登場する日本語のレシピでは、手に入る材料で置き換えられるような説明がついていました。まあ今であればだいたい手に入るものですけどね。日本の食卓も随分と変わったものです。いきなり「スープストック」とか言われても日本の家庭では用意されていませんですって。
世界の料理ショー DVD-BOX
こんな古い番組だったのですが、2009年にDVDが発売され、BSやCSでも再放送をするようになりました。料理は普遍的なものなので、今でもおいしくいただけそうですが、時折映る観客の姿が歴史を感じさせます。登場する料理を並べてみると、当時のカナダ・アメリカの食の嗜好が良く分かる内容で、少しばかり脂っこいものが多いものの味付けは実はシンプルなものが多いような気もします。「世界の」と銘打っている割にはエスニックなものは少なく殆どがヨーロッパと中米までの料理です。
まあ料理を目的に見るというよりは、料理をダシにしたショー番組であって、カー氏の独演会ではあるわけです。そのつまらないジョークを面白おかしく楽しむものなんですが、外国ではうまそうなものを食っているんだなと、ちょっとだけ憧れながら、いつかはこういう料理も食ってやるぞ!と将来を夢見ながら見ていました。
Youtubeでかなり見られるみたいですね。
世界の料理ショー
ヘッダ画像は、以下のものを組み合わせて作りました。
https://www.irasutoya.com/2020/07/blog-post_682.html
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Graham_Kerr.jpg
Tessa Kerr - 投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=65986924による
#海外ドラマ #料理番組 #世界の料理ショー #グラハム・カー #料理バラエティ番組
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