Z-80のその後 - まだ現役の8ビットCPU
8ビットCPUの代名詞とも言われるほどにZ-80は売れに売れました。当然16ビット時代にも覇権を握るべくZ-8000を開発しましたが、Z-80との互換性を捨てたことと、充分に高速に動作しなかったこともあり、インテルに市場を奪い返されてしまいました。
8bitの王道 - Z-80
最後の手作り!?CPU - Z-8000
とはいえZ-80自身の需要は旺盛で、多くのメーカーからセカンドソースが作られ続け、NECのμPD780、シャープのLH5080を始め多くの互換CPUが生産されました。LH5080はCMOS化されPC-1500で採用されたLH5801に進化しました。
LH5801 マイクロプロセッサ
その後、命令体型の拡張だけでなく多くのメモリを扱うための機能を強化した上位互換CPUが次々と作られるようになりました。日立のHD64180はMMUを内蔵し1Mまでのメモリを扱えるようになりました。アスキーはMSXの延命と16ビット化を目指しR800をリリースしました。
HD64180
R800
もちろんザイログ自身もZ-8000のように命令の互換性を捨てるのではなく、互換性を維持しつつ16ビット化を図ったZ800を開発するのですが、既に主戦場は32ビットに移っており、時既に遅しでした。
8ビットZ80上位CPU
結局、Z-80だけは今でも製造されていてFPGAやASICのコアとしても活用されているのですが、さすがにもう8ビットCPUをわざわざ作らなくても、より高性能なCPUが充分に安価に供給されるようになっているので、もうエミュレーションで良かろうという声も聞こえ始めています。いずれにせよZ-80のアーキテクチャは、まだまだ現役です。
ザイログ
Z80
過度に成功しインフラ化してしまった製品を持ってしまった会社の末路はなかなか厳しいものですね。
ヘッダ画像は、以下のものを使わせていただきました。https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Z80-CPU_register_set.png
Sphl - 投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=107620817による