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PC-9801F2を買って遂に日本語が自由に使えるようになった
大学に入って最初に買ったのはパソコンではなく日本語ワープロでした。
OASYS LITE - はじめての日本語ワープロ
それまで使っていたパソコンはAPPLE][で拡張に次ぐ拡張で、一応、何でも出来るようにはなっていたのですが、流石に時代に取り残されていましたし、ボチボチあちらこちらの不具合も目立つようになっていました。大学生になると何かを書く頻度が格段に増えますし、既にキーボードに慣れていたので、もう手書きの文書よりもワープロで書いたほうが楽になるのは間違いありません。
今の人から見ると意外かもしれませんが、当時はキーボードに慣れていない人も多く、正直に言ってワープロで文字を打つよりは手で書いたほうが速いというヒトが殆どで、ワープロを使うのは何からの正式な文書を清書するためのものと考えられていました。それでも複雑な書式を扱うには能力不足で、いったんプリントしたものを切って貼って図などを組み合わせて紙の上で完成させることも珍しくはありませんでした。
そんな制約がありながらも、手書きでは間違いを修正するのも大変ですし(ワープロなら簡単)、過去に書いた文書を再利用できるのもワープロならではです。そこでまず最初にワープロに手を出したのです。
そしてパソコンの方も当然、日本語が扱いやすいものが欲しくなります。その意味では日本製のPCが良いですし、PC-9801シリーズがほぼ唯一の選択肢でした。という訳で、発売から少し経って既に、2HDドライブを内蔵した9801Mも出てからだとは思うのですが、9801F2を買うことにしました。いろいろと悩んだのですがまだ2HDは誰も使っておらず、ここで頑張るよりも外付けの8インチを用意しました。その頃は値段もこなれて来ていたのでオプションの第2水準などの漢字ROMも入れて本体メモリも上限まで増やしたものを選びました。同時に高解像度カラーディスプレイとプリンタも必要です。この時は定番のPC-PR系ではなくオフコン系のラインナップであるNM-9400を選んだ覚えがあります。この時代は本体から漢字フォントデータを送るのではなくて、プリンタの方にも漢字ROMを積む必要があったので、こちらにも第2水準までのROMを用意する必要がありました。
なかなか出費がかさんだのですが、これで一通りのことは出来るようになりました。さぁ私にとっての新時代の到来です。
MS-DOSは既にVer2となっており、使いにくいとは言え文節変換が可能になっていました。N88BASICもDISK-BASICを使う時代をすっ飛ばして最初からMS-DOS版を使っていました。
ちょうど日本語ワープロソフト「jx-word太郎」が出た頃で、この時代はFEP(今のIME)のような形でアプリの外側でワープロの日本語変換を使えなかったので、使いにくいNECの日本語変換を嫌って、バッチファイルを書くにもワープロを使う始末です。
本体は用意したものの、いろいろなワープロソフトが覇権を競っていた時代でしたし、ゲームだって面白いものがたくさん出ています。開発環境も今のように無料で使えるなんていうものはひとつもありませんから、ソフトを揃えるためにもアルバイトにせいを出すという少しばかり本末転倒な状況でした。
ちょうどアルバイト先でUNIXを使うようになっていたので、MS-DOSとの似て非なる差に戸惑いを覚えることも多く、Cコンパイラを手に入れてからは、こっそりUNIXコマンドのソースを入手しては98向けに修正して使ったりしていました。お陰でUNIXのtarを98のMS-DOSで読み出すツールをまず作る羽目にはなりましたが。同じようなことを考える人はとても多かったようで、アスキーからその手のコマンドライブラリが発売になったので、結局、そちらに乗り換えましたが。
BASIC時代からの名残で、まずハードウェアをしゃぶり尽くすための勉強を始め、グラフィック画面操作やディスクのセクタ単位での読み書きなんかをBASIC以外から操作する方法を覚えていました。MS-DOSは汎用OSなので、機種固有のハードウェアサポートが殆ど無いのですよね。
そんな話は個別に思い出した順に書いてみます。
ヘッダ写真は、月刊アスキー1984年10月号に記載されていた広告(部分)。
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