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君たちはどう漢字を入力するのか - 日本語入力黎明期
パソコンで漢字表示が出来るようになったとしても、その漢字をどうやって入力すれば良いのかは別の問題です。それまでにも漢字を扱う専用装置は存在していて、多くは和文タイプライターのように文字盤に小さな文字を並べて、それをペンなどで選択して入力するスタイルでした。これは特に説明しなくても誰でも使えるものですが、専用のキーボードが必要ですし、熟練しても入力速度には限りがありました。
漢字直接入力
パソコンに搭載されるようになった頃には、まず漢字1文字ずつを音読みまたは文字コードで指定して入力していました。同じ音読みの漢字はたくさんあるので、これを識別するために言ってみれば漢字ごとにニックネームを付けて入力する連想式という方法も開発されましたが、熟練が必要なので専用機では採用されましたがパソコンで使われた例は限られていました。
連想式漢字直接入力
他にも今でも中華圏で使われているような部首を指定して漢字を指定する方法もありましたが、こちらは殆ど使われることはありませんでした。
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最初にワープロ専用機が登場した時は、どの入力方法が適切なのかわかっておらず、タブレット式、連想入力、カナ漢字変換などといろいろな入力方式が登場しました。キーボードもそれぞれですし、それぞれの方法に熟練する必要がありました。
日本語入力をするには、やはり今まで馴染みのあるキーボードで入力するのがベターです。既にJISキーボードでカナの入力方法は確立していたので、カナで入力をし、これを漢字に変換する変換方法が開発されました。まず専用機が作られ、この評判が良かったためにパソコンでも使われるようになりました。最初は一つの文節を単位に変換を行っていましたが、一つの文節だけでは前後関係を見ないので、変換候補が多くなりがちで煩雑なので、複数の文節を一度に行える連文節変換が登場し、今の日本語入力の基本となりました。
日本語ワードプロセッサ - 誕生と発展の歴史
パソコンでは1981年くらいからオプションで漢字ROMが搭載できる機種が登場し始め、BASICでの漢字の扱いも整い始めたもののプリンタが漢字フォントを持つのはもう少し先で、漢字を印刷するには、そのための特別なコードを書くか画面をコピーするくらいしかできませんでした。入力ももっぱら単漢字変換で、1文字ずつ文字を指定する必要があったので、本格的な漢字仮名交じり文を書くのはまずワードプロセッサから始まったのだと言えるでしょう。
そもそも漢字コードがJISで最初に定義されたのは1978年で、まず第1水準2965文字、第2水準3384字、非漢字453字が定義されました。事実上ここからようやくコンピュータで漢字が使えるようになったわけです。と同時に文字コードにまつわる問題も始まりました。
JIS C 6226 情報交換用漢字符号系の制定
かな漢字変換って、なかなかスゴイ発明で、未だに欧米の人が日本人が入力しているのを見て「ファンタスティック!」という人がいるとかいないとか。今では当たり前に感じるでしょうが、これを実現するにはソフトウェアが必要です。まさにコンピュータだからこその入力方法なのです。
さあて、これでワードプロセッサや漢字入りの文字コードの話が始められるな。
ヘッダ画像は、以下のものを使わせていただきました。https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Japanese_Keyboard.jpeg
User:Leonidas_from_XIV - 投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=26715431による
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