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NationalのMSX - キングコング
さて、MSX機の紹介もそろそろ本命のナショナルです。ちょうどMSXが発売された頃からナショナルは国際ブランドとして使っていたパナソニックを押し出すようになりつつあり、日本でも1986年に発売されたMSX2のFS-A1からパナソニック表記に変わっています。
それまでナショナルは、JRシリーズという家庭向けパソコンを出していましたが、知名度は恐ろしいほど低く、彼らとしてもパソコンというものはビデオのようなものなので、メーカーがコンテンツまで揃えるのではなく、統一した土俵で動くソフトがあってこその製品だと理解していたのでしょう。MSXには最初から大変に熱心に参画し、最後のMSXとなるターボRに至るまで製品をリリースし続けました。
JR-200と300 - ナショナルブランドのパソコンたち
その記念すべき第一号がCF-2000です。1983年の10月に発売され、メモリは16K、スロットは2つという極めて当たり前のMSXです。価格も当時の当たり前として約5.5万円でした。
CF-2000
愛称はキングコングで、名前のインパクトだけはありました。タレントに頼らなかったあたりがナショナルらしさなのかもしれません。
イメージキャラならぬ“イメージアニマル”が広告塔を担当!? 「ナショナル CF-2000」
ナショナル MSX CF-2000 CM 1984年
発売当初のMSXは実は人気があったとは言えるようなものではありませんでした。当時、既にパソコンで遊んでいたユーザーからしてみれば、面白いゲームがあるわけでもなく、スペックとしても見劣りするMSXが、いくら安価であるといっても、もう持っている人にとっては意味が無いわけで、アスキー以外の雑誌では取り上げられることも少なく、まず周知宣伝とコミュニティ作りから始めなければいけませんでした。
JR ファミリーへの家族愛 CF-2000 (MSX)
まあ新しく始めたことが最初からスムーズに進むわけも無いのですが、MSX時代はまず製品を出すのが精一杯という感じで、いろいろなメーカーのいろいろな機種がたくさんリリースされて試行錯誤が繰り返された感じがします。
パナソニックも翌1984年にはCF-2700とCF-3000を出します。
CF-2700
CF-3000
CF-2700の方は、メモリが32Kと倍増し周辺インターフェースを拡充したマイナーチェンジ版、CF-3000はハイエンドを目指してメモリを64Kとし分離型キーボードを採用したセパレートタイプのデザインです。本体にディスクドライブではなく拡張スロットが目立つのが珍しいです。実は最初からドライブを内蔵する予定はあったようで翌1985年にはメクラ蓋となっていた右端にドライブを搭載したCF-3300が登場しています。
CF-3300
また搭載メモリを16Kにした廉価版であるCF-1200も1985年に発売されています(4万円とちょっと)。
CF-1200
この年にナショナル内部でのMSXの担当部署に変更があり、同社の日本語ワープロと同じシリーズになったらしいです。おそらくMSX2で日本語が扱いやすくなることを見越していた(予定していた?)のでしょうか。この後もキングコングの愛称は続いたようですが、型番がCFからFSに変わりました。ということで、今回はここまでとしておきましょうか。MSXもMSX2になってから、ようやくその魅力が出てきたように思えるのですよ。
ヘッダ画像は、月刊アスキー1984年1月号に記載された広告ページ(部分)。
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