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VIC-1001のキーボードと文字コード
さてさて久しぶりになってしまったレトロPCのキーボートと文字コードですが、今回はコモドールのVIC-1001です。VIC-1001については、シンクレアなどと一緒に以下の記事に書きました。
シンクレアとVIC - 日本では広まらなかったけど
コモドールとしては本格的にホビー分野への参入を意識した機種で、最初から日本向けで開発されました。キーボードは多少安っぽくガタガタはするものの、きちんとしたキーで特徴的なのは右側にファンクションキーが付いていることです。
さてVICの画面は、結構複雑な事になっていて、回路図が見当たらないので定かなことはわからないのですが、PET2001のビデオ回路に加えてカラーやモードを制御するメモリを別に用意するという作りになっていたようです。カラーはCTRL+ファンクションキーを押すことで指定できます。PET時代から続く制御文字を打ち込むときだけではなくPRINTすることでも使えるというのも同じです。
モードは左下にあるコモドールキーをシフトしながら押すことで切り替えることが出来、標準のグラフィックモードから切り替えるとカタカナが使えるようになります(PETの時にとあるアドレスにPOKEで値を書き込むことで切り替えていたのと同じようなものなのかな)。この状態ではカタカナが使えるモードになるだけで、さらにコモドールキー(今度はシフト不要)を押すとカタカナモード2になり、これでカタカナの入力ができるわけです。
まず基本となるグラフィックモードでのキーボードです。
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なおVICに英小文字はありません。ファンクションキーはシフトを押さないと奇数番号のファンクションキーとして機能します。グラフィックモードでシフトを押した状態で記号と図形文字が入力できます。なお左下の黒丸は実際にはコモドールマークが刻印されているコモドールキーです。
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シフトを押すとファンクションキーは偶数番号になります。青い字で書いてあるのがカーソル移動キーで、標準で下と右がシフトで上と左になります。
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さてグラフィックモードでコモドールキーを押しながらキーを押すと、別の図形文字が入力できるようになります。とはいえ多くはシフトと同じ文字ですね。なお左端にはPETと同じようにSTOP/RUNキーがあって、これでプログラムを走らせたり止めたりできます。なおRETURNキーの上にあるRESTOREキーはSTOP/RUNキーと同時に押すことによりメモリを消さないソフトリセットをかけるキーです。さてカタカナモードでも、何も押さない状態で入力できるキーは同じです。ここでシフト状態にするとカタカナの入力が出来るのですが、このモードではJIS配列ではなく対応する英字キーのコードのままのカタカナになるようです。
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そうです。これはPET2001のカタカナ配列とほぼ同じですね。シフトではなく、ここでコモドールキーを押せば晴れてJIS配列での入力ができるようになります。
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さらにこの状態でシフトを押すと一部の罫線文字と漢字が使えます。
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注意点としてはPETと同じくカタカナに小文字はありませんし、カギカッコなどのカナ記号もありません。VICにはユーザ定義文字が作れるようなので、足りなければ自分で頑張れということなのでしょうか。ということで、文字コードに行きます。
文字コードに関しては、グラフィックモードとカタカナモードで表示できる文字が異なりますが、基本としてはPETSCIIと呼ばれるPETで使われた文字コードが基本になっているようです。とはいえ図形文字の位置が入れ替わっているところもあり、資料を見る限り同じ文字に複数のコードがあるようにも見えるので、そのうち実機で確認したいなとは思うところです。
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反転文字はカラーと同様にアトリビュートとして指定できるようです。反転文字のコードから反転オフのコードまでが反転されます。BASICで複数の行にまたがる図形文字などを表示するときには、都度カーソル移動命令を実行するのではなく、文字列にカーソル移動コードを入れることで1度のPRINTで済ますことが多かったと思います。これを乱用するとちょっとコードが読みにくいのですけどね。
PET2001 - 悪評の高かったキーボードと PETSCII
PETの資産を活かすにも微妙な違いがありますし、どうしてこんなややこしいことになったのかは、今となれば謎のままです。
VIC-1001 マニュアル
キーボードと文字コードの説明で使ったファイルを貼っておきます。このファイルは改変も含めご自由にご利用していただいて構いません。
ヘッダ画像は、コンピュータ歴史博物館で展示されていたVIC-20。カタカナは無いですが、ハードウェアは基本的に同じです。
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