宇宙SFの時代 - 文藝春秋デラックス
はじめてApple][を知った本の話を
懐かしのapple][
で書いたのですが、この「本」を探したものの見当たらなかったのですが、具体的な名前をたまたま掲示板で見つけたので、amazonで入手しました。こんなに古い本でも手に入るモノなんですね。
小松左京の話を開いたところ、当時の興奮が蘇ってきました。正確には小松左京が担いで来たのではなく、担いできた人がいて遊んでもらったんですね。ゲームに出てくる英語の翻訳が微妙なところが今となると笑えます。綺麗なグラフィックとかではなくて、それまで大きなコンピュータでやっていたようなことが、こんなに手軽に出来るようになったんだという風に伝わります。SF作家が未来を実感している感じがします。
この本の記憶には折込でスターウォーズのポスターがあったのは何となく覚えていたのですが、あらためて読み返すと、当時の精鋭たちを集めた「神」巻であることがわかりました。小松左京以外にも、野田昌宏、松谷健二、矢野徹、横田順彌、鏡明など、有名どころが続き、なんとスタジオぬえの名前まで。この本でSFに触れて、当時はまだよく知らなかった作品を読みはじめるキッカケになったのは確かです。
ビジュアル要素も盛りだくさんで、SF映画やSFアニメは、これらをベースにして作られていったんだなと、今となれば理解できます。
オマケ記事?としてSFテストとかがあるのですが、そういえばこういった遊び心をいれるのが当時は定番だった気がします。今やると問題で出てくる内容も覚えていないし、結果で出てくる内容も、何だっけ?というものが多いので、伝わりづらいところもありますが、雰囲気だけはわかります。技術は進んだものの人間性が変わったわけではないので、当時のものの方が素朴で本質的なところを突いている気がします。
結局、その後、ローダンも3桁冊読んだし、メディアの発達のお陰で、ここで出てきた映画やドラマをいつでも見れるようになって幸せです。SF大会などで、これらの作家の方々にお会いできるようになるなんて、当時は考えもしなかったです。もうお亡くなりになった方を偲び、思い出した作品を引っ張り出してみたいと思ったところです。
ヘッダ写真は『文芸春秋デラックス・宇宙SFの世界』(1978)の表紙